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onyx 「爪」「オニキス、縞めのう」 [単語・表現]

前回の onychophagia 「爪を噛む癖」を辞書で調べた時に「おっ」と思ったのは、onych- が onyx と関係があるという記述だった。以前、「レコード・CDのレーベル名で英単語を学ぶ」というエントリを書いたことがあるが、onyx もそのように覚えたものだったからだ。

Onyx はマイナーながら大物を擁するクラシックのレーベルだ。私が最初に買ったのは、パスカル・ロジェというピアニストが弾いたドビュッシーの作品集だったが、最近では、これまた大物のヴィクトリア・ムローヴァが奏でたバッハのヴァイオリン協奏曲集が目もさめるような演奏であった。

このジャケット、心なしかムローヴァが爪を噛んでいるように見えてくる。

Violin Concertos

Violin Concertos

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Onyx Classics UK
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: CD


いきなり脱線したが、onyx は「オニキス」「オニックス」という日本語でも呼ばれ、宝石に使われる鉱物「縞めのう」の一種である、と辞書に書かれている。メノウの美しい模様を音楽の調べになぞらえてレーベル名としたのであろう。

また、ずばり「爪」の意味があるという記述が、手持ちのどの英和辞典にも載っている。なお下記に出てくる Mexican onyx とは、「メキシコ縞瑪瑙、縞大理石」「装飾に用いる;onyx marble ともいう」(ランダムハウス英和大辞典)ということだそうだ。

- 1.(鉱物)縞瑪瑙(しまめのう)、オニキス、オニックス cf. Mexican onyx
2. 黒色、(特に)漆黒
3.(医学)(手や足の指の)爪(つめ)
(c1250.中世英語onix < ラテン語onyx <ギリシャ語onyx 爪)
(ランダムハウス英和大辞典)

ところが、英語圏の辞書を見ると、下記のように鉱物についての定義だけを載せているものばかりで、「爪」にも使うと書いてあるものは、見た範囲では皆無だった。

- (Unaccountable) a type of smooth stone with layers of white and black in it, used in jewelry
(Macmillan Dictionary)

語源から「爪」を指すことは確かだろうが、実際にはこの意味ではあまり使われないのではなかろうか。

タグ:クラシック
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