コップの中の嵐 (tempest in a teapot) [単語・表現]
前回取り上げた、「騒ぎ」を意味する brouhaha からの連想で、tempest in a teapot という表現について短く書きとめておきたい。文字通り「コップの中の嵐」とか「から騒ぎ」ということである。teacup でもよく、イギリスでは tempest の代わりに storm を使うようだ。
英英辞典の説明を抜き書きしてみよう。
World Wide Words というサイトによると、tempest in a teapot は少なくとも1838年までさかのぼれるということだが、そもそもの由来についてはっきりとしたことは書かれていない。
http://www.worldwidewords.org/qa/qa-tem1.htm
一方 Wikipedia も1838年の用例を載せているが、こちらは古代ローマのキケロ Cicero が使ったというラテン語に触れている。"billows in a ladle" という意味だそうで、billow は「大波」、ladle は「ひしゃく」。単語は違うが、これが今回の英語表現につながっていったということだろうか。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tempest_in_a_teapot
また、日本語の「コップの中の嵐」も、この表現(あるいは他の外国語の類似表現)に由来するのだろうか。ネットで検索したら、やはりそうした見方を示している記事があったが、はっきりとしたことはわからなかった。
ところで、今回この表現を取り上げたのは brouhaha からの連想だと書いたが、すぐに頭に浮かんだわけではない。まず「騒ぎ」のつながりでシェイクスピアの「から騒ぎ」(または「むだ騒ぎ」) Much Ado About Nothing を思い浮かべ、ついでシェイクスピアの関連で「あらし」(または「テンペスト」) The Tempest を連想し、そういえば tempest in a teapot という言い回しがあったな、と思い出した次第である。
私は極力連想をたくましくして英語学習の足しにしようとしているが、別に関連表現や単語がぱっぱっと頭に浮かぶわけではない。もう少し頭の回転が早かったら英語の上達も早いだろうに、といつも悔しく思っている。
ついでに ado からの連想だが、without further [more] ado という表現がある。辞書に「あとは苦もなく」「無造作に」といった訳もあるが、私が実際に見聞きしたのは、前置きのあと本題に入る時などに「すぐさま」「さっさと」として使われた例だ。
trouble or difficulty; fuss, esp. about something that is unimportant という ado の定義を見ていると、「ぐだぐだ言わず」というような言葉も頭に浮かぶ。しかしOALDはこの表現に old-fashioned という注をつけていて、この日本語のようなくだけた感じで使うものではないらしい。
英英辞典の説明を抜き書きしてみよう。
- a situation where people get very angry or worried about something that is not important
The whole affair is just a tempest in a teapot. In a couple of months everyone will have forgotten about it.
[not used with the]
- (plural tempests in teapots)
(idiomatic) A major fuss over a trivial matter.
The media frenzy over the actor's drunken behavior was a tempest in a teapot.
- A tempest in a teapot is something of no importance that causes a great deal of excitement:
It seemed like an innocent remark, but it set off a tempest in a teapot.
World Wide Words というサイトによると、tempest in a teapot は少なくとも1838年までさかのぼれるということだが、そもそもの由来についてはっきりとしたことは書かれていない。
http://www.worldwidewords.org/qa/qa-tem1.htm
一方 Wikipedia も1838年の用例を載せているが、こちらは古代ローマのキケロ Cicero が使ったというラテン語に触れている。"billows in a ladle" という意味だそうで、billow は「大波」、ladle は「ひしゃく」。単語は違うが、これが今回の英語表現につながっていったということだろうか。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tempest_in_a_teapot
また、日本語の「コップの中の嵐」も、この表現(あるいは他の外国語の類似表現)に由来するのだろうか。ネットで検索したら、やはりそうした見方を示している記事があったが、はっきりとしたことはわからなかった。
ところで、今回この表現を取り上げたのは brouhaha からの連想だと書いたが、すぐに頭に浮かんだわけではない。まず「騒ぎ」のつながりでシェイクスピアの「から騒ぎ」(または「むだ騒ぎ」) Much Ado About Nothing を思い浮かべ、ついでシェイクスピアの関連で「あらし」(または「テンペスト」) The Tempest を連想し、そういえば tempest in a teapot という言い回しがあったな、と思い出した次第である。
私は極力連想をたくましくして英語学習の足しにしようとしているが、別に関連表現や単語がぱっぱっと頭に浮かぶわけではない。もう少し頭の回転が早かったら英語の上達も早いだろうに、といつも悔しく思っている。
ついでに ado からの連想だが、without further [more] ado という表現がある。辞書に「あとは苦もなく」「無造作に」といった訳もあるが、私が実際に見聞きしたのは、前置きのあと本題に入る時などに「すぐさま」「さっさと」として使われた例だ。
trouble or difficulty; fuss, esp. about something that is unimportant という ado の定義を見ていると、「ぐだぐだ言わず」というような言葉も頭に浮かぶ。しかしOALDはこの表現に old-fashioned という注をつけていて、この日本語のようなくだけた感じで使うものではないらしい。
タグ:シェイクスピア
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