trailblazer 「先駆け」「パイオニア」 [単語・表現]
前回取り上げた contrail, vapor trail 「飛行機雲」から trail つながりの連想で、trailblazer という単語を短くメモしておきたい。「道を切り開く人、先駆者」という意味である。
- someone who is the first to do something or to discover something
(Macmillan Dictionary)
- A pioneer; an innovator.
He was a trailblazer for many ideas that are now standard fare.
The school, which has been a trailblazer in organising such horse shows, continues to encourage innovative activities that help build a strong individual.
(Oxford Dictionaries)
blaze は「炎」とか「燃やす」ということだから、trailblazer を知った時は、「森林を焼き払って道を作っていく」というイメージを抱いた。「道を切り開く」ということでは日本語の「草分け」と似ているが、英語の方がずっと荒々しい。
しかし後に、そんなイメージはどうやら間違っているらしいことを知った。
辞書で blaze の記述を読むと、「(境界線や道標として)木につけた目印、木などに目印をつける」とある。また blaze a [the] trail という表現は「木に目印をつけて道順を示す、道しるべをつける」そして「先駆者となる」ことを指す。
- Set an example by being the first to do something; pioneer.
Small firms would set the pace, blazing a trail for others to follow.
(Oxford Dictionaries)
- If someone blazes a trail, they discover or develop something new.
These surgeons have blazed the trail in the treatment of bomb victims.
(COBUILD Advanced English Dictionary)
ということで、「木を焼き払って進んでいく先駆者」というイメージは、私の思い込みだったらしい。
なお、文庫での復刻版が一部で話題となった最所フミの「日英語表現辞典」で trailblazer が取り上げられていたので読むと、氏は「行く手をたいまつをかかげて照らして進む人」というイメージだと書いている。この説明もどうも怪しいといえそうだ。
ただ語源辞典の Online Etymology Dictionary を見ると、blaze は「明るい光を放つ」ことから転じて、「牛や馬の顔にある白い斑」として、さらに「木の表面を切ってつけた白い目印」として使われるようになった、という内容の記述がある。そうであれば、火と無関係ではないということになりそうだ。
https://www.etymonline.com/word/blaze
blaze が「馬の顔面にある白い斑」を指すことは、「シャーロック・ホームズの回想」収録の名作短編「シルヴァー・ブレイズ」 Silver Blaze で知り、以前取り上げたこともあるが(→こちら)、私の頭の中では trailblazer に含まれる blaze とはつながっていなかったので、これを知った時は「へえっ」と思った。
「先駆け」「道なき道を往く人」を指す単語としては、おなじみの pioneer のほか、groundbreaker, pathfinder といった単語がある。また子どものころ宇宙ものが好きだった私はアメリカの初期のロケットの名前で知り、長じてはジャズの有名レーベルとして再会した vanguard も頭に浮かぶ。
こうした単語も、それぞれ成り立ちや語源を読むとおもしろい。vanguard は、芸術の「アバンギャルド」 avant-garde と関係があると知った時も「へえっ」と思ったものだった。
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- someone who is the first to do something or to discover something
(Macmillan Dictionary)
- A pioneer; an innovator.
He was a trailblazer for many ideas that are now standard fare.
The school, which has been a trailblazer in organising such horse shows, continues to encourage innovative activities that help build a strong individual.
(Oxford Dictionaries)
blaze は「炎」とか「燃やす」ということだから、trailblazer を知った時は、「森林を焼き払って道を作っていく」というイメージを抱いた。「道を切り開く」ということでは日本語の「草分け」と似ているが、英語の方がずっと荒々しい。
しかし後に、そんなイメージはどうやら間違っているらしいことを知った。
辞書で blaze の記述を読むと、「(境界線や道標として)木につけた目印、木などに目印をつける」とある。また blaze a [the] trail という表現は「木に目印をつけて道順を示す、道しるべをつける」そして「先駆者となる」ことを指す。
- Set an example by being the first to do something; pioneer.
Small firms would set the pace, blazing a trail for others to follow.
(Oxford Dictionaries)
- If someone blazes a trail, they discover or develop something new.
These surgeons have blazed the trail in the treatment of bomb victims.
(COBUILD Advanced English Dictionary)
ということで、「木を焼き払って進んでいく先駆者」というイメージは、私の思い込みだったらしい。
なお、文庫での復刻版が一部で話題となった最所フミの「日英語表現辞典」で trailblazer が取り上げられていたので読むと、氏は「行く手をたいまつをかかげて照らして進む人」というイメージだと書いている。この説明もどうも怪しいといえそうだ。
ただ語源辞典の Online Etymology Dictionary を見ると、blaze は「明るい光を放つ」ことから転じて、「牛や馬の顔にある白い斑」として、さらに「木の表面を切ってつけた白い目印」として使われるようになった、という内容の記述がある。そうであれば、火と無関係ではないということになりそうだ。
https://www.etymonline.com/word/blaze
blaze が「馬の顔面にある白い斑」を指すことは、「シャーロック・ホームズの回想」収録の名作短編「シルヴァー・ブレイズ」 Silver Blaze で知り、以前取り上げたこともあるが(→こちら)、私の頭の中では trailblazer に含まれる blaze とはつながっていなかったので、これを知った時は「へえっ」と思った。
「先駆け」「道なき道を往く人」を指す単語としては、おなじみの pioneer のほか、groundbreaker, pathfinder といった単語がある。また子どものころ宇宙ものが好きだった私はアメリカの初期のロケットの名前で知り、長じてはジャズの有名レーベルとして再会した vanguard も頭に浮かぶ。
こうした単語も、それぞれ成り立ちや語源を読むとおもしろい。vanguard は、芸術の「アバンギャルド」 avant-garde と関係があると知った時も「へえっ」と思ったものだった。
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タグ:シャーロック・ホームズ
2020-11-02 23:50
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