jabberwocky 「ちんぷんかんぷん」(「鏡の国のアリス」) [読書と英語]
前回、gibberish 「わけのわからない」の元になったらしい gibber(早口でしゃべる)と同じ意味の動詞が jabber だと書いたが、jabberwocky もやはり「ちんぷんかんぷん」を表す。
gibber + ish と同様、jabber + wocky かと思っていたが、「不思議の国のアリス」の続編「鏡の国のアリス」 Through the Looking-Glass, and What Alice Found There で、作者のルイス・キャロルが考えだした造語であるという。
私が最初に何で jabberwocky を知ったのかは覚えていないが、よく見聞きする単語とは言えないと思うし、ましてやすぐに頭に浮かんですっと使えるわけでもない。
メディアで実際に使われた用例を多く載せている英語圏のオンライン辞書サイトを見ても、この単語の例はそう多くなく、「アリス」に触れたものや、この語をタイトルに使った作品についてのものも含まれている。
Wikipedia でこの語の disambiguation (「曖昧さ回避」)を見ると、映画や音楽、文芸などのタイトルに使われていることがわかる。よく目にすることはなくても、独特のアピールのある言葉らしい。
それはともかく、まずは一般の辞書にあった説明と用例を引用する。
- meaningless speech or writing
When he gets angry, he talks in a sort of agitated jabberwocky that is really quite comical.
(Merriam-Webster's Online Dictionary)
- n. 1. a playful imitation of language consisting of invented, meaningless words; nonsense; gibberish. 2. an example of writing or speech consisting of or containing meaningless words.
adj. consisting of or comparable to Jabberwocky; meaningless; senseless. Also,Jabberwock
(Random House Unabridged Dictionary)
そこで「鏡の国のアリス」であるが、Jabberwock という架空の怪物についての詩のタイトルが Jabberwocky である。
日本語版「ウィキペディア」の「ジャバウォック」の項は、
- 『ジャバウォックの詩』における「ジャバウォック」が何を象徴するかについては、様々な解釈が唱えられている。
として、いろいろな説をあげたのち(これは省略)、
- ほかにも、ジャバウォックはキャロルの創作したナンセンスな詩そのものとする解釈や、『ジャバウォックの詩』がもともとナンセンスな詩であるため、ジャバウォックがどんな怪物なのかを理解しようとする努力自体が無意味であり、「議論の賜物」であるジャバウォックの存在も、この詩自体も大した意味がないという意見もある。
としている。
奥が深いのか、そうでないのか、なんだかよくわからないが、それがかえっていろいろな人をひきつけてきたのだろう、と考えたりもする。
また、「ウィキペディア」は由来についても諸説をあげていて、冒頭にも書いたように、単純に jabber + wocky とは言えないらしい。
そして Jabberwocky の原文を見てみたが、これは(少なくとも私には)説明なしにはまさに「ちんぷんかんぷん」だ。
以前取り上げた「不思議の国のアリス」の新訳を手がけた河合祥一郎氏による「鏡の国」の文庫本も持っているが、その「ジャバーウォッキー」(氏の表記)も、一読しただけでは正直よくわからない。そして「訳者あとがき」にはこの詩の説明が載っていることから、河合氏も翻訳には相当苦労したことがうかがえる。
ということで、この詩について私自身が何かを書けるわけでもないので、興味を持たれた方はネットや書籍で調べていただければ幸いである。
参考記事:
・gibberish 「ちんぷんかんぷん」(映画「ブレードランナー」)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-08-02
・「不思議の国のアリス」(河合祥一郎訳)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23
・annotated 「注釈をつけた」(「詳註版・不思議の国のアリス」)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-04-24
gibber + ish と同様、jabber + wocky かと思っていたが、「不思議の国のアリス」の続編「鏡の国のアリス」 Through the Looking-Glass, and What Alice Found There で、作者のルイス・キャロルが考えだした造語であるという。
私が最初に何で jabberwocky を知ったのかは覚えていないが、よく見聞きする単語とは言えないと思うし、ましてやすぐに頭に浮かんですっと使えるわけでもない。
メディアで実際に使われた用例を多く載せている英語圏のオンライン辞書サイトを見ても、この単語の例はそう多くなく、「アリス」に触れたものや、この語をタイトルに使った作品についてのものも含まれている。
Wikipedia でこの語の disambiguation (「曖昧さ回避」)を見ると、映画や音楽、文芸などのタイトルに使われていることがわかる。よく目にすることはなくても、独特のアピールのある言葉らしい。
それはともかく、まずは一般の辞書にあった説明と用例を引用する。
- meaningless speech or writing
When he gets angry, he talks in a sort of agitated jabberwocky that is really quite comical.
(Merriam-Webster's Online Dictionary)
- n. 1. a playful imitation of language consisting of invented, meaningless words; nonsense; gibberish. 2. an example of writing or speech consisting of or containing meaningless words.
adj. consisting of or comparable to Jabberwocky; meaningless; senseless. Also,Jabberwock
(Random House Unabridged Dictionary)
そこで「鏡の国のアリス」であるが、Jabberwock という架空の怪物についての詩のタイトルが Jabberwocky である。
日本語版「ウィキペディア」の「ジャバウォック」の項は、
- 『ジャバウォックの詩』における「ジャバウォック」が何を象徴するかについては、様々な解釈が唱えられている。
として、いろいろな説をあげたのち(これは省略)、
- ほかにも、ジャバウォックはキャロルの創作したナンセンスな詩そのものとする解釈や、『ジャバウォックの詩』がもともとナンセンスな詩であるため、ジャバウォックがどんな怪物なのかを理解しようとする努力自体が無意味であり、「議論の賜物」であるジャバウォックの存在も、この詩自体も大した意味がないという意見もある。
としている。
奥が深いのか、そうでないのか、なんだかよくわからないが、それがかえっていろいろな人をひきつけてきたのだろう、と考えたりもする。
また、「ウィキペディア」は由来についても諸説をあげていて、冒頭にも書いたように、単純に jabber + wocky とは言えないらしい。
そして Jabberwocky の原文を見てみたが、これは(少なくとも私には)説明なしにはまさに「ちんぷんかんぷん」だ。
以前取り上げた「不思議の国のアリス」の新訳を手がけた河合祥一郎氏による「鏡の国」の文庫本も持っているが、その「ジャバーウォッキー」(氏の表記)も、一読しただけでは正直よくわからない。そして「訳者あとがき」にはこの詩の説明が載っていることから、河合氏も翻訳には相当苦労したことがうかがえる。
ということで、この詩について私自身が何かを書けるわけでもないので、興味を持たれた方はネットや書籍で調べていただければ幸いである。
参考記事:
・gibberish 「ちんぷんかんぷん」(映画「ブレードランナー」)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-08-02
・「不思議の国のアリス」(河合祥一郎訳)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23
・annotated 「注釈をつけた」(「詳註版・不思議の国のアリス」)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-04-24
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意味を調べたけど、何かよくわからない単語だなーと、思いました。
by あゆ (2016-05-15 15:46)
あゆ さん、コメントありがとうございました。確かに「よくわからない」単語ですよね。
by tempus fugit (2016-05-15 18:23)
「ちんぷんかんぷん」というタイトルのSF短編を思い出しました。作者はE.F.ラッセル、ヒューゴー賞傑作集No.1(早川書房)に収録されています。検索してみたところwikipediaの項目にもあり原タイトルはAllamagoosaとなっていますが、こういう英単語が実際にあるのかどうかはわかりませんでした(作者の造語のような気がします)。
by 寅三郎 (2022-09-09 17:50)