「ギガバイト」のお次は? [単語・表現]
前回取り上げた zillion からの流れで、莫大な数について書くことにしよう。子供の時、学習雑誌で「数の単位の一覧」という内容の記事を見た。「京」までは聞いたことがあったが、さらに上の単位は初めてだった。「恒河沙」「那由他」といった摩訶不思議な響きの単位があり、最も大きいものは「無量大数」であると知った。
後年、英語の学習を始めると、十億の単位が billion、1兆を越すと trillion ということは学んだが、それまでだった。ある時、ふと思い立って調べると、当然のように、もっと大きい数を表す言葉があった。
もちろん記憶しているわけではないので、改めて調べてみた。
まだまだ先があるがこれくらいにする。
ややこしいのは、million を越すと同じ単語でもイギリス(ヨーロッパ)とアメリカで意味が違うことだ。数学が苦手な私でも、イギリス式では1のあとに0が6個つくのが million で、12個つくのが billion であることから、まさに後者は bi- ということだとわかる。アメリカでは million より0が3つ、つまりカンマで区切って表記される3桁分だけ大きいものが billion となっている。
同様に trillion はイギリス式では0が18個で、6個の million から見てまさに tri- であるが、アメリカでは0が billion からカンマひと区切り分、million から見るとふた区切り分(つまり0を6つ)増やすわけで、結局イギリスの billion と同じになるわけである。イギリスの trillion はアメリカ式では quintillion (100京)ということになる。
余談だが、太陽に一番近い恒星「アルファ・ケンタウリ」はおよそ4.3光年離れている。これはおよそ40兆キロメートルに相当する。つまりキロで考える限り、単位は兆で収まるわけだ。英語・日本語とも、聞いたこともないような単語の値がいかに莫大なものか、多少は想像つくように思った。といってももとより実感できるわけではないが。
一方、下には下がある。「分」「厘」という言葉は、子供のころ圧倒的な人気があった野球で覚えたようなものだが、「沙」「塵」「埃」「模糊」「清浄」などというものがある。英語では billionth, trillionth, quadrillionth というように、-th をつけていけばいいようだ。
また、先ほど「キロ」メートルについて書いたように、ギリシャ語やラテン語に由来する呼び方もある。
kilo- あるいはそれより下の centi-, milli- あるいは deci- は子供の頃からおなじみだったが、社会人になってパソコンをやるようになると、「キロバイト」に加えて「メガバイト」に触れるようになった。mega- は、かつては「メガトン級」といった言葉を聞いたことがあるくらいだったが、一挙に日常的に使う言葉になった。
かつては半ば冗談で「次はギガバイトだね」などと言っていたが、ほどなくしてそれが当然になり、「キロバイト」はほとんど死語になってしまった。ITの進展は早い。
余談が過ぎたが、大きい方を見てみよう。「テラ」 などはすでにおなじみという方もいるかもしれないが、さらに上がある。
下のほうを見ると、「ミリ」「マイクロ」は言うに及ばず、「ナノ」もよく聞く言葉になっているといえるだろうか。
いずれにせよ、今回取り上げたような莫大な(あるいは極小の)数字は一般人の実生活にはほとんど無縁であろう。日本語・英語両方が載っていて、かつ多少とも想像がつくような説明をつけたものに、Wikipedia 日本語版の「数量の比較 (無次元数)」がある。
英語では、 Wikipedia に "Names for large numbers," "Names for small numbers" という項目があるが、一覧として便利なものに、
http://www.uni-bonn.de/~manfear/numbers_names.php
があった。
ところで私の場合、英語の数字を耳で聞いてとっさに理解する、あるいは日本語の数字を英語で表現するのは、込み入ったり数が大きくなったりするともうお手上げで、大切な場合は、実際に文字にして確かめるしかない。こうしたことをとっさにできる人は、いい意味で人間ばなれしていると映る。
後年、英語の学習を始めると、十億の単位が billion、1兆を越すと trillion ということは学んだが、それまでだった。ある時、ふと思い立って調べると、当然のように、もっと大きい数を表す言葉があった。
もちろん記憶しているわけではないので、改めて調べてみた。
trillion, quadrillion, quintillion, sextillion, septillion, octillion, nonillion, decillion, undecillion, duodecillion, tredecillion, quattuordecillion, quindecillion, sexdecillion, ...
