最も長い英単語? floccinaucinihilipilification [英語のトリビア]
30年ほど前、ラジオの英語講座で「一番長い単語」として覚えた言葉に再会した。実際に使われた例を見ることはあるまいと思っていただけに驚いた。
ロバート・A・ハインラインのSF小説「人形つかい」の原書を読んでいたら出てきた。実際には floccinaucinihilipilificator という形だったが、それはまあお許しいただけるだろう。
- Digby was a floccinaucinihilipilificator at heart--which is an eight-dollar word meaning a joker who does not believe in anything he can't bite.
(Robert A. Heinlein:The Puppet Masters)
floccinaucinihilipilification について、私の持っている電子辞書には、「無価値(無益、無意味)とみなすこと」「軽視(蔑視)癖」といった訳が載っている。
このうち「ランダムハウス英和大辞典」には、「英語で最も長い単語の例として引き合いに出される」という注がついていた。ちなみに、29文字ある。
この単語を知ったのは、今はない「百万人の英語」というラジオ番組だった。発音についての講座で、tongue twister 的な練習として使われていた。
「こんな単語、どうやって発音するんだ」と思うかもしれないが、実はていねいにやってみると、それほど難しくはない。ラジオ講座も、そうした主眼で取り上げていたと記憶している。
この単語は、flocci, nauci, nihili, pili, -fication という要素がつながってできたものだ。そこで、この要素ごとに区切って辞書で発音記号を確かめ、ゆっくりと発音してみる。慣れたら、順番につなげて口にしてみる。あわてずに何回かやってみると、じきにできるようになるばかりか、リズミカルでおもしろく感じてくるほどになる。
大学生の時だったか、友人と雑談していて「一番長い英単語は何か」といわれたので、私がすぐさまこの単語を口にしたら、相手は目を白黒していた。友人は、smiles のつもりだったのだが(smile を複数形にすると、2つの s の間が mile になるという古典的だじゃれ)。
「百万人の英語」の講座では、 学術・専門用語や造語ならもっと長い単語があるという話があり、例として映画「メアリー・ポピンズ」 Mary Poppins に出てくる supercalifragilisticexpialidocious という架空の単語があげられていたと記憶している。こうしたトリビアは、もっとくわしい情報がネットなどで得られるだろう。
余談になるが、「人形つかい」の邦訳を見たら、引用した上記の文の訳はなかった。この作品は長らく、ハインラインが書いた原稿の相当部分をカットした形で出版されており、翻訳もそれに基づいているはずだ。なので、この文は削られた部分と思われる。私の読んだペーパーバックは最近出た「完全版」なので、floccinaucinihilipilification に30年ぶりに再会できた、というわけだ。
なお、引用した文に eight-dollar word という表現が出てくるが、これについては、項をあらためて書きたい。
ロバート・A・ハインラインのSF小説「人形つかい」の原書を読んでいたら出てきた。実際には floccinaucinihilipilificator という形だったが、それはまあお許しいただけるだろう。
- Digby was a floccinaucinihilipilificator at heart--which is an eight-dollar word meaning a joker who does not believe in anything he can't bite.
(Robert A. Heinlein:The Puppet Masters)
floccinaucinihilipilification について、私の持っている電子辞書には、「無価値(無益、無意味)とみなすこと」「軽視(蔑視)癖」といった訳が載っている。
このうち「ランダムハウス英和大辞典」には、「英語で最も長い単語の例として引き合いに出される」という注がついていた。ちなみに、29文字ある。
この単語を知ったのは、今はない「百万人の英語」というラジオ番組だった。発音についての講座で、tongue twister 的な練習として使われていた。
「こんな単語、どうやって発音するんだ」と思うかもしれないが、実はていねいにやってみると、それほど難しくはない。ラジオ講座も、そうした主眼で取り上げていたと記憶している。
この単語は、flocci, nauci, nihili, pili, -fication という要素がつながってできたものだ。そこで、この要素ごとに区切って辞書で発音記号を確かめ、ゆっくりと発音してみる。慣れたら、順番につなげて口にしてみる。あわてずに何回かやってみると、じきにできるようになるばかりか、リズミカルでおもしろく感じてくるほどになる。
大学生の時だったか、友人と雑談していて「一番長い英単語は何か」といわれたので、私がすぐさまこの単語を口にしたら、相手は目を白黒していた。友人は、smiles のつもりだったのだが(smile を複数形にすると、2つの s の間が mile になるという古典的だじゃれ)。
「百万人の英語」の講座では、 学術・専門用語や造語ならもっと長い単語があるという話があり、例として映画「メアリー・ポピンズ」 Mary Poppins に出てくる supercalifragilisticexpialidocious という架空の単語があげられていたと記憶している。こうしたトリビアは、もっとくわしい情報がネットなどで得られるだろう。
余談になるが、「人形つかい」の邦訳を見たら、引用した上記の文の訳はなかった。この作品は長らく、ハインラインが書いた原稿の相当部分をカットした形で出版されており、翻訳もそれに基づいているはずだ。なので、この文は削られた部分と思われる。私の読んだペーパーバックは最近出た「完全版」なので、floccinaucinihilipilification に30年ぶりに再会できた、というわけだ。
なお、引用した文に eight-dollar word という表現が出てくるが、これについては、項をあらためて書きたい。
タグ:SF ラジオ・テレビの英語講座
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