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なつかしのDJケイシー・ケイサム死去 [音楽と英語]

Casey Kasem といっても、もう知らない人が多いかもしれない。十代の時、背伸びをして聞いていた米軍向けラジオFEN(現AFN)で、よく耳を傾けた番組のひとつが「アメリカン・トップ40」だった。そのDJをつとめていたケイシー・ケイサムの訃報が伝えられた。



それまでラジオ・テレビの英語講座ばかりを聞いていた私にとって、アメリカでつくられた番組をそのまま流しているFENや「セサミ・ストリート」は驚きだった。語学講座がいくら聞き取れても、実際の英語にはまったく歯が立たないことを思い知らされた。

Sesame Street は子供向き番組だったため、「歯が立たない」ことでは共通していても、やはり興味は一定の度合い以上には高まらない。そこで(ラジオという手軽さもあって)家にいてヒマがあればFENをつけっぱなしにするようになった。

英語を聞き流していても、それだけでリスニングが上達することはありえない。とにかくしっかり聞き取ろうすることが大切だ(→ 「効果を実感できた学習法-ディクテーションとシャドーイング」)。しかしその一方で、英語の音やリズムにただ身を委ねることも「慣れ」のためには悪くないと考えているのは、わけがわからないなりに聞いていた、あの頃のFEN体験があるためだろう。

・・・というのは言い訳で、やっぱり目当てはヒット曲を聞くことにあったのは否めない。確かに毎正時のニュースを一所懸命に聞いてはいたが、FENで充実していたのは音楽番組だった。当時テレビではこうした洋楽番組はなく、何年か後に小林克也の「ベストヒットUSA」が登場するまで待たなくてはならなかった。

ケイシー・ケイサムのカウントダウン番組をはじめ、ウルフマン・ジャック Wolfman Jack、チャーリー・ツナ Charlie Tuna、ロジャー・キャロル Roger Carroll、ドン・トレーシー Don Tracy、ディック・クラーク Dick Clark ・・・あらためて記憶をたどると、徐々になつかしい名前とその名調子、ジングルが浮かび上がってくる。

こうしたDJたちは、振り返ってみると、今でいえばクリス・ペプラーのような甘い声というよりは、それぞれ「個性的」な声の持ち主が多かったように思う。深夜にぴったりのムード音楽を担当していたピート・スミス Pete Smith などの美声の持ち主ももちろんいたが。

脱線したが、「伝説のDJ」ケイシー・ケイサムも、晩年は闘病とそれをめぐる家族の不和で、いろいろ大変だったようだ。下記に出てくる「レビ―小体病」は、アルツハイマー病と並ぶ「3大認知症」のひとつだという。

- Casey Kasem, who entertained radio listeners for almost four decades as the host of countdown shows such as "American Top 40" and "Casey's Top 40," died early Sunday, according to a Facebook post from his daughter Kerri Kasem.
(中略)
Casey Kasem had been suffering from Lewy body disease, the most common type of progressive dementia after Alzheimer's.

He had recently been the subject of a bitter court battle involving three of his children by a previous marriage and his wife, Jean.
("Legendary radio personality Casey Kasem dies at 82"
http://edition.cnn.com/2014/06/15/showbiz/casey-kasem-obit/index.html )

- He had suffered from Lewy body disease, a form of dementia, and had recently been at the centre of a bitter family court battle over his care.

His death comes days after a judge allowed the star's daughter Kerri to withhold food, liquid and medication from her father against the wishes of his wife of 34 years, Jean.
("US radio star Casey Kasem dies at 82"
http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-27859559 )

英語を学んでいると、アメリカのメディア界で活躍する人の名前をそれなりに知るようになる。しかし今と違って、かつてはそうした番組を日本で観ることはできず、アンカーのウォルター・クロンカイト、ましてやエド・マロー(→ 「wires and lights in a box」)(→ 「グッドナイト&グッドラック」)などは、いくら有名だという知識は持っていても、実際の映像体験はなかった。

その点、ケーシー・ケイサムをはじめとするラジオのDJたちは、実際に耳にして(何を言っているのかよくわからなかったにしても)親しんでいたという実体験がある。

それだけに、自分が若かった頃を彩るヒット曲の数々を運んでくれたパーソナリティーが亡くなったことは、やはり個人的に寂しさを覚えずにはいられない。

なお、Casey Kasem のラストネームはあえてカタカナで書くと「ケイスム」のようになると思うが、ウェブなどを見ると日本では「ケイサム」と書くことが多いようなので、それに従った。

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なつかしもあり悲しくも有り

そーですか、お亡くなりになったんですか.....
僕も背伸びしてFENを時々聞いていました。何を言っているのかわかりませんでしたが子供心にかっこいいなーと憧れておりました。
所々に入るジングルがテンポよくかっこ良くて。
昔を少し思い出してしみじみしています。ありがとうございます。


by なつかしもあり悲しくも有り (2014-06-19 13:11) 

tempus fugit

私も「かっこいい」というだけで聞いておりました。そのうちにそれが英語学習のインセンティブにもなっていったので、まあこうした接し方もありかなと思います。
少し前に、通訳者の村松増美さんが亡くなられたことも取り上げましたが、こうしたニュースに時の移り変わりを感じてしまいます。つまりは自分もトシを取ってきたということで、ちょっと寂しいです。
by tempus fugit (2014-06-23 00:51) 

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