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紙に穴をあけた時に出るくず (chad) [単語・表現]

先日取り上げた chaff 「もみ殻、わらくず」から chad という単語を連想したので少し書いてみたい。この一語だけで「テープやカードに穴をあけた時に出るくず」を意味するのが面白い。辞書には訳語として「穿孔くず」のほか「チャド」があげられていて、そのままのカタカナ語として使っている分野・業界があるようだ。

この単語を知ったのは、2000年のアメリカ大統領選挙だった。パンチカード方式の投票用紙を使っていたフロリダ州で、穴のあけ方が不十分だとして、選挙の最終結果を左右する訴訟にまで発展した騒ぎはよく知られていると思う。

私が持っている英和辞書で chad を引くと、「ジーニアス大英和」と「レクシス」がこのトラブルに言及していた。一方、出版が最も新しい「アンカーコズミカ」には記述がなかった。この辞書は英米文化について詳しい説明を盛り込んでいることを”売り”にしているが、先日の chaff にも軍事的な意味はあげておらず、時事問題では多少弱い面があるのかとちょっと残念に思った。

早くも話が逸れたが、英語による chad の説明を抜き書きしてみよう。

- small pieces of paper or cardboard produced in punching paper tape or data cards; also: a piece of chad
(Merriam-Webster's Online Dictionary)

- 1. Scraps or bits of paper, such as the perforated edges of paper for tractor feed printers or the tiny rectangles punched out from data cards.
2.One of these scraps or bits of paper.
[Origin unknown.]
(The American Heritage Dictionary)

- 1. [common] The perforated edge strips on printer paper, after they have been separated from the printed portion. Also called selvage, perf, and ripoff.
2. The confetti-like paper bits punched out of cards or paper tape; this has also been called chaff, computer confetti, and keypunch droppings.
( http://catb.org/jargon/html/C/chad.html )

3つ目の説明の 1. は、最近見かけなくなったタイプの印刷用紙で、穴があいた両端部分を指すものだろう。ミシン目に沿って切り離すようになっていて、いかにも ripoff という感じである。

ちなみに selvage という単語についてこの意味を載せていたのは、持っている辞書では「ランダムハウス英和辞典」のみで、「リーダーズ」にもなかった。2000年に問題となった 2. の方では、chaff も同義語としてあげられている。

(この項続く)

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