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冠詞がつく a strong Japan 「強い日本」 [ニュースと英語]

安倍晋三氏が総理大臣になった時、固有名詞に冠詞がつくケースについて触れたことがあるが(今も学校の授業でちゃんと教えているのだろうか?)、今回の自民党総裁選の結果を伝える英文記事にもそうした実例が出てきた。

新総裁に決まった後のあいさつで、「政権奪還することは私たちのためではない。自民党のためでもない。日本を取り戻す、強い日本を作る、豊かな日本を作る、そして日本人が日本に生まれたことに幸せを感じる、そういう日本を作る」と述べたことについて、次のような英文がネットで見つかる。

"Regaining power is not for ourselves, nor for the party. I want to create a Japan that is rich and strong, so Japanese will be happy to live in this country," Abe said.
(Daily Yomiuri)

After his win, he said he would do his utmost to return the party to power.
"Not only for ourselves, not only for the LDP but for the purpose of building a strong Japan, a prosperous Japan, and a Japan in which Japanese people will be able to feel happy about being Japanese," he said.
(CNN)

この中では、CNNが、直訳風かもしれないが元の日本語の調子に沿っているように感じた。a と Japan のつながりをこうしてたたみかけるように示した文は、英文法の参考書に載っている例文よりも生き生きと感じられるのではないだろうか。

英訳の参考として、Japan ではなく country を使っていた記事を。

“We are going to win back Japan and build a strong country, a prosperous country,” Mr. Abe said after defeating four other candidates in the party ballot.
(New York Times)

6年前に書いたように、安倍氏のかつてのスローガンは「美しい国」 a beautiful Japan だったが、それが今回は「強い国」になったのは、日本を取り巻く情勢が、氏のもともとの信条をよりストレートに表明できる形で変化したことを表すように思った。

その一方で、安倍氏から震災復興についての言葉があまり(まったく?)聞かれなかったらしいのも、氏の姿勢なのかもしれないが、同時に、最近の全般的な傾向の反映であるともいえるのではないかとも(自戒を込めて)考えた。

まったくの余談だが、安倍総理辞任のひとつの要因になったのは(本人の弁によれば)持病の悪化だったが、その克服につながったという新薬を出している製薬会社の株価が、安倍新総裁選出にあわせて上昇したそうだ。株をやっていない私は、なるほどと感心してしまった。

一方、ネットでは「安倍氏が総裁選直前に3500円のカツカレーを食べて景気づけをした」ことが話題になっている。値段も驚きだが、政治家も「勝つ」カレーというゲン担ぎをするのだな、とこれまた感心した。いや、政治家だからこそゲン担ぎをするのだろうな。

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九子

久しぶりに見せていただきました。また読ませていただきます。
by 九子 (2012-09-28 21:23) 

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