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lapel-grabbing [辞書に載っていない表現]

遅ればせながらアメリカ大統領選挙のついての記事をいくつか読んでみた。今回はそのうちのひとつ、「ニューズウィーク」誌の英文で目にとまった to grab lapels という表現から話を進めてみたい。

ちょっと長いが引用しよう。

A man with a vivid literary and historical imagination, Obama is something of a dreamer, if a down-to-earth one. As a senator, he saw things that are not there, but once were. "Sometimes, standing there in the chamber, I can imagine Paul Douglas or Hubert Humphrey at one of these desks, urging yet again the adoption of civil-rights legislation; or Joe McCarthy, a few desks over, thumbing through lists, preparing to name names; or LBJ prowling the aisles, grabbing lapels and gathering votes. (以下略)
( http://www.newsweek.com/id/167598 )

LBJ は最近は知らない人も増えているかと思うが、米国第36代の大統領になったジョンソン(Lyndon Baines Johnson)のこと。prowling the aisles からは「廊下とんび」という日本語を連想したが、同じような意味とまでいえるかどうかはわからない。

そして grabbing lapels だが、物理的に誰かの襟をひっつかんで賛成票集めをして回ったということだろうか。しかしその一方で、一種のイディオムではないかという気もした。

そこで手元にある辞書で lapel を引いてみたが、英英辞典を含めて、こうした表現はどれにも載っていない。しかし、その次に lapel-grabber という単語を載せている英和辞典があるのに気づいた。

<米俗>(人の注意を引くために)えりの折り返しをつかむ人
(ジーニアス英和大辞典)

これだと、物理的につかまないといけないようだが、

<俗>襟をつかんで[ひっつかむようにして]人の注意を引く人;人の注意を[気持]をひきつけずにおかないもの
(リーダーズ)

この説明に従えば、比喩的にも使えるのではないか。

そして、lapel-grabber があるのだから、lapel-grabbing もありではないかと思えてくる。google を検索すると、そう多くないが確かにあることはあった。実のところ、辞書に載っている lapel-grabber より、そうでない lapel-grabbing の方が単純なヒット数は多かった。

次はオンライン雑誌にあった例で、書き方がちょっと辞書の定義に似ている。

"Lapel-grabbing" is the natural instinct of libertarians to grab people by the collar and start telling them all about these ideas that excite us so much. But instead of exciting people, this sends them running.
( http://www.theadvocates.org/liberator/vol-02-num-01.htm )

「襟を無理矢理つかむ」感じだが、もっと好ましい印象を指す例として、あるオンラインショップにあったのは、

From bestselling author James Grippando comes the newest Jack Swyteck thriller, in a series that critics have called "riveting," "a winner," and "lapel grabbing."
( http://www.audiobookstand.com/productsbynarrator.asp?NarratorId=20264&recnum=0 )

「ニューズウィーク」にあった grab lapels だが、この形で検索すると、物理的に襟をつかんだことを表している例が目につく。そうでない使い方も仔細に見ていけば出てくるのではないかと思うが、今はそれをする時間も気力もない。

以上、今回の一連の表現は、見た範囲では英語のオンライン辞書にも記述が見つからず、もっと調べなくては確たることはいえないが、メモとしてとりあえず書いてみた。さらなる情報や誤りの指摘など、詳しいことをご存知の方がいらっしゃたら教えていただければ幸いである。


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