SSブログ

go ballistic 「カンカンに怒る」「キレる」 (カズオ・イシグロ「夜想曲集」) [読書と英語]

カズオ・イシグロの短編集 Nocturnes (邦題「夜想曲集」)の中の一編 Come Rain Or Come Shine に、go ballistic という表現があった。ballistic missile 「弾道ミサイル」はニュース英語でおなじみだが、go といっしょにすると「激怒する」という意味になる。

Nocturnes

Nocturnes

  • 作者: Kazuo Ishiguro
  • 出版社/メーカー: Faber and Faber Ltd.
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: ペーパーバック

イシグロの短編では、

- Charlie told me you'd go ballistic.
(Kazuo Ishiguro: Come Rain Or Come Shine)

とあって、すぐあとに、

- Really? Charlie told you I'd be angry?

と続くので、この表現を知らなくても流れから意味を類推することができる。

辞書を見ると、

- to become extremely angry
If your dad finds out you've been skipping school, he'll go ballistic. (Cambridge Advanced Learner's Dictionary)

- Informal.to become overwrought or irrational: went ballistic over the idea of a tax hike.
(Random House Unabridged Dictionary)

などとある。「~について怒る」という時には、over を使えばいいことがわかる。

しかし、なぜ go に ballistic をつけてこうした意味をあらわすようになったのかは、いくつかの辞書を眺めたかぎりではわからなかったのが残念だ。

ちなみに、ballistic は古代の「投石器」「石弓」を意味する ballista に由来するということだ。

余談だが、イシグロの作品のタイトル Come Rain Or Come Shine はジャズのスタンダード・ナンバーのひとつである。邦題は「降っても晴れても」が定訳だ。これも先日の Young and Foolish 同様、ビル・エヴァンスの演奏がある。名盤 Portrait in Jazz の1曲目である。


ポートレイト・イン・ジャズ+1

ポートレイト・イン・ジャズ+1

  • アーティスト: ビル・エヴァンス,スコット・ラファロ,ポール・モチアン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: CD


にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村← 参加中です
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...