SSブログ

template 「基本パターン」「モデル」「ひながた」 (「007 ゴールドフィンガー」) [007 ジェームズ・ボンド]

雨とあって、家で「007 ゴールドフィンガー」のDVDを観た。そのあとで、前回書いた「カスタマーレビュー学習」の実例を、とアマゾンでこの映画について読んでみたところ、目にとまったのが template 「ひながた」を使った文だった。

ゴールドフィンガー(デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

ゴールドフィンガー(デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

007の映画がシリーズ franchise として成功した背景には、初期の3作が続編ごとにおもしろくなっていった(と受けとめられた)ことがあるだろう。続篇が拍子抜けの期待はずれだと尻すぼみになって続かない。この第3作「ゴールドフィンガー」は大当たりし、シリーズの定着に重要な役割を果たした。私も観るのはこれで何度目になるだろうか。

この作品は、シリーズの「お約束のパターン」を確立させたものといわれている。Amazon.co.uk のカスタマーレビューにもそうしたことが書かれていて、そこで使われていたのが、ワープロソフトなどの「定型書式」として日本語でもおなじみになった、この template という言葉だ。

強勢は第1音節にあるので、日本語の「テンプレート」のように「レー」に置くと通じない。語中の a は /ei/ またはあいまい母音 schwa で発音される。

イギリスのアマゾンにあったカスタマーの文をそのまま実例としてあげるのはまずいかもしれないので、他のサイトを調べてみた。

Wikipedia は、「ゴールドフィンガー」が築いた「テンプレート」がどんなものか、また、去年封切られた第23作「スカイフォール」 Skyfall でもオマージュされたこの作品のインパクトを簡潔に説明している。少し長いが引用しよう。

- Goldfinger had a large impact on the rest of the Bond series as its script came to be seen as a template for all other Bond films to follow. It was the first of the series showing Bond relying heavily on technology, as well as the first to show a pre-credits sequence with only a tangential link to the main story (中略)

The subsequent films in the Bond series follow most of Goldfinger's basic structure, featuring a henchman with a particular characteristic, a Bond girl that gets killed by the villain, big emphasis on the gadgets and a more tongue-in-cheek approach, though trying to balance action and comedy.

Goldfinger has been described as perhaps "the most highly and consistently praised Bond picture of them all" and after Goldfinger, Bond "became a true phenomenon."
http://en.wikipedia.org/wiki/Goldfinger_(film)

もうひとつ実例を。

- Undeniably the gold standard of Bond films, Goldfinger set forth the template for all other 007 pictures: theme song sung by a popular artist, a focus on high-tech gadgets -- in this case an Aston Martin complete with ejector seat -- and a maniacal arch-villain who spouts campy one-liners while devising Rube Goldberg-like methods of trying to kill Bond. (中略)

It was a clear departure from the first two films and set the stage for increasingly flashier productions, setting the precedent that each subsequent film had to surpass its predecessor.
http://classicfilm.about.com/od/movielistsbyactor/tp/7-James-Bond-Movies-With-Sean-Connery.htm

私自身は以前書いたように第2作の「ロシアより愛をこめて」 From Russia with Love の方が好みなので、「ゴールドフィンガー」での路線変更は残念だが、この作品がなければ長寿シリーズとはならなかっただろう。良くも悪くもシリーズを代表する重要作だ。

このあと「女王陛下の007」やティモシー・ダルトンの主演作など一部の例外をのぞけばずっとこの路線が続く。現在のダニエル・クレイグになって、ようやく再度の転換が図られたのはよく知られている。

ついでに、上記の引用に出てきた単語について。pre-credits sequence, tangential, phenomenon, campy は、これまでに単独で取り上げたり、エントリの中で言及したりしたことがあるので、興味を持たれた方はそれぞれリンク先を参照していただければうれしい。

また henchman は「悪者の手下、子分」「取り巻き」のことで、イアン・フレミングによる007の原作小説でもよく目にする単語だ。

Rube Goldberg は、「(簡単にできそうなことをするのに用いる)非常に手の込んだ(機械・計画・仕組みなど)」「ばかばかしいほど手の込んだ(物)」「複雑すぎて実行不能な(事)」と辞書にある。初めて見る表現だったが、同じような意味を持つ表現をメモしていたはず、と心当たりがあり、自分の学習ファイルを検索したら Heath Robinson という言い回しを書きとめていた。この2つについては後日ゆっくり調べてみたい(追記→ Rube Goldberg, Heath Robinson という形容詞(「ムダに複雑な」))。

さらに脱線して、ジェームズ・ボンド映画の「お約束」について書かれた Wikipedia の項目を紹介しよう。
Motifs in the James Bond film series
http://en.wikipedia.org/wiki/Motifs_in_the_James_Bond_film_series

最後に、今回取り上げた template の意味を説明しているオンライン辞書の記述と例文を書きとめておこう。

- something that is used as a pattern or an example for something else
The French Revolution was the template for all future revolutions.
(Macmillan Dictionary)

- something that is used as a pattern for producing other similar things: We used the structure of his report as the template for ours.
(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)

- anything that determines or serves as a pattern; a model: You can use my notes as a template for employee evaluations.
(Dictionary.com Unabridged based on the Random House Dictionary)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村← 参加中です
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...