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おすすめのネット英語講座 "BBC Learning English" [英語学習]

ラジオ・テレビの英語講座について前回書いたが、一定のレベルに達したら、こうした講座を離れ、どんどんナマの英語に触れるべきだろう。ある番組(講師)命、というのは動機づけとしてはいいが、何事も上をめざすには背伸びが必要だ。

お気に入りの講座をしっかり身につけようという姿勢は大切だが、同じ講師、同じネイティブスピーカー、同じパターンのレッスンに安住して、自分にとってそれだけが英語の世界になってしまうのは望ましくない。

別の講座に移る手もあるが、結局は出来あいの英語であることに変わりはない。英語学習はやはり量をこなすことが重要で、これは決まった講座をいくら繰り返しても得られない。

講座を利用すると同時に、ちょっとがんばれば何とかわかる、というレベルのナマの英語に接することが必要だ。そして音声については、身近にネイティブスピーカーがいなくても、本当に恵まれた時代になった。

またも中高年の繰り言になるが、私が英語を学び始めた頃は、独習用に利用できる自然な音声素材には限りがあった。

NHKの「英語会話中級」や「イングリッシュアワー」のトーク番組、ほかにはFEN(現・AFN)ラジオ(難度が高い)、テープつき学習雑誌(高価でたまにしか買えず)、海外の短波放送(音質が悪い)、あとは映画(ビデオがない時代で何度も見返せない)と、制約もいろいろあった(それでも私より前の世代の人たちに比べれば、ずっと恵まれていたわけだが)。

その後ビデオが普及するとともに、BSができて海外の番組が放送されるようになり、ついにはインターネット時代が到来して夢のような環境となった。自分の興味や目的、そして英語のレベルにあわせて、いろいろな素材を選ぶことができる。

とはいえ、学習環境の充実は別として、いきなり非ネイティブ向けの音声を利用するのは尻込みする、という人もいると思う。あるいは、英語講座と容赦のないナマの英語との間に、大きなギャップを感じているという人もいるだろう。

そういった学習者に、橋渡しとして役立つのではないかと思うのが、イギリスの公共放送BBCによる英語学習者向けのサイト "Learning English" である。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/

私は短波ラジオの時代からBBCのニュースにはお世話になっていて、さすがにラジオは使わなくなったが、ネットラジオで毎日のように聞いているし、公式サイトはよく見ている。そしてある日気づいたのが、英語学習者向けのこのページがあることだった。

ここではダイアログ形式の英会話、時事英語、ボキャブラリー増強や文法、クロスワード・パズルなどなど、実にさまざまな文字・音声のコンテンツが提供されている(もちろんタダだ)。学習者向けだからといって、異様に遅く読んだり、やたらとやさしい語彙ばかりを使ったりといった不自然さがないのがいい。ポッドキャストも充実している。

このうち、私もたまに "6 Minute English" というコースの音声をダウンロードして携帯プレーヤーに入れ、通勤時間などに聞いている。誰でも興味を持ちそうなテーマについて、出演者がほどよいスピードで会話をするもので、クイズを織り込んだり、インタビューやスピーチの一部分を入れたりして、飽きないように工夫されている。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english
http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/general/sixminute/

今の私の英語力だとリスニング面で特段の難しさは感じないが、時おり知らない単語や表現が出てきて勉強になる。長さは文字通り6分間、更新は週1回なので、あせらず利用できる。

BBCはもちろんイギリス英語(の中でも標準語にあたる容認発音 Received Pronunciation、いわゆる「クイーンズイングリッシュ」)なので、アメリカ英語「命」という人、特に母音のあとの r を強調したり、以前取り上げたが「ワーラー」のような発音にあこがれたりする人には向かないかもしれない。

しかし国際化が進むにつれて、耳にする機会のある英語のバラエティはネイティブ・非ネイティブ含めて広がる傾向にあるだろうから、いろいろな英語を耳にしておくのは悪いことではないだろう。

最近はTOEICでもアメリカ英語以外の発音が取り入れられていると聞く。またRPもイギリス英語のひとつでしかないし、最近はBBCも、エスチュアリー(河口域)英語 Estuary English の話者を登場させているという。先日書店で英語学習コーナーを見たら、「インド英語のリスニング」という本まで出ていて驚いた。

BBCのネット講座は、ラジオやテレビの英語講座に慣れた人が、音声英語への抵抗感をさらに減らすのにうってつけだが、同時に、イギリスを含めたさまざまな英語に興味を持つきっかけにもなるのではと思う。

なお、リーディングについて抵抗感をなくすための私なりの経験的なヒントとして、以前書いた、原文と翻訳を読み比べるという方法が利用できるかもしれないので、参考までに記しておきたい。

参考記事:
・速読と精読をつなぐ、中間的なリーディング学習法
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2012-01-30

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コメント 2

ETCマンツーマン英会話

こんにちは。Estuary Englishを調べていてこちらに辿りつきました。

>またRPもイギリス英語のひとつでしかないし、最近はBBCも、エスチュアリー(河口域)英語 Estuary English の話者を登場させているという。先日書店で英語学習コーナーを見たら、「インド英語のリスニング」という本まで出ていて驚いた。

アメリカ英語中心に勉強をしていても、いったん海外に出ると国の数でいったらアメリカ英語よりも、東南アジア、中東、アフリカ地域を含めイギリス英語の影響を受けた地域の方が多いことに気がつきました。

「インド英語のリスニング」という本も、技術力、経済力の台頭もあいまって、インド人とビジネスの場面で出会うケースが増えたからかもしれないですね。

>このうち、私もたまに "6 Minute English" というコースの音声をダウンロードして携帯プレーヤーに入れ、通勤時間などに聞いている

"6 Minute English"、良い番組ですね。最新はちょうど日本の話題でした。ご紹介に感謝です。



by ETCマンツーマン英会話 (2013-10-07 02:12) 

tempus fugit

コメントありがとうございました。実は公開設定にしても表示されない状態が続いていたのですが、So-netに問い合わせて不具合を修正しました。遅くなってすみませんでした。

by tempus fugit (2013-10-21 23:19) 

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