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国内初の新型ウイルス感染をめぐって [ニュースと英語]

前回の関連で余談だが、先週、高校生に国内初の新型ウイルス感染が疑われた。この日私は会社の夜勤当番で、帰宅してテレビをつけたら入って間もないこのニュースをやっていて、結局未明の舛添厚生労働大臣の会見中継までずっと見ていたが、どうも気になることがあった。

まずひっかかったのは、厚生労働省の「国内で感染が疑われる初めての例を確認」という発表だった。ニュースをよく聞けば「最終的な判定はまだ」ということがわかるのだが、「確認」という言い方だと、まるで感染者が出たかのような錯覚を与えかねないのではないか(私の妻がその実例で、発表があった時はすでに就寝していたが、翌朝ニュースを聞いて「日本にも新型インフルエンザが来た!」とカン違いしていた)。

確かにお役所の考えでは、疑われる初めての例を「確認」した、ということになるのかもしれない。しかし、混乱を避けるという意味でも、これは「把握」程度の表現で十分だったのではないだろうか。

続いて「厚生労働相がまもなく会見する」と伝えられると、私は「これは最終的に感染が確かめられたか」と思った。組織のトップ自ら公の場に出てくるというのは、それ自体がひとつのメッセージであり、よほどのことがあったことを意味すると(少なくとも私は)理解している。しかし、ほどなく始まった会見は、基本的にはそれまで出ていた情報をまとめただけだった。

私は、この段階ではもっと下位の担当者が出てくれば十分で、大臣が会見する必然性はなかったと思う。かえって不安をあおることにはならないか。しかも、会見で舛添大臣は「横浜市と連絡がつかなくなった。危機管理体制がなっていない」と(やや興奮気味に)批判していたが、後日の報道では、国側の発表で横浜市に問い合わせが殺到し、市はそちらの対応に追われていたという。

「国の対応は早かった」と評価する声があるかもしれないが、無用な混乱を招き行政の連携の悪さも露呈したわけで、私には、トップが自分の持つ権力の重さに気づいていないのでは、と感じられた。大臣が出てくるのはちょっと過剰反応、というより、一種のパフォーマンスではないかと思ってしまったのは勘ぐりすぎか。

いずれにせよ、感染を水際で阻止するのは大変難しいのではないかと思う。だからこそ、冷静な対応が必要なわけで、それを求める行政担当者や大臣本人が浮き足立ったような態度を示すのは困る。自ら範を垂れて欲しいものだ。

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