正真正銘の real McCoy [固有名詞にちなむ表現]
これまで何回か触れたことがある海外ドラマ「スター・トレック」は、いまBSで放送されていて、録画して暇ができた時に見るようにしている。先日見たのは "The Man Trap" という原題のエピソードだった。それにちなんで real McCoy という表現について書いてみたい。このエピソードのノベライズ版がきっかけで覚えたからである。
そのノベライズ版を翻訳で読んだのは遥か昔の中学生の時で、高校生になってからペーパーバックの原書を手に入れて英文を眺めた(実際にドラマを画面で観たのはさらにその後だった)。なぜか元の "The Man Trap" ではなく "The Unreal McCoy" という独自の題がつけられていた。翻訳では「実体のないマッコイ」となっていた。
Star Trek には「マッコイ」というレギュラーの登場人物がいて、このエピソードではその偽者が出てくる。だから小説の題に McCoy がついていてもおかしくない。それにしても「実体のない…」という訳題はどうもいただけないな、などと思っていた。
そして大学時代のある日、具体的な状況は忘れたが、英語のネイティブ同士が話している近くにいたら、"real McCoy" と聞える言葉が耳に飛び込んできた。はて、どこかで聞いたことがあるような。すぐにあのタイトルを思い出した。何かまとまった意味があるのだろうか?
そのネイティブを個人的に知っていたわけではないので、「real McCoyって何ですか」と聞く勇気もない。そこで帰宅してすぐに英和辞典を引いて見た。確かに載っていた。
いま使っている辞書やネットから説明を引用しよう。
タイトルの "The Unreal McCoy" は、real McCoy をもじったものらしい。それにしても、「実体のないマッコイ」とした翻訳者、この表現を知っていたのだろうか、と自分を棚にあげて意地悪く考えたりした。
さらにそのずっと後、ネイティブスピーカーと話をしていた時にも、これまた状況は忘れてしまったが、相手が "It's the real McCoy!" と言ったことがあった。「や、出てきたな」と思った。
さて、この表現の由来は上記の英和辞典ではっきりしているように思われるが、ネットの The New Dictionary of Cultural Literacy には微妙にニュアンスの違うことが書かれていた。
ちょっと興味を持ち、他のサイトを調べてみたら、real McCoy のいわれは諸説あることがわかった。
http://www.phrases.org.uk/meanings/real%20mccoy.html
http://www.worldwidewords.org/qa/qa-mcc1.htm
同様の意味を持つ表現に real Mackay があり、上記の World Wide Words の筆者は、Kid McCoy ではなく、こちらが起こりではないかとしている。
おまけだが、mantrap, man-trap には「(侵入者を捕らえるための)わな」「(賭博場など)誘惑の場所」「(男を誘惑する)魅惑的な女」などといった意味が辞書に載っている。
なお「スター・トレック」の Dr. McCoy は、毒舌家だが人間味のある宇宙船の船医という設定である。演じたデフォレスト・ケリー DeForest Kelley は出演者の中でもっとも年長とあってか、10年ほど前に亡くなっている。
そのノベライズ版を翻訳で読んだのは遥か昔の中学生の時で、高校生になってからペーパーバックの原書を手に入れて英文を眺めた(実際にドラマを画面で観たのはさらにその後だった)。なぜか元の "The Man Trap" ではなく "The Unreal McCoy" という独自の題がつけられていた。翻訳では「実体のないマッコイ」となっていた。
Star Trek には「マッコイ」というレギュラーの登場人物がいて、このエピソードではその偽者が出てくる。だから小説の題に McCoy がついていてもおかしくない。それにしても「実体のない…」という訳題はどうもいただけないな、などと思っていた。
そして大学時代のある日、具体的な状況は忘れたが、英語のネイティブ同士が話している近くにいたら、"real McCoy" と聞える言葉が耳に飛び込んできた。はて、どこかで聞いたことがあるような。すぐにあのタイトルを思い出した。何かまとまった意味があるのだろうか?
そのネイティブを個人的に知っていたわけではないので、「real McCoyって何ですか」と聞く勇気もない。そこで帰宅してすぐに英和辞典を引いて見た。確かに載っていた。
いま使っている辞書やネットから説明を引用しよう。
- n. (口)[the (real) ~]確かな人[もの]、本人、本物;逸品
<俗> a. 本物の;きちんとした
[Kid McCoy (米国のプロボクサーNorman Selby (1873-1940) のリング名;同姓の無名選手と区別するため]
- [名][通例 the (real) ~](代用品・にせ物でなく)本人、本物 <米国のボクサーNorman ShelbyのリングネームKid McCoyを他の同じ名前のボクサーと区別するためにthe real McCoyと呼んだことにちなむといわれる>、最高の物
[形]本物の
- (informal) the real thing; the genuine article
the apparent fake turned out to be the real McCoy
- something that is genuine and that has value, not a copy
It's an American flying jacket, the real McCoy.
- the real thing and not a copy or something similar.
Cheap sparkling wines cannot be labelled 'champagne'. It has to be the real McCoy.
タイトルの "The Unreal McCoy" は、real McCoy をもじったものらしい。それにしても、「実体のないマッコイ」とした翻訳者、この表現を知っていたのだろうか、と自分を棚にあげて意地悪く考えたりした。
さらにそのずっと後、ネイティブスピーカーと話をしていた時にも、これまた状況は忘れてしまったが、相手が "It's the real McCoy!" と言ったことがあった。「や、出てきたな」と思った。
さて、この表現の由来は上記の英和辞典ではっきりしているように思われるが、ネットの The New Dictionary of Cultural Literacy には微妙にニュアンスの違うことが書かれていた。
The best of its kind, the real thing:
“That homemade pizza was the real McCoy.”
The source of this expression is the story of a famous prizefighter named McCoy. He had so many imitators that no one was sure which was the real one.
( http://www.bartleby.com/59/4/realmccoy.html )
ちょっと興味を持ち、他のサイトを調べてみたら、real McCoy のいわれは諸説あることがわかった。
http://www.phrases.org.uk/meanings/real%20mccoy.html
http://www.worldwidewords.org/qa/qa-mcc1.htm
同様の意味を持つ表現に real Mackay があり、上記の World Wide Words の筆者は、Kid McCoy ではなく、こちらが起こりではないかとしている。
おまけだが、mantrap, man-trap には「(侵入者を捕らえるための)わな」「(賭博場など)誘惑の場所」「(男を誘惑する)魅惑的な女」などといった意味が辞書に載っている。
なお「スター・トレック」の Dr. McCoy は、毒舌家だが人間味のある宇宙船の船医という設定である。演じたデフォレスト・ケリー DeForest Kelley は出演者の中でもっとも年長とあってか、10年ほど前に亡くなっている。
タグ:スター・トレック
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