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吸い込まれそうで怖かったナイアガラの滝 [英語文化のトリビア]

お騒がせ映像監督のマイケル・ムーアが書いた「それでもドナルド・トランプが勝つ5つの理由」という記事を先日紹介した。この中に、テーマとなっているアメリカ大統領選挙とは全然関係ないが、「おおっ」と思った記述があったので、まったくの余談としてメモしておきたい。

先日も書いたように、トランプが勝つ理由のひとつとして、「ただ何か変わったことをやってやろう」という有権者の心理が、トランプへの一票につながる可能性をムーアはあげている。その一節に、次のようなくだりがあった。

- ...millions are going to vote for Trump not because they agree with him, not because they like his bigotry or ego, but just because they can. Just because it will upset the apple cart and make mommy and daddy mad. And in the same way like when you’re standing on the edge of Niagara Falls and your mind wonders for a moment what would that feel like to go over that thing, a lot of people are going to love being in the position of puppetmaster and plunking down for Trump just to see what that might look like.
("5 reasons why Trump will win" by Michael Moore)

これだけではわかりずらいと思うが、トランプに投票するのは、何も彼の考えに賛成しているからではなく、単にとんでもないことをやったらどうなるか見てみたいという心理が働くからだ、ということを指摘している。

その「とんでもないこと」の比喩的な例にあげているのが、「ナイアガラの滝の縁に立つと、柵の向こうへ越えて行ったら一体どんな気分だろう、という考えが一瞬心をよぎる」ということだ。

ここを読んで、以前、ナイアガラの滝のすぐ近くに行ってみた時に私が感じた気持ちとまったく同じことが書かれていたので、「おおっ」と思ったのである。

ナイアガラの滝の観光は、カナダ側に行って2つの滝の全体の姿を眺め、さらに船に乗って近くから見るのがよくある楽しみ方だろう。しかしこのほか、川が滝となってまさに流れ落ちていく部分を手が届きそうな近さで見ることができるポイントがいくつかある。小心者の私には迫力というより怖さを感じるものだった。

遊覧船も滝のかなり近くまで行くとはいえ、滝壺から離れた下流で乗り物から見上げる形なので危険は感じない。しかし上記のようなポイントでは、川が目の前で途切れて奈落の底に水が落ちていくのを眺めるうえ、柵はあるものの簡単に乗り越えられそうな高さしかないのでスリル満点だ。

何かの間違いで柵を越えたら、一瞬で御陀仏である。そのくせ同時に、「向こう側に行ったらどうなるだろうか?」と吸い込まれそうな感じもしたものだ。マイケル・ムーアも同じように流れ落ちる水を見下し、同じようなことを考えたのだろうか。

そうした場所のひとつ「テラピン・ポイント」 Terrapin Point で撮った下記の私のヘタな写真では怖さが伝わらないのが残念だが、動画に収めて公開している人たちがいるので、ネットで探して見ていただければ幸いである。

ナイアガラ観光を計画していて、カナダ側での遊覧船乗りしか考えていない人は、アメリカ側にあるこうしたポイントに足を運ぶこともぜひ検討していただければと思う。ただし、くれぐれもヘンな気は起こさないように。

s-niagara1.jpgs-niagara2.jpg

タグ:トランプ
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