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「天の川」と「ミルク」と「ガラクトース」 [英語のトリビア]

前回は、galaxy (銀河)の形容詞である galactic は「ギャラクティク」ではなく「ガラクティク」のように発音することについて書いたが、連想で、the Milky Way と、糖の「ガラクトース」について少し書いてみたい。

「銀河」は中国語に由来するといい、英語は「乳の流れる路」と表現しているわけだが、そもそも galaxy とはどういう意味なのか。

辞書をひくと、この単語は「乳」を意味するギリシャ語の gala とか galakt- という言葉に由来するとある。「ヘラクレスが赤ん坊のとき,女神ヘラの乳房を吸うと乳がほとばしり、天の川となった」という神話に基づくそうだ。ga- がとれた lact- はラテン語で「乳」を指すが、Milky way はラテン語の via lactea を訳したものだという。

このギリシャ語を見て頭に浮かんだのが、むかし学校で習った「ガラクトース」である。これは糖だが、白い色をしていて、乳糖に含まれるということだ。天の川と乳糖は、おもしろいことに言葉の上では親類ということになる。

galactose は、前回取り上げた galactic 同様、最初の音節はあいまい母音なので、あえてカタカナで書けば「ギャ」ではなく「ガ」あるいは「グ」といった感じになる。また強勢は -la- にあり -o- は二重母音、最後の子音は /s/ でも /z/ でもいい。

余談だが、むかし仕事で中東に出張したとき、灯火のまったくない砂漠の真ん中から夜空を見上げたことがある。「まるでプラネタリウムだ」と感じた自分の感性がうらめしかったが、それほど現代の都会では考えられない星空だった。同時に、「乳」でなく「銀河」と考えた東洋人の感性も何だか誇らしかった。

一方、同じく中東で、透明だが水を加えると白濁する「ラク」あるいは「アラク」という酒を飲んだ。それを思い出してラテン語と何らかの結びつきがあるのかとも考えたが、調べたら r で表記されており、関係ないようである。

なお星空に関連して、以前 zenith apogeeapex といった単語に触れたことがあり、参考として記しておきたい。

参考記事:
・「ギャラクティカ」ではなく「ガラクティカ」
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14
・幻の「第10惑星」の名前決まる
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2006-09-17

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