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「冬将軍」にあたる英語は何か [単語・表現]

前回に続いて冬の天気についての英語表現をひとつ。寒気団など厳しい寒さを表すのに「冬将軍」というイラストのキャラクターを出しているニュース番組もあるが、この日本語を連想させるのが Old Man Winter である。

ネットで見つかる実例を引用しよう。

- With the calendar reading mid-January, we can’t be surprised that our familiar nemesis known as Old Man Winter has settled in once again.

For Georgia, the cold seemed to arrive early this year, too early in fact. In reality we really never had much of a fall season. We pretty much went from summer into winter.
("Old Man Winter has us in his grasp" Borrow News Journal January 19. 2019)

- In addition to having home warranty coverage, home systems and appliances need regular maintenance to help keep them running well. Regular upkeep becomes even more important as Old Man Winter pays his annual visit. Cold weather, rain, and snow can wreak havoc on your home.
("Get Ready for Old Man Winter" First American Home Warranty)

Wikipedia にある説明を引用しよう。

- Old Man Winter is a personification of winter. The name is a colloquialism for the winter season derived from ancient Greek mythology and Old World pagan beliefs evolving into modern characters in both literature and popular culture.
https://en.wikipedia.org/wiki/Old_Man_Winter

a personification of winter とだけ書かれているが、単に季節としての冬というより、上記の実例のように寒さや厳しさを表すのにぴったりの表現のようだ。

また画像を検索すると、たいてい白髪や白いひげをたくわえた厳しい顔の老人として描かれている。白いのはもちろん雪や霜とのつながりだろう。口をすぼめて冷たそうな息を吹き出している Old Man Winter もいる。

ところで私が「冬将軍」という言葉を知ったのは、子どもの頃、ナポレオンがロシアに攻め入ったものの厳しい冬の寒さのため敗走した、という史実を読んだからだった。

といっても別に歴史好き少年だったわけではない。この出来事を描いたチャイコフスキーの「序曲1812年」という、クライマックスには大砲の音まで出てくるド派手な曲を知り、当時よく聞いたからである。

作品の解説には必ずこの史実が書かれ、「冬将軍」にも言及があった。また試験にこの年号を問う問題が出たら絶対に間違わない、と期待していたが、学校を終えるまでついに一度もそうした設問に出会うことはなかった。

そんなことを思い出しながら、さらに調べてみたら、まさに「冬将軍」の直訳の―いやもちろん逆で、この日本語の由来らしい― General Winter という言葉が出てくる項目が Wikipedia にあった。上記ナポレオンの遠征を含め、幾度かロシアを他国の侵攻から救った冬の寒さについての記述である。

- Russian Winter, General Winter, General Frost, or General Snow refers to the harsh winter climate of Russia as a contributing factor to the military failures of several invasions of Russia.
https://en.wikipedia.org/wiki/Russian_Winter

ということで、General Winter はロシアに特化した「冬将軍」を指すようだ。

なお擬人化された「厳しい寒さ」としては、以前 Jack Frost という言葉について書いたことがあるので、参考まで(→ 「冬将軍」 Jack Frost と「フロスト警部」シリーズのこと)。

チャイコフスキーの「序曲1812年」は、クラシック音楽をあまり聞かない人でも楽しめると思われる作品で、演奏によって大砲の音の演出が違うのも聞きどころだ。

私はトシのせいかもう聴かない曲になってしまって久しいが(正直うるさすぎる)、かつて最もおもしろく聴いたという記憶があるのがストコフスキー指揮によるものだ。クライマックスはかなりムチャ(編曲)をしてまでスペクタクルな演奏に仕上げている。


チャイコフスキー:1812年

チャイコフスキー:1812年

  • アーティスト: ストコフスキー(レオポルド),ムソルグスキー,チャイコフスキー,ボロディン,ストコフスキー,グレナディア・ガーズ軍楽隊,ロンドン交響楽団,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,スイス・ロマンド管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2002/03/27
  • メディア: CD


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タグ:クラシック
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