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「伝説」と legend [注意したい単語・意外な意味]

前回 phenomenon と「現象」について書いたが、それからの連想で頭に浮かんだのが legend である。私は単純に「伝説、古くからの言い伝え」というように覚えたが、英語に触れるにつれて、そうした訳にそぐわない例を見聞きするようになった。

形容詞の legendary には、「伝説上の」とあわせて、「伝説に残るような、有名な」 (very famous and talked about a lot by people, especially in a way that shows admiration) という意味があるが、そちらの意味にあたる名詞と考えればいいだろうか。英和辞典には、「語り草」といった訳が載っている。

TVドラマ Star Trek については、これまでも何回か書いているが、新しいシリーズのレギュラー出演者の座を射止めた俳優が、「なぜオーディションを受けたのか」という質問に対して、

I wanted to be part of the legend.

というように答えていたのを雑誌で読んだことがある。ホンネを端的に言えば、「人気番組のレギュラーとなって有名になりたい」ということだろうが、面白い言い回しだと思った。日本語ではどういえばいいだろうか。「語り伝えられる存在になりたかった」ではちょっと重いか。

もっとも先日の phenomenon と「現象」と似て、「伝説」という日本語も、現在進行形的な意味で使うようになっている。英語の legend や legendary に引っぱられたものかもしれない。「伝説のロックバンド」というような言葉は、別に「かつては事実として信じられてきた古い言い伝え」ではなく、実在する人物・グループについて使われている。

"I wanted to be part of the legend." も、難しく考えずに、「伝説の仲間入りをしたかった」とでもすれば、いまや十分自然な日本語といえるかもしれない。

ついでだが urban legend という言葉を初めて目にした時、文脈から「まことしやかな話、まゆつば話」を指すらしい、とあたりをつけていたら、その後、そのままの「都市伝説」という日本語を見聞きするようになった。国語辞典で「伝説」を見ると、「風聞」「うわさ」という意味も載っているので、別に外れているわけではないようだが。

「伝説」といえば、古ノルド語に由来するという saga もあるが、「サーガ」というカタカナ語も見かけるようになっている。

ついでに、legend には「写真の説明」「キャプション」という意味があることを付け加えておきたい。

追記(2008年3月):
「キャプション」を意味する legend について、少し詳しく書いた。
legend 「キャプション」 [単語・表現]
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2007-12-19

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