「グリム童話の世界」 [読んだ本]
幼い子どもがいるおかげで、日本や外国の童話に久しぶりに再会している。私が子どもの時に読んだ装丁そのままで、今も版を重ねている創作童話には、本当に懐かしい気持ちにさせられる。また、いろいろアレンジはされているものの、古典作品は言うに及ばない。
そうした古典のひとつに、グリム童話がある。絵本からディズニーなどの映画、幼稚園での劇の発表まで、さまざまなところで出会う。そんなこともあって、店頭でこの新書が目にとまった。
200ページ程度の本だが、なかなか読みごたえがある。簡単にいうと、グリム兄弟が童話(メルヘン)として採録した中世ヨーロッパの民間伝承をさぐり、当時の庶民の生活や信仰、物語に託された人々の願望などを浮き彫りにしている。
興味深かったのは、キリスト教がヨーロッパで勢力拡大を図るため、地元に古くから伝わっていた風習や信仰を排斥するのでなく、逆に取り込んでいったことを、童話の登場人物から考察していることである。こうしたキリスト教の手法については、これまでも他のところで読んだことがあったが、この本はサンタクロースなどを例にして、親しみやすく説明している。
さらに著者は、ヨーロッパの人々は意識の表層ではキリスト教徒だが、意識の深層では、非キリスト教的な民間信仰が今も息づいている、という持論を展開していく。
子どもにつきあって再会したグリム童話について、ちょっと知ることができれば、と軽い気持ちで手に取った本だが、読んでみると、ヨーロッパの歴史と文化についてのしっかりした考察となっている。こうしたテーマに興味がある方には、おすすめしたい本だと思った。
そうした古典のひとつに、グリム童話がある。絵本からディズニーなどの映画、幼稚園での劇の発表まで、さまざまなところで出会う。そんなこともあって、店頭でこの新書が目にとまった。
200ページ程度の本だが、なかなか読みごたえがある。簡単にいうと、グリム兄弟が童話(メルヘン)として採録した中世ヨーロッパの民間伝承をさぐり、当時の庶民の生活や信仰、物語に託された人々の願望などを浮き彫りにしている。
興味深かったのは、キリスト教がヨーロッパで勢力拡大を図るため、地元に古くから伝わっていた風習や信仰を排斥するのでなく、逆に取り込んでいったことを、童話の登場人物から考察していることである。こうしたキリスト教の手法については、これまでも他のところで読んだことがあったが、この本はサンタクロースなどを例にして、親しみやすく説明している。
さらに著者は、ヨーロッパの人々は意識の表層ではキリスト教徒だが、意識の深層では、非キリスト教的な民間信仰が今も息づいている、という持論を展開していく。
子どもにつきあって再会したグリム童話について、ちょっと知ることができれば、と軽い気持ちで手に取った本だが、読んでみると、ヨーロッパの歴史と文化についてのしっかりした考察となっている。こうしたテーマに興味がある方には、おすすめしたい本だと思った。
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