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Sadie Hawkins (セイディ・ホーキンズ) [英語文化のトリビア]

11月に Sadie Hawkins Day なるものがあることを知ったのは、以前読んだアメリカ文化についての本によってだった。「国民の祝日」とは違うこの手の「○○の日」は日本でもいろいろあるようだが、この「セイディ・ホーキンズの日」は、漫画に由来するというのがおもしろい。

私が持っている英和辞典のうち、Sadie Hawkins を載せているのは「リーダーズ」と「アンカーコズミカ」だけだった。

「リーダーズ」の説明である。

(米)セイディー・ホーキンズ(女の子が自分が選んだ男の子を同伴する(ダンス)パーティー);セイディー・ホーキンズデー(=Sadie Hawkins Day)(そのような催しが行われる日;毎年11月初めごろ)

続いて由来が書かれているが、これは「リーダーズ・プラス」の方がより詳しい。

- 米国の漫画 L'il Abner 中の架空の祝日 Sadie Hawkins Day に、独身女性が好きな独身男性をつかまえると結婚できるというレースが催されることから

「アンカーコズミカ」は語義の説明がもっと簡単なうえ、由来についてはまったく触れていない。文化的背景の記述を充実させたと謳っている辞書としては、ちょっと寂しい。

L'il Abner はアメリカの古典的人気漫画のひとつだそうで、私は中学生の頃、「テレビ英語会話初級」の講師だった田崎清忠氏の本だったか講座テキストだったかで読んで知った。そこでは「ブロンディ」 Blondie や「ビートル・ベイリー」 Beetle Bailey の名もあげられていて、日本でもそれなりに知られていたこの二つの漫画は、その後私も英字新聞に連載(復刻?)されているのを読んだが、「リル・アブナー」は実際に見たことはない。

Wikipedia のこの漫画の説明には Sadie Hawkins Day も出てくる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Li'l_Abner
http://en.wikipedia.org/wiki/Li'l_Abner#Sadie_Hawkins_Day

11月初めといえば、イギリスでは実在の人物・歴史的事件に由来するという Guy Fawkes Day がある。ちなみに日本語でも「ナイスガイ」などとして使われる guy という単語は、この人物から来ている。
http://www.etymonline.com/index.php?term=guy

その昔、この時期にロンドンに立ち寄る予定があり、「ガイ・フォークスの日」の片鱗にでも触れることができるだろうか、と思っていたが、予定が変わってしまい果たせなかった。もっとも、仕事で大都会ロンドンのホテルに滞在するのでは到底無理だったかもしれない。

今回の Sadie Hawkins Day も、11月だから取り上げようと思いついただけで、現在どのように行われているのか、アメリカ人に聞いたりしたわけではなく、ましてや実際に体験したことはない。詳しいことをご存知の方は教えていただければうれしい。

まあ、単なる知識であっても、まったく知らないよりは多少とも楽しみが広がるとはいえるだろう。例えば、しばしば触れているTVドラマ Star Trek the Next Generation のあるエピソードを観ていたら、この Sadie Hawkins が出てきた。

日本語版ではどうなっているのかと吹替と字幕に切り替えたが、どちらもそのままカタカナで訳されているだけだった。もちろん説明を加えるとセリフとしては長すぎるのだが、いずれにせよ知らない人はこれでは何のことかわからないだろう。固有名詞のカタカナは削って「女の子から誘うパーティ」くらいにしたら多少なりとも意味を伝えることはだろうか。

余談が過ぎたが、英英辞典の説明を抜き書きして終わりとしたい。

1. a party, dance, or other social event, esp. one held annually among high school or college students, to which each girl escorts the boy of her choice, or invites him to escort her.
2. a day (Sadie Hawkins Day) or night, often in November, when such an event or events are held.

Origin:
1939, Americanism; after the race held on Sadie Hawkins Day (in the cartoon strip Li'l Abner by Al Capp), in which single women pursued bachelors


参考記事:
・hang in effigy という慣習
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2007-01-18

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翠華

Sadie Hawkins Day についてはもう存じているかもしれませんがアメリカのFOXで放送されているGleeのseason4のEP11に取り上げられていますよ。
この話ではGleeに登場する女子たちが「Too Young To Be Bitter Club」というクラブ(どちらかというと女子会みたいなものです笑)で発案された「Sadie Hawkins Day」を開催するというもので、ここではプロムと似た感じのパーティを開いて女子が気になる男子をダンスの相手に申し込むことを「Sadie Hawkins Day」とさしていたようです。
なので現在はプロムの様にイベントとして行われていたり様々な形で行われているのではないでしょうか?
by 翠華 (2013-07-23 23:17) 

tempus fugit

翠華さん、情報ありがとうございました。こうしたドラマは最近見ないので、ためになりました。
by tempus fugit (2013-07-25 10:37) 

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