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「プリンセス・マサコ」その後 [ニュースと英語]

昨日 "Princess Masako" について書いたばかりだが、けさ起きて新聞を見たらちょっと驚いた。何というタイミングの一致か、来月に予定されていたこの本の翻訳が、出版取り止めになったという記事が載っていたからだ。

日本の出版社は、多数の事実誤認が見つかったため、著者 Ben Hills の了解を取った上で、誤りを修正した翻訳を完成させていたということだ。しかし、先の日本政府の抗議に対して謝罪を拒否した著者の態度を見て、「信頼関係を保つことができない」と結論づけ、出版中止を決めたとのこと。

間違いが多数あったのが本当だとすると、いい加減この上ない著者だと思うが、そうはいっても(というより、むしろそうした著者だからこそ?)、自分の非を認めることになる謝罪を素直にするとは考えにくいだろう。しかし、そこに政府が行った抗議を持ち出してきて出版中止の理由とするのは、あまり説得力があるとは私には思われず、出版社についても後味の悪いものを感じた。

勝手な想像だが、出版社は、予想以上に内容に間違いがあるのに驚き、調べてわかる範囲で訂正はしたものの、出版後にもっとトラブルが起きたら困ったことになると考えていたのではないだろうか。そこに今回の抗議があり、著者が無視する姿勢を取ったのを見て、これを奇貨として出版をやめることにしたのではないか、そんな邪推もしたくなった。

それにしても、翻訳者や編集者など、日本版の出版準備に携わった人たちは、おかしいと思われる部分の再調査・訂正を含めて、多大の時間とエネルギーを費やしたはずだ。結果的にそれがすべて無になってしまったのだからから、関係者はどんな気持ちでいるだろうか、と、朝刊を読みながら思った。

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