「グッドナイト&グッドラック」 サウンドトラック [英語文化のトリビア]
Good Night & Good Luck - O.S.T.
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Concord
- 発売日: 2005/09/27
- メディア: CD
映画を観ている最中はいいと思ったBGMも、後日それだけで聞くと味気なく感じられることがある。映画は、作品を全体として受け止め、体験するものなのだろう。
そんなわけで、ミュージカルを別にすれば、サントラ盤にはあまり興味が湧かないが、 ダイアン・リーヴスという大物が、映画のために新録音したアルバムを出し、グラミー賞まで取ってしまったと聞き、CDを買ってみた。
この映画「グッドナイト&グッドラック」 はまだ観ていないが、描かれているエド・マローは、アメリカの現代史について書かれた本によく出てくる名前だ。
第2次大戦中は、戦争特派員として、ドイツによる爆撃を受けていたロンドンから "This...is London." という独特の口調で始まる数々のレポートを送った。戦後は今で言うアンカーパーソンとなり、自分の番組を、毎回 "Good night, and good luck." という言葉で締めくくっていたという。映画のタイトルはここから取ったのだろう。
のちにウォルター・クロンカイトが、毎日のニュースを締めくくる "...and that's the way it is." という sign-off が有名になったが、これもマローのやり方を受け継いだものだと思う。日本でも某キャスターが「きょうはそんなところです」といって番組を終えているが、決まり文句で締めるスタイルはともかく、言葉の中身までクロンカイトをなぞっているのはちょっと哀しい。
映画は、マッカーシズムというハードなテーマを取り上げているので、当時の時代背景など、ある程度の背景知識も求められそうだが、余裕を見つけて観に行きたい映画だ。
さてサントラ盤だが、ここに聞くダイアン・リーヴスは、黒人ジャズシンガーというと連想しがちな声の「濃さ」が少なめで、ジャズボーカルものを聞きなれていない人にも取っつきやすいのではないだろうか。
個人的には、バックがもう少し前に出てきてもよかったように感じたが、スローな曲が多いこともあり、まあよしとしよう。ナット・キング・コールやコール・ポーター、デューク・エリントンの曲などを集めて、サントラということを離れて楽しめる、本格的なCDに仕上がっていると思う。
追記(2007年2月):
映画をDVDで鑑賞したので、感想を書いた。
wires and lights in a box~映画「グッドナイト&グッドラック」
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タグ:ジャズ
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