まだまだ先があるがこれくらいにする。
ややこしいのは、million を越すと同じ単語でもイギリス(ヨーロッパ)とアメリカで意味が違うことだ。数学が苦手な私でも、イギリス式では1のあとに0が6個つくのが million で、12個つくのが billion であることから、まさに後者は bi- ということだとわかる。アメリカでは million より0が3つ、つまりカンマで区切って表記される3桁分だけ大きいものが billion となっている。
同様に trillion はイギリス式では0が18個で、6個の million から見てまさに tri- であるが、アメリカでは0が billion からカンマひと区切り分、million から見るとふた区切り分(つまり0を6つ)増やすわけで、結局イギリスの billion と同じになるわけである。イギリスの trillion はアメリカ式では quintillion (100京)ということになる。
余談だが、太陽に一番近い恒星「アルファ・ケンタウリ」はおよそ4.3光年離れている。これはおよそ40兆キロメートルに相当する。つまりキロで考える限り、単位は兆で収まるわけだ。英語・日本語とも、聞いたこともないような単語の値がいかに莫大なものか、多少は想像つくように思った。といってももとより実感できるわけではないが。
一方、下には下がある。「分」「厘」という言葉は、子供のころ圧倒的な人気があった野球で覚えたようなものだが、「沙」「塵」「埃」「模糊」「清浄」などというものがある。英語では billionth, trillionth, quadrillionth というように、-th をつけていけばいいようだ。
また、先ほど「キロ」メートルについて書いたように、ギリシャ語やラテン語に由来する呼び方もある。
kilo- あるいはそれより下の centi-, milli- あるいは deci- は子供の頃からおなじみだったが、社会人になってパソコンをやるようになると、「キロバイト」に加えて「メガバイト」に触れるようになった。mega- は、かつては「メガトン級」といった言葉を聞いたことがあるくらいだったが、一挙に日常的に使う言葉になった。
かつては半ば冗談で「次はギガバイトだね」などと言っていたが、ほどなくしてそれが当然になり、「キロバイト」はほとんど死語になってしまった。ITの進展は早い。
余談が過ぎたが、大きい方を見てみよう。「テラ」 などはすでにおなじみという方もいるかもしれないが、さらに上がある。
giga-, tera-, peta-, exa-, zetta-, yotta-
下のほうを見ると、「ミリ」「マイクロ」は言うに及ばず、「ナノ」もよく聞く言葉になっているといえるだろうか。
milli-, micro-, nano-, pico-, femto-, atto-, zepto-, yocto-
いずれにせよ、今回取り上げたような莫大な(あるいは極小の)数字は一般人の実生活にはほとんど無縁であろう。日本語・英語両方が載っていて、かつ多少とも想像がつくような説明をつけたものに、Wikipedia 日本語版の「数量の比較 (無次元数)」がある。
英語では、 Wikipedia に "Names for large numbers," "Names for small numbers" という項目があるが、一覧として便利なものに、
http://www.uni-bonn.de/~manfear/numbers_names.php
があった。
ところで私の場合、英語の数字を耳で聞いてとっさに理解する、あるいは日本語の数字を英語で表現するのは、込み入ったり数が大きくなったりするともうお手上げで、大切な場合は、実際に文字にして確かめるしかない。こうしたことをとっさにできる人は、いい意味で人間ばなれしていると映る。
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日本の くぎり(period)は 4けた 単位です。万億兆の ように。でも 表記は 3けた 単位に commaを つけている。この チャンポンで わけが わからなく なっています。だれが こんな チョンボを したのか?..
by Harry (2007-11-04 07:19)
検索エンジンの Google の名前の基になっている Googol という単位は 10 の 100乗 のことだそうですよ。
by たんご屋 (2007-11-04 09:20)
英米で使われる単語が違うのは仕方がないとしても、同じ語が違う単位を表すというのは困ったことですよね。million、billion、trillion などは、経済などのニュースでよく使われる単位ですし。大きな混乱や問題はなかったのでしょうか…。学校英語ではアメリカ式しか教えていないのが実情だと思います。
by mamarimama (2007-11-04 16:19)
Harry さん、コメントありがとうございました。
4けたでの区切りは、本多勝一氏も提唱していましたね。私も日本語としてはそちらの方が理にかなっていると思います。明治の文明開化の時に西洋式をそのまま取り入れてしまったのでしょうかね。
by 子守男 (2007-11-05 02:05)
たんご屋 さん、Googol を見たときには「Googleに似ているなあ」と思ったものの、それ以上特に調べずにいたのですが、なるほどそうだったのですか。面白いお話ありがとうございました。
by 子守男 (2007-11-05 02:07)
mamarimama さん、確かにアメリカとイギリス(欧州)とで違っているのは困りものですよね。英語については、多分もはやアメリカ式が各国で優勢になっているのではないかと想像していますが、実際のところはどうなのでしょうかね。
by 子守男 (2007-11-05 02:10)
Chuck さんが イギリスの週刊誌 The Week を取り上げて下さっていますが、ちょうど billion (bn) が出てきたので、この語について質問しました。URL 欄に Chuck さんから いただいた御返事の記事を入れておきました。ご参考まで。
by mamarimama (2007-11-05 17:28)
mamarimama さん、どうもありがとうございました。
by 子守男 (2007-11-05 21:08)