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電子辞書はこう使え! [英語学習]

前回は電子辞書で偶然見つけたとんでもない地名を紹介したが、電子辞書といえば、先日英語学習について後輩と話した際、彼が通りいっぺんの使い方しかしていないのを知ったこともあり、後輩に話した"利用上のコツ"めいたことを少し紹介しよう。

といっても、別に"裏ワザ"の類ではなく、使っていれば何となく気がつきそうなものばかりだ。ただ、「キーを押して目的の単語のアルファベットを入力する」だけの使い方を続けている英語学習者には、多少なりとも参考にしていただけるのではないかと思う。

1.1字入力するたびに表示される別の単語に注意する

「電子辞書では英語の力はつかない」という人もいるようだが、私はむしろ紙の辞書には望めない特徴をフルに活用すべきだと考えているのは、以前書いた通りである(→電子辞書を電車で読む)。

ただ、そうした人たちが指摘するように、電子辞書には紙の辞書のような一覧性がないため、引いた単語の近くにある別の言葉が目に入ってさらに語彙が広がる、という点では劣るのは確かだ。

そこで、この欠点を少しでも補うため、目的とする単語に到達するまでの過程をしっかりフォローする、という手がある。

ふつうは、綴りのアルファベットを一挙に入力して目当ての単語を調べると思うが、すこしガマンして、1字入力するたびに出てくる表示に注意していただきたい。

例えば、existentialism という単語を引くとしよう。私が使っている電子辞書の「ランダムハウス英和大辞典第2版」では、e-x- と打ち込んだ段階で Ex. という略語が表示され、「Excluded;(聖書)Exodus;Exeter」 と説明が出てくる。

次に -i を入れると、Exide 「(商標)エクサイド;米国および英国の電池」、これに -s を加えると exis 「=exes」、-t を入れれば exist というおなじみの動詞。さらに -e を足すと existence、-n-t と進むと existent、お次に -i を入力して existential ・・・キリがないのでここらでやめるが、こうすることで、目的とする単語の関連語や、まったく関係のない言葉をひっかけることができる。

御用とお急ぎでなければ、そうした言葉についてさらに調べたいものだ。私の使っている辞書には「ジャンプ」という機能があり、例えば上記の exes あるいは exis って何だ、と思ったら、カーソルをあわせてボタンを押せばこの見出し語に飛ぶ。これによって、six を逆に読んだもので「6」を表すイギリス英語の俗語であり、またやはりイギリスの俗語で expenses (費用)を指す、といった、ややトリビア的なことを知ることができる。

2.「履歴」を利用して語彙力をチェックする

どの電子辞書でも、単語・表現を調べるごとにその記録が残る「履歴」とか「ヒストリー」という機能があるはずだ。必要な単語を登録する「単語帳」という機能もあるが、知らなかった単語をリストアップするだけなら、わざわざ「単語帳」機能を使うまでもなく「履歴」を見れば済むことになる。「単語帳」は、何かのテーマに属する関連語をまとめてグループ化するのに使うのがよさそうだ。

そして、「履歴」は語彙の再チェックに利用できる。「履歴」がある程度たまったら、上から順に見直して、意味が頭に浮かばない言葉があれば、それを開いて再確認する。するとその単語は、最新履歴として一番上に移る。これを繰り返すと、なかなか身につかない苦手な言葉が「履歴」の上位に並び、意味を覚えた単語は下に沈むようになり、自分がどんな言葉に弱いかがわかる。

なお、上記のやり方は以前書いた、テキストファイルを使って作る手製学習ノートの活用法から気づいたもので、考え方としては似たものといえる(→私流「英語学習ノート」のつくり方と利用法)。

(番外)あやふやな綴りを確認する機能を活用する

電子辞書には、正しい綴りを覚えていない単語を探し当てる機能がついているものがあるので、これを活用しない手はない。取扱説明書をよく読んで、折にふれて活用したいものである。

番外、としたのは、残念ながら「履歴」や「単語帳」、あるいは「ジャンプ」と違って、この機能は電子辞書のメーカー・機種によって考え方・やり方が異なり、一本化できないからだ。

私が現在使っているS社の電子辞書は、ワイルドカードによる検索機能を備えていて、綴りの一部がわかっていれば単語を探し当てることができるほか、似たような表記の単語を芋づる式に調べるのにも利用できる。

例えば、カタカナで「ラックラスター」と表記できる単語があったはずだが、l- で始まり -ster で終わることしか覚えていないとする。その場合、l*ster として検索すれば、labster、lackluster、lamister...のように該当する結果がずらずらと表示される。

また lack からの連想で、文字1つ+-ack と綴る単語にはどんなものがあるか、という好奇心を抱いたとする。その場合は ?ack として検索すれば、back, cack, fack, hack, jack...がぞろぞろと表示される。-ster で終わる単語ばかりを知りたければ、*ster で探せばいい。

S社の電子辞書は、こうした検索機能が他社より高度だといわれているほか、手作りの単語表現集のファイルを取り込んで電子辞書の一部として活用できるスグレモノの機能もある。しかしS社は去年、電子辞書分野からの撤退を決めてしまった。なんとも残念である。

一方、C社の最近の機種には、綴りがあいまいな場合、適当にそれらしいアルファベットを打つと候補を表示する機能があるようだが、私は使っていないので性能のほどはわからない。より学習に役立つのはワイルドカード検索だと思うが、それは備わっていないようである。

(基本のキ)訳語だけでなく、熟語や用例、それに発音を確かめる

私が英語を学び始めた頃は紙の辞書しかなかったが、当時から訳語、それも最初の方に載っている語義ばかりを見て満足してしまう傾向が指摘されていて、けっこう先生から注意を受けた。

電子辞書は、最初から訳語ばかりが表示され、熟語や用例を見るにはボタンを押すなどの操作をしなくてはならない機種が多いと思う。だから、ちゃんとした教師は、当然こうした点をしっかりと指導し、学習者も心しなくてはならないと考えるが、後輩と話していると、こうした「使用上の注意」は聞いたことがないそうだ。同じだという人は、留意していただきたいと思う。

また、最近は発音記号をことさら教えない傾向にあるというが、電子辞書は発音を実際の音声で教えてくれる(S社の機種はイギリス発音も出る)。せっかくの機能なのだから、活かさない手はないだろう。

紙の辞書と電子辞書、それぞれ特徴や機能に違いはあるが、英語上達を目指している人なら注意したい "使い方の工夫"以前の基本は、やはり共通しているというべきだろう。

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コメント 2

camelliajapan*

新しい電子辞書に買い替えたばかりです。
それも、悩みに悩んで電子辞書から撤退すると噂だった
S社のものに決めました。
とても使いやすく、満足しています。

たしかにジャンプ機能は便利ですね!

で、exis(exes)とsixのトリビアねた(?)がおもしろい!
こういう発見がまたモチベーションをあげてくれます。
私も辞書で遊んでみよう!
by camelliajapan* (2015-04-09 17:50) 

tempus fugit

「辞書で遊ぶ」ことに味をしめると本当に楽しくなりますが、電子辞書だと紙の辞書よりさらに「遊びやすい」し、どこへでも持っていけます。でも最近はスマホの辞書アプリに押されているそうで心配です。

それがS社の撤退につながったのですが、このメーカーの機種は本当によくできていると思うだけに、ぜひ復活してほしいと願っています(なお私はこの分野やメーカーとは何の関係はありません。為念)。

by tempus fugit (2015-04-09 20:07) 

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