tetraphobia 「不吉な数字4を嫌うこと」 [日本の文化]
以前、数字の「13」を嫌うことを意味する単語があると書いたことがあるが(→こちら)、日本人にとって不吉なのは「4」だ。英文の東京タウン情報誌を読んでいたら、それを表す単語が目にとまった。「13嫌い」を取り上げた時に、そうした言葉もあるのではと気づくべきだったので、自分の想像力の乏しさが情けなくなった。
それはともかく、載っていたのは TimeOut Tokyo というフリーマガジンで、私がよく利用する駅の構内に置かれている。
新しい号が出ると手にしているが、今回もパラパラとページをめくって眺めていたら、日本の贈答習慣における dos and don'ts について書いた "Courtesy calls" というタイトルの記事に、次のような記述があった。
- DON'T: FEAR FOUR
It is often said that Japan has a chronic case of tetraphobia - the fear of things that come in fours - because one of the two readings for the number is "shi", which is hononymic with the word for death (死).
(TimeOut Tokyo Jan-Mar 2017 No.13)
この最新号は通巻第13号なので、それにひっかけて西洋の triskaidekaphobia にも言及してあれば記事のペダンチック度が高まったのにと思ったが、それはそれとして、「4」を意味する接頭辞 tetra- は「テトラポッド」「テトラパック」などとして日本語にもなっている。 それに「~を恐れる、嫌う」という -phobia をつければ一丁上がり、というわけである。
言われてみれば「なあんだ」ということになるが、私の英語力では自分からは思いつかないのが残念だ。
ということで、とりたてて見出し語にはならないということなのか、私の使っている辞書にはどれも見当たらなかったが、オンライン辞書の Wiktionary は記載していて、
- Custom of avoiding the number four (4) commonly seen in East Asian countries in which the words for "4" and "death" are paronymous or homophonous.
と書いている。「4」を不吉とする文化を共有していないと、単に tetraphobia と言っただけでは「?」と思われる可能性があるだろうから、こういった補足説明ができるようにしておきたいものだ。
Wikipedia にもこの単語で見出し項目があり、
- Tetraphobia is the practice of avoiding instances of the number 4. It is a superstition most common in East Asian nations.
と書き始めたうえで、日本だけでなく東アジア各国の言語で「4」という言葉と death の発音が似ていること、そうした国で「4」が忌避されることを説明していておもしろい。また Wikipedia には、先の TimeOut の記事に私が感じた不満を補うように、
- Tetraphobia far surpasses triskaidekaphobia (Western superstitions around the number 13). It even permeates the business world in these regions of Asia.
(ibid.)
という記述もあった。
ところで、外国語は自分に引きつけて学ぶことが長続きするコツだと思っている。どんなに”英語の達人”が勧めたとしても、興味が持てないニュース記事や文学作品を読むのは苦痛になりがちだ。英会話のテキストに出てくる架空のダイアログは、実際にそうした状況に遭遇する可能性が低いのであれば、日夜繰り返して練習するのがいつしか虚しくなってくる。
その点で、今回の情報誌のように、日本を取り上げた内容は汎用性が高く、教材としてもうってつけなのではないだろうか。
なお TimeOut は世界のいろいろな都市の版があるが、ウェブサイトによると日本では東京のほか京都版の TimeOut Kyoto が出ているようだ。
関連記事:
・triskaidekaphobia 「数字の13を嫌がる」「13恐怖症」
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14
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それはともかく、載っていたのは TimeOut Tokyo というフリーマガジンで、私がよく利用する駅の構内に置かれている。
新しい号が出ると手にしているが、今回もパラパラとページをめくって眺めていたら、日本の贈答習慣における dos and don'ts について書いた "Courtesy calls" というタイトルの記事に、次のような記述があった。
- DON'T: FEAR FOUR
It is often said that Japan has a chronic case of tetraphobia - the fear of things that come in fours - because one of the two readings for the number is "shi", which is hononymic with the word for death (死).
(TimeOut Tokyo Jan-Mar 2017 No.13)
この最新号は通巻第13号なので、それにひっかけて西洋の triskaidekaphobia にも言及してあれば記事のペダンチック度が高まったのにと思ったが、それはそれとして、「4」を意味する接頭辞 tetra- は「テトラポッド」「テトラパック」などとして日本語にもなっている。 それに「~を恐れる、嫌う」という -phobia をつければ一丁上がり、というわけである。
言われてみれば「なあんだ」ということになるが、私の英語力では自分からは思いつかないのが残念だ。
ということで、とりたてて見出し語にはならないということなのか、私の使っている辞書にはどれも見当たらなかったが、オンライン辞書の Wiktionary は記載していて、
- Custom of avoiding the number four (4) commonly seen in East Asian countries in which the words for "4" and "death" are paronymous or homophonous.
と書いている。「4」を不吉とする文化を共有していないと、単に tetraphobia と言っただけでは「?」と思われる可能性があるだろうから、こういった補足説明ができるようにしておきたいものだ。
Wikipedia にもこの単語で見出し項目があり、
- Tetraphobia is the practice of avoiding instances of the number 4. It is a superstition most common in East Asian nations.
と書き始めたうえで、日本だけでなく東アジア各国の言語で「4」という言葉と death の発音が似ていること、そうした国で「4」が忌避されることを説明していておもしろい。また Wikipedia には、先の TimeOut の記事に私が感じた不満を補うように、
- Tetraphobia far surpasses triskaidekaphobia (Western superstitions around the number 13). It even permeates the business world in these regions of Asia.
(ibid.)
という記述もあった。
ところで、外国語は自分に引きつけて学ぶことが長続きするコツだと思っている。どんなに”英語の達人”が勧めたとしても、興味が持てないニュース記事や文学作品を読むのは苦痛になりがちだ。英会話のテキストに出てくる架空のダイアログは、実際にそうした状況に遭遇する可能性が低いのであれば、日夜繰り返して練習するのがいつしか虚しくなってくる。
その点で、今回の情報誌のように、日本を取り上げた内容は汎用性が高く、教材としてもうってつけなのではないだろうか。
なお TimeOut は世界のいろいろな都市の版があるが、ウェブサイトによると日本では東京のほか京都版の TimeOut Kyoto が出ているようだ。
関連記事:
・triskaidekaphobia 「数字の13を嫌がる」「13恐怖症」
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14
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