つなぎ言葉の filler [英語のトリビア]
前回、日本語の「~ていうか」「みたいな」に似た、あまり意味のない like を取り上げたが、これで連想したのが filler という単語である。「詰め物」のほかに、well や you know といった「つなぎ言葉」を指す。
Wikipedia には英語以外の filler の例もあげられており、眺めていると面白い。言語によってさまざまな「つなぎ言葉」があるものだ。日本語からは etto, ano, sono, ee が載っていた。最後のものは「えー」だろうが、この綴りだと「い-」というように受け取る人がいるかもしれない。
ついでだが、前回引用した Wikipedia の like の記述には、discourse particle という言葉が出てくる。これについても Wikipedia は項目を立てていて、
と書いた上で、well, y'know, like を例としてあげている。
私が今よりもっと英語を熱心に学んでいた頃、スピーチやインタビューなどのテープ教材に出てきた格調の高い表現は、繰り返し聞いてもなかなか身につかないのに、実際の会話や映画で耳にした filler の方はすぐに覚えてしまうのを、なんともくやしく思った。まあ、それが話し言葉というものなのかもしれない、と考えたりもした。
そういえば、何かの本で「you know は使わないように」と読んだことがある。手元にある電子辞書の「ジーニアス英和大辞典」もこの表現について、「頻用は好ましくないとされる」と書いている。
母語でも言葉に詰まるとアーウー状態になることがあるくらいだから、外国語で filler を発するのはある程度避けられないかもしれない。しかし英会話のサークルなどで、わざとこの you know を口にしているとしか思えない人に出会ったこともあった。単純なうめき声のような filler と違って、いかにも英語を話しているという気分になるのかもしれないが、やはり聞き苦しいものだと思う。
脱線気味になったが、辞書を見ると filler には「充填剤」「量を増やすための混ぜもの」「布団や人形などの中身」「葉巻の中身」「ルーズリーフの替え用紙」「新聞雑誌の埋め草記事」「放送で時間つなぎに使われる短い番組や音楽」など、さまざまな訳語が載っている。また詰め物そのものではなく、それを詰めるための「注入器」「じょうご」など道具の方にも使われる。意味の広い単語である。
- a word or sound filling a pause in an utterance or conversation (e.g. er, well, you know)
(Oxford Dictionary of English)
- In linguistics, fillers are sounds or words that are spoken to fill up gaps in utterances. Different languages have different characteristic filler sounds; in English, the most common filler sounds are "uh", "er" and "um". "Like", "y'know" and "basically" are more prevalent among youths.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Filler_(linguistics) )
Wikipedia には英語以外の filler の例もあげられており、眺めていると面白い。言語によってさまざまな「つなぎ言葉」があるものだ。日本語からは etto, ano, sono, ee が載っていた。最後のものは「えー」だろうが、この綴りだと「い-」というように受け取る人がいるかもしれない。
ついでだが、前回引用した Wikipedia の like の記述には、discourse particle という言葉が出てくる。これについても Wikipedia は項目を立てていて、
In linguistics, a discourse particle is a lexeme or particle which has no direct semantic meaning in the context of a sentence, having rather a pragmatic function: it serves to indicate the speaker's attitude, or to structure their relationship to other participants in a conversation.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Discourse_particle )
と書いた上で、well, y'know, like を例としてあげている。
私が今よりもっと英語を熱心に学んでいた頃、スピーチやインタビューなどのテープ教材に出てきた格調の高い表現は、繰り返し聞いてもなかなか身につかないのに、実際の会話や映画で耳にした filler の方はすぐに覚えてしまうのを、なんともくやしく思った。まあ、それが話し言葉というものなのかもしれない、と考えたりもした。
そういえば、何かの本で「you know は使わないように」と読んだことがある。手元にある電子辞書の「ジーニアス英和大辞典」もこの表現について、「頻用は好ましくないとされる」と書いている。
母語でも言葉に詰まるとアーウー状態になることがあるくらいだから、外国語で filler を発するのはある程度避けられないかもしれない。しかし英会話のサークルなどで、わざとこの you know を口にしているとしか思えない人に出会ったこともあった。単純なうめき声のような filler と違って、いかにも英語を話しているという気分になるのかもしれないが、やはり聞き苦しいものだと思う。
脱線気味になったが、辞書を見ると filler には「充填剤」「量を増やすための混ぜもの」「布団や人形などの中身」「葉巻の中身」「ルーズリーフの替え用紙」「新聞雑誌の埋め草記事」「放送で時間つなぎに使われる短い番組や音楽」など、さまざまな訳語が載っている。また詰め物そのものではなく、それを詰めるための「注入器」「じょうご」など道具の方にも使われる。意味の広い単語である。
タグ:英語学習 -言葉についての言葉
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fillingというのもあります。pause fillingとは使えないでしょうが、
シチメンチョウのなかへの詰めもののような場合、
使われていたかと記憶しています。
どっちにしろ、あ~う~の類
を使わないで話すことは
何語にせよ、あまり現実的で
ないようにおもいます。
by kume (2009-08-02 11:20)
おっしゃるとおり、filling もありますね。歯医者での治療で使われる歯の詰め物や、サンドイッチなどの具も指すようです。
つなぎ言葉をまったく使わないことは確かに無理でしょうが、you know は意識して気をつければ、ある程度減らすことはできそうに思います。
by 子守男 (2009-08-04 01:01)