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混同しがち?な「戦艦」と「軍艦」 [ニュースと英語]

このところ軍事関係の単語について触れているが、英文記事を読んでいるとこうした語彙が自然と増えてくるのは、各地で紛争が絶えないからだと悲しむべきか。今回は、実際に見聞きしたこの分野の誤解や誤訳について書いてみたい。

まずは湾岸戦争だったか、アメリカ軍の艦艇を同時通訳が「戦艦」と呼んでいたのを聞いた記憶がある。

「軍艦」 warship は総称で、その中に、大型砲を搭載した重装備の「戦艦」 battleship、あるいは「航空母艦(空母)」 aircraft carrier、また「巡洋艦」 cruiser など、いろいろな種類の艦がある。だから「軍艦」と「戦艦」は別物である。現代では「戦艦」に分類される大型艦を持っている国は世界にはないはずだ。

国語辞典の中にも「戦艦」を「戦争用の船。軍艦」としているものがあるが、不適切だと思う。以前、ある人にこうした話をしたら、「でも軍艦も戦艦も軍事用の船ということでは同じでしょ」と言われてしまった。トラックを自動車の総称にしてしまい、乗用車も「トラック」と呼ぶことに抵抗がないなら仕方がない。私は抵抗がある。

ちなみに、とてつもなく大きいことを表すときの「超弩級」の「弩」(ど)は、20世紀はじめのイギリスの戦艦「ドレッドノート」 HMS Dreadnought から頭の「ド」を取って当てたものだという。

次に、「護衛艦」の英訳として、私の手持ちの和英辞典は an escort vessel, a convoy ship だけを載せている。一般的な意味では間違いではないが、海上自衛隊の「護衛艦」には destroyer が使われている。つまり「駆逐艦」である。

自衛隊は軍隊ではないということで考え出された日本語の名称だろうか。自衛艦にはそれぞれの型にアルファベットがついているが、護衛艦は D が共通しており、destroyer を表している。

次回も、英語を学ぶ過程で知った注意すべき軍事関係の単語をあげたいが、間違いがあればご指摘いただければ幸いである。

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