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快刀乱麻を断つ (cut the Gordian knot) [固有名詞にちなむ表現]

先日取り上げた cut the umbilical cord と直接の関係はないが、なんとなく連想したのが、cut the Gordian knot という表現である。英和辞典には「難問を一刀両断に解決する」「快刀乱麻を断つ」などと書かれている。

フリギア王ゴルディオス Gordius が結んだ複雑な結び目を解いた者はアジアの支配者になるといわれたが、誰も果たせないでいたところ、アレクサンドロス大王は結び目を剣で一刀両断にして解決したという。
http://www.alexander-the-great.co.uk/gordian_knot.htm

これでは結び目を解いたことにはならない、と思うのは凡人の考えなのだろう。結果よければすべてよし、あるいは発想を変えることが必要、ということだろうか。

それはともかく、英英辞典で cut the Gordian knot をひくと、

- to act quickly and decisively in a difficult situation; solve a problem boldly
- to deal with problems by taking forceful action
- solve or remove a problem in a direct or forceful way, rejecting gentler or more indirect methods.
- to solve a notoriously difficult problem in a quick and decisive manner:
“The president hoped that his bold new anti-inflation plan would cut the Gordian knot.”

などと書かれている。「快刀乱麻を断つ」が「複雑な問題をあざやかに解決するたとえ」(明鏡国語辞典)であるならば、英語の方は、より決断力や大胆さに力点が置かれているようにも思える(もちろん結果として「あざやか」といえることはあるだろう)。ある英和辞典には「非常手段で難問を解決する」という訳語もあげられていた。

余談だが、私は英会話にもっと興味があった若い頃に、この表現を同年代のネイティブスピーカーに対して使ってみたが、わかってもらえなかったという思い出がある。その時は、「何だ知らないのか」と生意気にも思ったが、今にしてみれば、こうしたイディオムを得々と振り回した自分の方が愚かだったのだろうと考える。日本語の「快刀乱麻」も、いまの若い人にとっては死語であろうか。

最期に、ゴルディアスと全く関係ないが、、音の響きから、高校か大学で習った「カルネアデスの舟板」を連想した。そこで辞書を調べてみたが、Carneades を収めているものはごく少数で、「舟板」にあたる表現も載っていなかった。

さらにネットで検索してみると、"plank of Carneades" があったが、Google でのヒット数は数百件にしかすぎない。専門家は別として、英語圏で一般の人にどのくらい知られている表現なのだろうか。

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