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語彙力なら達人やネイティブに勝てる [英語学習]

先日に続いて、語彙力についてもう少し書いてみたい。なぜかあまり指摘されないように私は感じているのだが、学習者が自分より総体的に英語ができる人に勝てる可能性が一番大きい分野は語彙ではないだろうか。

「あの人の知らない単語・表現を知っている」と思うのは、ささやかでケチな優越感かもしれない。しかしそれが学習の励みになりうるのが、聖人ならぬ普通の人間というものだ。

「自分より英語ができる」というのは、英語の検定試験で級やスコアが上の人、英語の達人と映る人、また帰国子女、はてはネイティブスピーカーだって構わない。この程度の英語力しかない私でもこんなことを言えるのは、自分自身そうした体験を何回かしているからだ。

ひとつ意地悪な例を書けば、前回取りあげた AERA English の「人気講師たちにきく単語とのつきあい方」というアンケートでは、英語のプロである回答者に「最近知った単語」についても書いてもらっているのだが、この中で、サスペンス系のドラマが好きなら先刻承知という人が多いのではと思われる、ある単語をあげておられる方がいた。

「何をエラそうに」と思われるのも困るので、まったく逆の場合を書くと、もし私が今アメリカでひとり自炊生活を送ることになったらひと苦労することだろう。生活に密着した事物に関するもろもろの語彙、あるいはスラングに弱いことを自覚しているからである。

話を面白くしようと「達人にも勝てる」と表現してみたが、つまりいいたいのは、総体的な英語力のレベルに差はあっても、語彙力については人によって得意な分野・不得意な分野があっておかしくないはずだ、ということである(基礎的な語彙はおさえていることを前提としたうえだが)。もちろん、通訳者など、中には穴のない分野はないという凄い人もいるはずだが、少数派といっていいだろう。

いずれにせよ、達人から見ればおかしいだけかもしれないが、普通の学習者は、「ささやかな優越感」を味わうことを励みのひとつにして学習を進めるのは悪いことではないと思う。

逆のことを考えると、英語検定試験で級やスコアが下の学習者の中にも、あなたの知らない単語や表現を知っている人がいるということになる。慢心はいけない。

そして、語彙に関しては、「ここまで覚えればいい」などといった範囲や制限を設けるのはバカげたことだと思う。もちろん初期に覚えるべき基礎単語(数千語くらい?)はあるだろうが、その先もどんどん知っている単語を増やす努力を続けていくべきだろう。

英会話のセンセイの中には、「どれだけ多くの単語を知っているかではなく、基礎的な単語を使いこなせるようになるのが大切」ののたもう人がいる。後半は会話については確かにそうだと思うが、前半には賛成できない。

自分で使いこなせなくても、知っている語彙が多くて悪かろうはずがない。また、理解できる単語の総体を増やさなければ、自己表現に使える単語もいつまでたっても拡がらないのではないだろうか。

そして、どこでどんなきっかけで何を覚えるのかわからないのが単語・表現であり、楽しさもそこにある。語彙を増やす上で潔癖症になる必要はなく、いろいろな機会や方法を通じて努力すべきものだと思う。

参考記事:
「やっぱり単語力だ」
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2007-12-16

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