feel stung 「心がズキズキする」 (参院選で与党が大勝) [日本のニュース]
今回の参院選の結果を伝えるニュースを見ていたら、海外の反応として、「”多くの有権者の目には民主党政権の失敗が今も焼き付いている”とニューヨーク・タイムズは報じている」と伝えていた。「目に焼き付いている」の部分は原文ではどうなっているのか、興味を持った。
インターネットで調べてみると、該当すると思われる部分は、次のようになっていた。
- Voters see few alternatives, with many still feeling stung by what they saw as the opposition Democratic Party’s failure to deliver during its four-year term before Mr. Abe came to power in 2012.
("Japan Vote Strengthens Shinzo Abe’s Goal to Change Constitution" New York Times July 10, 2016)
sting (stung は過去分詞)は、ここでは feel をつけて使っているが、おなじみの「~を刺す」のほか、「ひりひりさせる、刺すような刺激をあたえる」「傷つける、悩ませる、腹立たせる」といった意味でも使われる。
民主党政権が期待に背いて成果をあげられなかったことが(この deliver の意味もおさえておきたい)、いまだに日本の有権者の心をチクチクと刺している、その苦味が今もひりひりと身にしみる、思い返すとこめかみがピクピクと震えるほど身にこたえる・・・まあ言い方はいろいろあろうが、そういったさまを思い浮かべればいいだろうか。「焼き付いている」という表現も、そんな sting の感じを生かそうとしたものかもしれない。
英語圏の辞書から引用しよう。
- cause an emotional pain, as if by stinging
“His remark stung her”
(Vocabulary.com)
- to make someone feel angry and upset
She was stung by her father’s criticism.
(Macmillan Dictionary)
しらけ世代・新人類世代とあって、特に強固な政治的傾向は持っていないつもりの私ではあるが、それでも「ニューヨーク・タイムズ」紙がかつて載せていた日本関連の記事は、余りに一方的な見方や事実誤認に基づいて書かれたとしか思えないものが目につくと感じていた。そうした記事が短絡的に「アメリカの見方」として国内で紹介されているのを見て、「困ったもんだなあ」と思ったこともあった。
ただ、担当者が変わったのか、このところのNY紙の日本関連記事は、読者自身に考える余地を与えるような幅広い情報を盛り込むようになってきていると思う。今回の記事も、手あかのついた日本語ではあるが「よくまとまっている」といえるのではないだろうか。
ところで私は、何がなんでも憲法を変えてはならないという硬直した考えに囚われてはならないと思っており、憲法改正の論議も大いに行うべきだと考えている。しかし一方で、消費税増税の先延ばしを「新しい判断」といった言葉を持ちだして正当化し、以前の方針を反故にするような安倍総理の姿勢は、政治(家)不信を一層深めるとともに、社会の規範・日本人の規律という点からも望ましいとは思えない。今回の選挙も、「アベノミクス」を前面に掲げつつ、あまり目立たぬように「憲法改正」をセットにしていたようで、やりきれなさを感じた。
sting の関連記事:
・「チョウのように舞い、ハチのように刺す」 Float like a butterfly, sting like a bee. (モハメド・アリ死去)
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インターネットで調べてみると、該当すると思われる部分は、次のようになっていた。
- Voters see few alternatives, with many still feeling stung by what they saw as the opposition Democratic Party’s failure to deliver during its four-year term before Mr. Abe came to power in 2012.
("Japan Vote Strengthens Shinzo Abe’s Goal to Change Constitution" New York Times July 10, 2016)
sting (stung は過去分詞)は、ここでは feel をつけて使っているが、おなじみの「~を刺す」のほか、「ひりひりさせる、刺すような刺激をあたえる」「傷つける、悩ませる、腹立たせる」といった意味でも使われる。
民主党政権が期待に背いて成果をあげられなかったことが(この deliver の意味もおさえておきたい)、いまだに日本の有権者の心をチクチクと刺している、その苦味が今もひりひりと身にしみる、思い返すとこめかみがピクピクと震えるほど身にこたえる・・・まあ言い方はいろいろあろうが、そういったさまを思い浮かべればいいだろうか。「焼き付いている」という表現も、そんな sting の感じを生かそうとしたものかもしれない。
英語圏の辞書から引用しよう。
- cause an emotional pain, as if by stinging
“His remark stung her”
(Vocabulary.com)
- to make someone feel angry and upset
She was stung by her father’s criticism.
(Macmillan Dictionary)
しらけ世代・新人類世代とあって、特に強固な政治的傾向は持っていないつもりの私ではあるが、それでも「ニューヨーク・タイムズ」紙がかつて載せていた日本関連の記事は、余りに一方的な見方や事実誤認に基づいて書かれたとしか思えないものが目につくと感じていた。そうした記事が短絡的に「アメリカの見方」として国内で紹介されているのを見て、「困ったもんだなあ」と思ったこともあった。
ただ、担当者が変わったのか、このところのNY紙の日本関連記事は、読者自身に考える余地を与えるような幅広い情報を盛り込むようになってきていると思う。今回の記事も、手あかのついた日本語ではあるが「よくまとまっている」といえるのではないだろうか。
ところで私は、何がなんでも憲法を変えてはならないという硬直した考えに囚われてはならないと思っており、憲法改正の論議も大いに行うべきだと考えている。しかし一方で、消費税増税の先延ばしを「新しい判断」といった言葉を持ちだして正当化し、以前の方針を反故にするような安倍総理の姿勢は、政治(家)不信を一層深めるとともに、社会の規範・日本人の規律という点からも望ましいとは思えない。今回の選挙も、「アベノミクス」を前面に掲げつつ、あまり目立たぬように「憲法改正」をセットにしていたようで、やりきれなさを感じた。
sting の関連記事:
・「チョウのように舞い、ハチのように刺す」 Float like a butterfly, sting like a bee. (モハメド・アリ死去)
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