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hush-hush 「極秘の」 (BBCドラマ「トミーとタペンス」) [映画・ドラマと英語]

少し前に触れたアガサ・クリスティ原作のBBCドラマ「トミーとタペンス」の第1話全3回が国内で放送された。スパイコメディで、ストーリー自体はまあまあだったが、イギリス英語を堪能することができた。このドラマで耳にした hush-hush を取り上げよう。

職探しをしている主人公のトミーが政府役人の叔父カーターをオフィスに訪ね、何か仕事がないかと頼みこむ。するとカーターは「自分が今いる部署は存在しないことになっている」と言う。

Carter: All of us on the third floor, we don't exist. Do you know what that means?
Tommy: Hush-hush.
Carter: Keeping the communists out. That's what it means.
(Partners in Crime)

次は、そのカーターがトミーとタペンス夫妻の家に夕食に招かれた場面。2人は、先日汽車に乗った際の不思議な体験を話す。向かいの座席にいったん座った女性が、席を立ったあと行方不明になったのだ。その女性と短い会話を交わしていたタペンスが彼女の名前を告げたとたん、カーターは顔色を変え「そのことは忘れろ、詳しいことは話せない」と言う。

Carter: I couldn't possibly.... It's all...hush-hush. That's what it is.
Tuppence: That's a pity. It's about to be rather more loud, loud. You tell him, Tommy.
Tommy: We just put an advertisement in the paper.
Carter: You did what?
(ibid.)

カーターが驚いたことに、夫妻は「女性の情報求む」という新聞広告を出してしまったという。ここから国際スパイ騒動に巻き込まれたトミーとタペンスの冒険が始まる・・・という寸法である。なおここでの advertisement はもちろんアメリカ英語と違って -ver- に強勢があり、続く -tise- は二重母音ではなく /i/ となっていて、いかにもイギリス英語だ。

さて hush は、中学1年生の時に聞いていた「ラジオ基礎英語」で毎日流されていた「英語のうた」のひとつ Irish lullaby (アイルランドの子守唄)で覚えた単語だ。静かに、という間投詞で、黙らせるという動詞にもなる。

口に指を当てて「シーッ」とする様子が想像できるように、hush-hush は「秘密の、内密の」を意味する。上記タペンスの答えにある (more) loud, loud はこれにかけてある(だから通常の louder になっていない)のだろう。

英語圏の辞典から説明と例文を引用しよう。

- informal (Especially of an official plan or project) highly secret or confidential:
a hush-hush research unit
(Oxford Dictionaries)

- kept secret from people:
In the end he was forced to resign but it was all very hush-hush.
(Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus)

さて、今回の作品はコメディタッチではあるが、観ているとやはりイギリスはスパイものの本場だな、と思う。

アメリカにも「スパイ大作戦=ミッション・インポッシブル」とか「ナポレオン・ソロ」といったスパイのドラマがないわけではないが、アクション的な要素の方が強いように思うし、アメリカ英語だと何だか“謀略“の味が出ないように感じる。もちろんこれは私の偏見ではあるのだが。

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