a thunderclap on a cloudless day 「青天のへきれき」 [和英表現]
「青天の霹靂(へきれき)」にあたる英語といえば、おなじみの a bolt from the blue が条件反射のように出てきてしまうが、TIME 誌のサイトを見ていたら、これまた日本語の表現に似た a thunderclap on a cloudless day という言葉があり、意味もほぼ同じではないかと思われるので、メモしておきたい。
故・レーガン元大統領のナンシー夫人が今月はじめに亡くなったこととトランプ氏の台頭とを重ねあわせて、「レーガン時代に見られたような、あの共和党はどこへ行ったのか、いったい共和党に何が起きたのか」と論じていく英文である。掲載された3月21日号の表紙も印象的だ。
それはともかく、TIME の当該部分を引用しよう。
- The fact that Trump is the favorite to win the Republican presidential nomination shows how far the GOP has drifted from the animating spirit of the most consequential and revered Republican since Abraham Lincoln.
Trump’s attempt at a hostile takeover is not a thunderclap on a cloudless day. It was years in the making.
("The Party of Reagan Is No More" TIME March 10, 2016
http://time.com/4253747/the-party-of-reagan-is-no-more/?xid=homepage&pcd=hp-magmod )
thunder + clap から想像できるように「雷鳴」ということだが、下記に引用する英語圏の辞典の記述の通り、予想していなかったことが起きて驚愕した場合に使える。上記の文では、トランプの台頭は突然やってきたものではなく、それを許すような共和党の変容は実は以前から進んでいた、といったような意味になるだろう。
- A crash of thunder:
the door opened like a thunderclap
Used in similes to refer to something startling or unexpected:
the invasion of the Falklands came as a thunderclap
(Oxford Dictionaries)
- 1. a loud outburst of thunder
2. something as violent or unexpected as a clap of thunder
(Collins English Dictionary)
- 1. a single sharp crash of thunder
2. a shocking surprise
"news of the attack came like a bombshell"
[syn: bombshell, thunderbolt, thunderclap]
(Wordnet 3.0)
thunderclap に on a cloudless day をつけた今回の形は、検索してみると数はごく少なく、ひんぱんに使われる表現とはいえないようだ。だが、おもしろいと思ったので、あえて取り上げてみた。
なお、和英辞典で「青天のへきれき」を見ると、a bold from/out of the blue のほか、a thunderbolt from a clear sky という言い方もあげられていた。
さて、TIME の文章を書いた Peter Wehner 氏は編集部のスタッフではなく、過去の共和党政権に参画したことのある研究者とプロフィールにある。そこでレーガンを大きく評価する内容となっているのも納得がいくが、そうした立場にある人も驚くような共和党の変貌ぶりということになる。
今回引用した文にも書かれているように、トランプ氏については「アブラハム・リンカーン以来の伝統を持つ党がつぶれようとしている」という声をよく見聞きするようになっている。
今の時点で冷静に分析すれば確かに「青天のへきれき」ではなかったのかもしれないが、ここまでの支持を集めるとは誰も予想していなかったのもまた確かだろう。次の節目となる「ミニ・スーパーチューズデー」の結果はどうなるだろうか。
故・レーガン元大統領のナンシー夫人が今月はじめに亡くなったこととトランプ氏の台頭とを重ねあわせて、「レーガン時代に見られたような、あの共和党はどこへ行ったのか、いったい共和党に何が起きたのか」と論じていく英文である。掲載された3月21日号の表紙も印象的だ。
それはともかく、TIME の当該部分を引用しよう。
- The fact that Trump is the favorite to win the Republican presidential nomination shows how far the GOP has drifted from the animating spirit of the most consequential and revered Republican since Abraham Lincoln.
Trump’s attempt at a hostile takeover is not a thunderclap on a cloudless day. It was years in the making.
("The Party of Reagan Is No More" TIME March 10, 2016
http://time.com/4253747/the-party-of-reagan-is-no-more/?xid=homepage&pcd=hp-magmod )
thunder + clap から想像できるように「雷鳴」ということだが、下記に引用する英語圏の辞典の記述の通り、予想していなかったことが起きて驚愕した場合に使える。上記の文では、トランプの台頭は突然やってきたものではなく、それを許すような共和党の変容は実は以前から進んでいた、といったような意味になるだろう。
- A crash of thunder:
the door opened like a thunderclap
Used in similes to refer to something startling or unexpected:
the invasion of the Falklands came as a thunderclap
(Oxford Dictionaries)
- 1. a loud outburst of thunder
2. something as violent or unexpected as a clap of thunder
(Collins English Dictionary)
- 1. a single sharp crash of thunder
2. a shocking surprise
"news of the attack came like a bombshell"
[syn: bombshell, thunderbolt, thunderclap]
(Wordnet 3.0)
thunderclap に on a cloudless day をつけた今回の形は、検索してみると数はごく少なく、ひんぱんに使われる表現とはいえないようだ。だが、おもしろいと思ったので、あえて取り上げてみた。
なお、和英辞典で「青天のへきれき」を見ると、a bold from/out of the blue のほか、a thunderbolt from a clear sky という言い方もあげられていた。
さて、TIME の文章を書いた Peter Wehner 氏は編集部のスタッフではなく、過去の共和党政権に参画したことのある研究者とプロフィールにある。そこでレーガンを大きく評価する内容となっているのも納得がいくが、そうした立場にある人も驚くような共和党の変貌ぶりということになる。
今回引用した文にも書かれているように、トランプ氏については「アブラハム・リンカーン以来の伝統を持つ党がつぶれようとしている」という声をよく見聞きするようになっている。
今の時点で冷静に分析すれば確かに「青天のへきれき」ではなかったのかもしれないが、ここまでの支持を集めるとは誰も予想していなかったのもまた確かだろう。次の節目となる「ミニ・スーパーチューズデー」の結果はどうなるだろうか。
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