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髪の毛ではすでにウィリアム王子に勝ったロイヤルベビー ("way more than me") [ニュースと英語]

前回に続いてロイヤルベビーの話。さすが将来の英国王、はやくも三面記事的なネタを提供している。ひとつは、退院した際、もう周囲に手を振った?こと。もうひとつは、ウィリアム王子が「髪の毛は自分よりこの子の方がずっと多い」と冗談をとばしたことだ。

出産の翌日に早くも退院したロイヤルベビー(このあと「ジョージ」と命名されたのは御存知の通り)、ウィリアム王子とキャサリンさんに代わる代わる抱かれてお披露目された。「手を振った」のは姿をあらわした直後。

そしてその場を去る最後のところで、記者が "How much hair?" と新生児の髪の毛についてウィリアム王子に尋ねた。頭髪に限れば31歳にして昔日の面影もない王子は "He's got way more than me, thank God." と答えている。

記者の遠慮のない質問といい、さらりと受けた王子といい(way という言葉を入れているのがまた泣かせる)、なかなか凄いことだと感心してしまった。映像を見ると、実際にはロイヤルベビーの髪の毛はまだそれほどたいした量はないのだが。

ついでだが、これに先立って 「どちらに似ていますか?」 "Does he look like you or Catherine?" という質問があり、ウィリアム王子は、"He has got her looks thankfully." と答えている。

この英語も「こんなふうにいえばいいのか」と参考になりそうだ。キャサリンさんは "No." と軽く受けているが、謙遜なのか事実なのか、いずれにせよジョージ王子、どちらに似たとしても女性から騒がれるようにはなるだろう。うらやましいものである。

一連のやり取りは早口で音も悪く聞き取りにくいが、PBSのリポートには字を起こしたスクリプトがついている。
http://www.pbs.org/newshour/bb/world/july-dec13/baby_07-23.html

さて、英語面でおもしろいと思ったのは、ウィリアム王子が ...than me という表現を使ったことである。

昔習った文法の知識だと、理屈の上では than のあとは I (主格)になるはずだと思うのだが、いまや日常の英語では me (目的格)が普通に使われている。

そうだとわかっていても、こうした場合、私は今でも主格を使ってしまう。なにせ当時の学校英語では me にするとバツであった。昔正しいとして覚えたことはなかなか unlearn できるものではない。「三つ子の魂百まで」とか、You can't teach an old dog new tricks. といった言葉も頭に浮かぶ。

そんな私なので、世界に冠たる英国王室のメンバーがごく自然に me を口にしたのを聞いて、へえっと思ってしまったのである。あくまで個人の勝手な印象だが、エリザベス女王は me を使うようには見えない。チャールズ皇太子はどうだろうか。

ウィリアム王子も、もっとあらたまった席なら I にするのかもしれないが、今回の退院時のやりとりを見る限り、やはりどちらかといえばアイドルスター(というにはだいぶ年齢が上になったが)、あまり王位継承者という雰囲気は感じない。映画「英国王のスピーチ」のような問題があるわけではないが、今後「帝王学」を学んでいくと、話し方も変わっていくのだろうか。

なお、あらためて英文法の本を読んだら、than は接続詞のほか前置詞でもあり、そうすると後に me など目的格が来ることも合理的に解釈できるのだそうだ。興味のある方は調べていただきたいが、もちろんそうした理屈を知らなくても困ることではない。

余談だが、学生時代に短期間アメリカに行った時、同年代の(当時の)若者が、例えば "Me and Catherine went to..." というような言い方を普通にしていたので驚いた。"Catherine and I ..." が正しいのはいうまでもないが、日常で使う言葉とはこうしたものかと感心もした。考えてみれば日本人も「てにをは」を常に正しく使うとは限らない。それと似たようなものだろうか。

ところで、今回いろいろネットの記事を調べていたら、ヘンリー王子の頭髪も危ないという記事があった。ジョージ王子も将来は否応なくその方面で関心を集めることだろう。ご苦労なことである、と自分の頭髪の退化を棚に上げて考える。

ついでだが、前回、「キャサリン妃」は貴族出身でないので Prince Catherine ということはできないと書いたが、「ヘンリー王子」の英語での呼び方も(Henry も間違いではないが)通常 Prince Harry が使われている。

参考記事:
・アメリカ人も「イングランド」を「イギリス」と間違える
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-07-24
・"It's a boy!" ~ロイヤルベビーは男の子(人間に it を使う場合とは)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-07-28

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