endure with dignity 「がまん」 (ジョージ・タケイ氏、強制収容所を描いたミュージカルを語る) [和英表現]
先日インターネットラジオを聞いていたら、俳優 George Takei 氏へのインタビューが流れてきた。私が英語学習でもお世話になったTVドラマ「スター・トレック」に出演していた日系アメリカ人だ。彼が使っていた "endured with digunity...gaman in Japanese" という表現が耳に残ったので、少し書いてみたい。
インタビューは、タケイ氏が制作し出演している新作ミュージカル "Allegiance" について尋ねたものだった。彼自身も幼少時に過酷な生活を送った、第2次大戦中の日系人強制収容所を取り上げた重いテーマの作品である。
番組を録音していなかったので、文全体がどういう言葉だったのか再現できないが、endure with dignity に「ガマン」と日本語をつけ加えたタケイ氏独特の渋い低音が印象的だった。ただの endure ではなく with dignity。なるほど、彼にとって収容所での「がまん」はそういうものだったのだな、と思った。
インターネットで調べると、作品およびこの表現が載っている "George Takei Debuts On Broadway In 'Allegiance'" というアメリカ公共放送NPRの記事が見つかった。私が聞いていたのはWBURというボストンのNPR系放送局だったので、ある意味でインタビューと同じ流れにある記事ともいえそうだ。一部を引用しよう。
- "George's mother used to say to him while he was waiting in the bathroom line in the freezing cold, she would say, 'Georgie, gaman.' And it means 'to endure with dignity,'" Kuo (作曲者) says.
That word, gaman, became a foundational concept for the entire musical.
(http://www.npr.org/2015/11/09/455337926/george-takei-debuts-on-broadway-in-allegiance)
さらに検索すると、この表現あるいは gaman という言葉はけっこうヒットがあることに気づいた。そして、Wikipedia には、何と Gaman という単独の項目があった。
- Gaman (我慢) is a Japanese term of Zen Buddhist origin which means "enduring the seemingly unbearable with patience and dignity". The term is generally translated as "perseverance", "patience", tolerance, or "self-denial". A related term, gamanzuyoi (我慢強い gaman-tsuyoi), a compound with tsuyoi (strong), means "suffering the unbearable" or having a high capacity for a kind of stoic endurance.
(https://en.wikipedia.org/wiki/Gaman_%28term%29)
この gaman に比べると、私が日常生活で口にする「がまん」はずっと軽いものに思えてきて、本家の日本語ネイティブスピーカーとして何だか赤面してしまう。
アメリカ人でありながら、日本人の血を引くというだけで収容所での生活を余儀なくされたタケイ氏が、自分の体験や想いをどう作品に投影したのか、今回のミュージカルを観てみたいものだ。allegiance (忠誠、献身)というタイトルも意味深である。
なお、和英辞典で「がまん」を引くと、上記 Wikipedia にもある一語の単語が並んでいたが、「プログレッシブ和英」には動詞について、「bear と stand は否定文で使うことが多い。endure が最も強い程度を表す。tolerate 他人の言動を大目に見る」という補足説明がついていた。
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インタビューは、タケイ氏が制作し出演している新作ミュージカル "Allegiance" について尋ねたものだった。彼自身も幼少時に過酷な生活を送った、第2次大戦中の日系人強制収容所を取り上げた重いテーマの作品である。
番組を録音していなかったので、文全体がどういう言葉だったのか再現できないが、endure with dignity に「ガマン」と日本語をつけ加えたタケイ氏独特の渋い低音が印象的だった。ただの endure ではなく with dignity。なるほど、彼にとって収容所での「がまん」はそういうものだったのだな、と思った。
インターネットで調べると、作品およびこの表現が載っている "George Takei Debuts On Broadway In 'Allegiance'" というアメリカ公共放送NPRの記事が見つかった。私が聞いていたのはWBURというボストンのNPR系放送局だったので、ある意味でインタビューと同じ流れにある記事ともいえそうだ。一部を引用しよう。
- "George's mother used to say to him while he was waiting in the bathroom line in the freezing cold, she would say, 'Georgie, gaman.' And it means 'to endure with dignity,'" Kuo (作曲者) says.
That word, gaman, became a foundational concept for the entire musical.
(http://www.npr.org/2015/11/09/455337926/george-takei-debuts-on-broadway-in-allegiance)
さらに検索すると、この表現あるいは gaman という言葉はけっこうヒットがあることに気づいた。そして、Wikipedia には、何と Gaman という単独の項目があった。
- Gaman (我慢) is a Japanese term of Zen Buddhist origin which means "enduring the seemingly unbearable with patience and dignity". The term is generally translated as "perseverance", "patience", tolerance, or "self-denial". A related term, gamanzuyoi (我慢強い gaman-tsuyoi), a compound with tsuyoi (strong), means "suffering the unbearable" or having a high capacity for a kind of stoic endurance.
(https://en.wikipedia.org/wiki/Gaman_%28term%29)
この gaman に比べると、私が日常生活で口にする「がまん」はずっと軽いものに思えてきて、本家の日本語ネイティブスピーカーとして何だか赤面してしまう。
アメリカ人でありながら、日本人の血を引くというだけで収容所での生活を余儀なくされたタケイ氏が、自分の体験や想いをどう作品に投影したのか、今回のミュージカルを観てみたいものだ。allegiance (忠誠、献身)というタイトルも意味深である。
なお、和英辞典で「がまん」を引くと、上記 Wikipedia にもある一語の単語が並んでいたが、「プログレッシブ和英」には動詞について、「bear と stand は否定文で使うことが多い。endure が最も強い程度を表す。tolerate 他人の言動を大目に見る」という補足説明がついていた。
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タグ:スター・トレック
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