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revisit 「考え直す」「再検討する」 #2 (オバマ大統領が広島訪問へ) [注意したい単語・意外な意味]

数か月前に「再訪する」という意味ではない revisit について取り上げたが、このほどオバマ大統領の広島訪問決定を発表したアメリカ政府高官の言葉にもこの単語が使われていたので、短くメモしておきたい。

大統領のローズ Benjamin J. Rhodes 副補佐官がウェブ上で述べたものである。そのあたりを引用しよう(読みやすいように改行を入れた)。

- So, on May 27, the President will visit the Hiroshima Peace Memorial Park, a site at the center of the city dedicated to the victims of the atomic bombing, where he will share his reflections on the significance of the site and the events that occurred there.
He will not revisit the decision to use the atomic bomb at the end of World War II.
Instead, he will offer a forward-looking vision focused on our shared future.
In making this visit, the President will shine a spotlight on the tremendous and devastating human toll of war.
(https://medium.com/@rhodes44/the-first-sitting-u-s-president-to-visit-hiroshima-1992461baf4c#.42azat1ae)

以前のエントリで書いたように、この revisit は 「再び取り上げる」「再考する」「考え直す」「見直す」といった意味である。

アメリカ国内では、現職大統領による初めての広島訪問の是非をめぐり、反対論とともに、「原爆投下について謝罪すべきでない」という声が根強いという。ローズ氏が述べたのは「原爆使用に踏み切ったアメリカの当時の決断についてオバマ氏が云々することはない」、つまりは「謝罪はしない」という意味になるだろう。

オバマ氏としても、被爆地訪問が与える意味あいや政治的な影響をプラスとマイナスの両面から熟慮し、訪問するならどのような形にすべきか検討したうえで決断したはずだ。

この revisit の定義を、あらためて英語圏の辞書で確かめてみよう。

- Consider (a situation or problem) again or from a different perspective:
(Oxford Dictionaries)

- to re-examine (a topic or theme) after an interval, with a view to making a fresh appraisal
(Collins English Dictionary)

オバマ大統領の広島訪問をめぐっては日本人の間にもいろいろな意見があるだろう。「ヒロシマ・ナガサキ」は民族的な記憶と言えるだろうから、「原爆許すまじ」という考えは多くの日本人が抱いているはずだが、一方で、「オバマ氏にあくまで謝罪を求めるべきだ」という声は多数派とはいえないだろうと思う。やはりここは冷静な大人の態度で臨んだほうが、国際社会から好ましい印象や評価を得ることにつながり、結局は日本にとってプラスになるのではなかろうか。

参考記事:
「再び訪れる」ではない revisit

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