dirt and goop 「ベタベタした汚れ」 (刑事コロンボ「もう一つの鍵」) [刑事コロンボ]
週末に往年のTVドラマ「刑事コロンボ」のエピソード「もう一つの鍵」(原題 Lady in Waiting) をビデオで観た。ここに出てきた goop また dirt and goop について書いてみたい。
出会った単語表現をすべて書いていてはキリがないので、特徴があるものを取り上げるようにしている。goop も「その場限り」と考えたが、ドラマでは dirt and goop という形で出てきたのでためしに検索したら、この組み合わせで結構ヒットがあったので、さらに調べてみることにした。
「刑事コロンボ」のセリフは次のようなものである。家の玄関を出たところにある照明についての会話で、
- I hate to change bulbs outside my house because no matter how tight I get that up in the lamp, they attract a lot of dirt and goop and they';re full of dead bugs and I just don';t even like to go up there and touch them.
(Columbo: Lady in Waiting)
goop を辞書で見ると、
-(米俗)べとべと(どろりと)した物(チョコレートシロップなど);見るからにへどが出そうな食べ物
(ランダムハウス英和大辞典)
とあった。
ドラマのセリフは、「家の外の電球は、どんなにしっかり取りつけても、汚れでベトベトとしてきたり、虫の死骸がついたりする。だから脚立にのぼってさわるのもイヤ」というような意味になるだろう。
戸外で吹きさらしのままになっているので、ホコリがたまったなどという生易しい汚れではなく、湿り気を帯び、はたいたくらいでは落ちない、といった感じだろうか(それにしては、このドラマには当てはまらないが、「見るからに・・・」の方の訳語は秀逸である)。
dirt との組み合わせはイディオムというほどではないのだろうが、いっしょに使われやすい単語とはいえそうだ。
英語の辞典にある説明を見ると、
- (informal, usually uncountable, plural goops)
A thick, slimy substance; goo.
(Wiktionary)
- a sticky or greasy substance
I stepped in some goop.
goopy adjective
Origin of GOOP probably alteration of goo
First Known Use: circa 1918
(Merriam-Webster's Online Dictionary)
ということで、同じく「ベタっとしたもの」を表す goo という単語が変形して goop になった可能性があるという。
この goo の由来についてさらに調べると、
- American English, known since 1903, probably from burgoo (“thick porridge”) (1787), possibly an alteration of glue
(Wiktionary)
ということで詳しいことは不明だが、burgoo (どろりとしたおかゆ)から来たという説、また glue から来たという説があるということになる。
語源の真相はどうあれ、goo や goop を覚えるには glue にひっかけると意味と音の両方で連想がしやすく、好都合ではないだろうか。
ついでに、goop の類義語として、ある辞書は次のような単語をあげていた。
- sludge, slime, goo, goop, gook, guck, gunk, muck, ooze
sludge や slime は日本語でもカタカナ語で使うケースがあるが、g- で始まる単語が他にもあるのがおもしろい。
さらについでだが、辞書を見ると、goop には a silly, stupid, or boorish person、また gook には「アジア人の蔑称」という、それぞれ別の意味も載っている。後者はあまりうれしくない意味である。
(関連記事)
・lady-in-waiting 「女官、侍女」 (刑事コロンボ「もう一つの鍵」)
出会った単語表現をすべて書いていてはキリがないので、特徴があるものを取り上げるようにしている。goop も「その場限り」と考えたが、ドラマでは dirt and goop という形で出てきたのでためしに検索したら、この組み合わせで結構ヒットがあったので、さらに調べてみることにした。
「刑事コロンボ」のセリフは次のようなものである。家の玄関を出たところにある照明についての会話で、
- I hate to change bulbs outside my house because no matter how tight I get that up in the lamp, they attract a lot of dirt and goop and they';re full of dead bugs and I just don';t even like to go up there and touch them.
(Columbo: Lady in Waiting)
goop を辞書で見ると、
-(米俗)べとべと(どろりと)した物(チョコレートシロップなど);見るからにへどが出そうな食べ物
(ランダムハウス英和大辞典)
とあった。
ドラマのセリフは、「家の外の電球は、どんなにしっかり取りつけても、汚れでベトベトとしてきたり、虫の死骸がついたりする。だから脚立にのぼってさわるのもイヤ」というような意味になるだろう。
戸外で吹きさらしのままになっているので、ホコリがたまったなどという生易しい汚れではなく、湿り気を帯び、はたいたくらいでは落ちない、といった感じだろうか(それにしては、このドラマには当てはまらないが、「見るからに・・・」の方の訳語は秀逸である)。
dirt との組み合わせはイディオムというほどではないのだろうが、いっしょに使われやすい単語とはいえそうだ。
英語の辞典にある説明を見ると、
- (informal, usually uncountable, plural goops)
A thick, slimy substance; goo.
(Wiktionary)
- a sticky or greasy substance
I stepped in some goop.
goopy adjective
Origin of GOOP probably alteration of goo
First Known Use: circa 1918
(Merriam-Webster's Online Dictionary)
ということで、同じく「ベタっとしたもの」を表す goo という単語が変形して goop になった可能性があるという。
この goo の由来についてさらに調べると、
- American English, known since 1903, probably from burgoo (“thick porridge”) (1787), possibly an alteration of glue
(Wiktionary)
ということで詳しいことは不明だが、burgoo (どろりとしたおかゆ)から来たという説、また glue から来たという説があるということになる。
語源の真相はどうあれ、goo や goop を覚えるには glue にひっかけると意味と音の両方で連想がしやすく、好都合ではないだろうか。
ついでに、goop の類義語として、ある辞書は次のような単語をあげていた。
- sludge, slime, goo, goop, gook, guck, gunk, muck, ooze
sludge や slime は日本語でもカタカナ語で使うケースがあるが、g- で始まる単語が他にもあるのがおもしろい。
さらについでだが、辞書を見ると、goop には a silly, stupid, or boorish person、また gook には「アジア人の蔑称」という、それぞれ別の意味も載っている。後者はあまりうれしくない意味である。
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