SSブログ

cavalier 「横柄な」「無神経な」 [単語・表現]

見聞きするニュースは英語もコロナウイルス一色となって久しい。さすがに気が滅入ってくるので、手製の英語学習メモを見返していたら cavalier という形容詞が目にとまったので、取り上げてみよう。

そのメモに書き留めていた実例はいまひとつの感があるので、この言葉が似合うアメリカのトランプ大統領について使われた例をウェブで検索してみた。たとえばこんなものが見つかった。

- President Donald Trump is adopting an increasingly cavalier attitude to the consequences of a war with Iran amid fears the current confrontation could spill over into a military conflict.
("Trump's casual talk of a hypothetical war with Iran underestimates dangers" CNN June 26, 2019)

やはり新型コロナウイルスは無視できないので、そのからみで使われた例もあげておこう。

- As epidemiologists and infectious-disease experts begged Americans to self-quarantine and cancel social events, many of the President’s supporters in the media and Congress echoed his cavalier tone. The disease, meanwhile, continued to spread throughout the country, largely undetected.
("The Trump Administration Fumbled Its Initial Response to Coronavirus. Is There Enough Time to Fix It?" TIME March 19, 2020)

cavalier /kævəˈlɪr/ は、「馬」を意味するラテン語にさかのぼるが、「乗馬者」「騎士」を意味するイタリア語やフランス語に関係があり、日本語でも「カヴァリエ」とか「キャヴァリエ」として使われているのを目にすることがある。

私もそうしたことが頭にあったので、この言葉が形容詞として使われているのを初めて目にした時は、「騎士の」「騎士のような」という意味にとって読んだが、その一方で、何となく文脈にそぐわないな、とも感じていた(言い訳っぽいが)。

それが記憶にうっすら残っていたせいか、その後ふたたび何かでこの単語に出会った時は「やはりちょっと違うようだ」と思い、辞書を引いて確かめた。

トランプ大統領は「騎士」とは真逆といえるが、「傲慢な」「尊大な」「思慮に欠ける」という訳語を見ると、ぴったりの形容詞だと思えてくる。

英語圏の辞書から定義と例文を引用しよう。

- not caring enough about something important or about the feelings of other people
The government takes a cavalier attitude to the problems of prison overcrowding.
(OALD)

- Showing a lack of proper concern; offhand.
The captain left the army in 1998 after his commanding officer described him as having a ‘arrogant and cavalier attitude towards young soldiers'.
This kind of cavalier attitude to the democratic process is intolerable.
Acting in such a high-handed and cavalier fashion does the council no good in the eyes of local people.
(Oxford Dictionaries)

「騎士のような」という訳語を与えている英和辞典もあるが、英語圏の辞書を見ると、どれも今回取り上げた意味だけを載せているようだ(例外があるかもしれないが)。現代英語では専らこの意味で使われるということではないかと思う。

ただ、そうした英和辞典には「騎士気取りの」という訳語も載っており、そうしたつながりで「傲慢」とか「無神経」という意味が生まれていったのではということが想像できそうだ。

オンラインの語源辞典には、19世紀の初めには今の意味で使われていたという記述があった。

- "disdainful," by 1817, from earlier sense "easy, offhand" (1650s); originally "gallant, knightly, brave" (1640s), from cavalier (n.) in its Elizabethan senses. Related: Cavalierly.
(Online Etymology Dictionary)

なお、名詞としての cavalier は、先に書いたような「騎士」、また「騎士道精神の持ち主」「礼儀正しい紳士」「女性に親切な男性」を指し、形容詞とは違うのがちょっとややこしい。

ついでだが、リヒャルト・シュトラウスの名作オペラ「ばらの騎士」は、原題(ドイツ語)が Der Rosenkavalier である。日本人のファンの間では、邦題ではなくカタカナで「ローゼンカヴァリエ」と呼ぶのが「通」らしいが(実際に何度か遭遇したことがある)、私には抵抗があってどうもマネできない。


R.シュトラウス:ばらの騎士

R.シュトラウス:ばらの騎士

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2011/04/27
  • メディア: CD


にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村←参加中です

nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 2

コメント 2

Kawada

cavalierは、Madison Ikkokuにも出てきたことを思い出しました。確か、二階堂君が一刻館に引っ越してきたところで使われていたと記憶しております。
by Kawada (2020-04-27 12:36) 

tempus_fugit

Kawada さん、すごい記憶力ですね! 私は思い出せないので、今度読み直してみます。

by tempus_fugit (2020-04-27 22:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村← 参加中です
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...