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続・horse にちなんだ表現 [英語のトリビア]

前回に続いて、horse が使われている表現で、面白いと思ったものをあげることにする。まずは、

A horse! A horse! My kingdom for a horse!

である。

「交換・代償の for」の例として学んだもので、前回の You may take a horse to the water,... と同様、個人的に懐かしい。「馬のために私の王国を」ではなく、「馬をくれ!馬さえくれれば、代わりに自分の国をくれてやる」という、シェークスピアの「リチャード3世」に出てくるセリフである。

イディオム集の定番ではと思われるのが put the cart before the horse である。あるオンライン辞書には、

- reverse the proper order or procedure of something
- to do things in the wrong order
Deciding what to wear before you've even been invited to the party is rather putting the cart before the horse, isn't it?

という説明と例文がある。

horse ではないが、これで連想したのが (It is a case of) the tail wagging [that wags] the dog という表現。犬が尻尾を振るのではなく、犬が尻尾に振られているということからだろうか、「主客転倒、下剋上」という意味になる。ちなみに英語によるある説明では、

the less important or subsidiary factor, person, or thing dominates a situation; the usual roles are reversed

「本末転倒」と「主客転倒」は何となく似ているが、英語をみると「馬と馬車の順番」と「犬(主)と尻尾(従)の関係」になり、日本語のような紛らわしさはない感じがする。

この表現を私が知ったのは、クリントン前大統領のセックス・スキャンダルに材を求めたと思われる「ウワサの真相」という映画(1997年)による。"Wag the Dog" という原題を見て、イディオムっぽい響きがあるなと思って調べたのだった。映画はあまり評判にも話題にもならず、実は私もまだ観てはいない。レンタルビデオ店で探してみようかな。

コンピューターウイルスの名前にもなった「トロイの木馬」は Trojan horse だが、以前取り上げた enemy within と意味が似ているといえるだろう。これを「獅子身中の虫」としているものがあった。なるほど、と思ったが、今やこの日本語の方が死語かもしれない。

余談だが、トロイ(トロイア)は現在のトルコにある。現地にある張りぼての「トロイの木馬」像は観光用で、「見てがっかり」ものとして有名だが、遺跡めぐりが好きな私としては、やはり行ってみたい場所だ。以前トルコに行った時は時間がなくて訪れることができず、残念であった。

余談ついでに、stable は「馬小屋、厩舎」のほかに、「養成所、訓練機関、同じ集団に属する人たち」といった意味があり、日本の「相撲部屋」にもこの単語が使われている。相撲部屋の「親方」は stable master である。

horse から離れてしまったが、この単語のさまざまなイディオムについては、例えば次のサイトが参考になりそうだ。
http://idioms.thefreedictionary.com/horse


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