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hug と「ハグ」と「抱く」 [単語・表現]

気になるカタカナ語の話を続けているので、ついでにもうひとつ。中年の私がどうもなじめないカタカナ語に「ハグ」がある。外国人と接触することの多い人の本を読むと、「ハグをする」「ハグする」などとごく自然に書いているようなので、私のほうが時代遅れで国際性が低い人間なのであろう。

言葉だけではない。アメリカ発祥の Free Hugs は日本にも入っているが、純粋な動機で始められた運動だと聞いていても、ではお前にあれができるかといわれたら、やっぱり無理である。

だが、かくいう私もその昔、仕事で本当にお世話になり迷惑をかけた外国人と別れる時、ごく自然に彼と抱き合って涙したことがある(活字派の私としては hug よりも硬い embrace の方がまず頭に浮かぶのだが)。まあ、こうした例をあげなくても、日本人だって(大昔のことは知らないが)「ハグ」にあたる行為をしないわけではないはずだ。

言葉に話を戻すと、じゃあ「ハグ」がダメなら「抱く」ならいいのか、というと、時代遅れの私は、この言葉にはまず男女間の抱擁を連想してしまう。「抱く」も「ハグ」もだめなら、じゃあお前はいったいどう呼ぶのだ、と問い詰められると考え込んでしまう。「腕をまわす」「肩を抱く」とでも言えばいいのか。

「腕をまわす」といえば、イラク戦争の政策決定について書かれた Bob Woodward のノンフィクション "State of Denial" に

Bush mumbled a thank-you. Tears welled in his eyes, and he threw his arms around Francis in a bear hug.

というくだりがある。私の英語学習メモに書き写してあったものだ。また、ここに出てくる bear hug は、「ハグ」を載せていない国語辞典も「ベア・ハッグ」は載せていたりする(レスリング用語だそうだ)。そして、「ハグ」になじめない私も、「ベア・ハッグ」は聞いたことがあるためか、それほど抵抗感がない。自己矛盾であるが、そう思うのだから仕方がない。

bear hug を英和辞典で引くと、証券用語として、「逃げようのない買収申し込み(株主にとって魅力的な企業買収申し込み;経営陣に不満な点があっても株主への配慮から承諾せざるをえない)」(リーダーズ英和辞典)という意味が載っている。

(この項続く)


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