friction strip ~マッチ箱の側面は何という? [読書と英語]
前回は昭和時代の話を書いたが、かつては当たり前の存在だったのに今では見なくなったものがある。英語関係ならタイプライター。仕事ではポケットベル。さらに、姿を消したとまでは言えないが、まず目にしなくなった生活用品といえばマッチだろう。
・・・というのは無理やり考えた導入で、先日も表現を取り上げた Tales of the Black Widowers (邦題「黒後家蜘蛛の会1」アイザック・アシモフ著)で目にした friction strip という言葉を紹介したい。私のお気に入りの連作推理短編集(全6巻、うち最終巻は未訳)である。
収録作のひとつは、マッチブック(紙マッチ)を暗号として使った機密情報の漏洩事件を描いたものだ。
- There are all kinds of factors that increase the value: not only beauty and rarity but also whether the matches are intact and whether the friction strip is unmarked.
(Go,Little Book! by Isaac Asimov)
- All right. If you gentlemen would care to look at it now, please do so. If you'll notice, there is no mark on the friction strip, no sign of any match being lighted.
(ibid.)
読んだだけで、friction strip とは、マッチの先端をこすって(あるいは打ち付けて)発火させるための、ざらざらした(たいてい茶色っぽい)帯の部分のことだとあたりがつく。擦った跡は mark でいいということもわかる。
またウェブの情報を見ると、striker という言い方もするようだ。マッチ箱の場合はこちらの方がむしろ普通らしい。「マッチをする」は strike a match である。
- This tutorial consists of creating a digital illustration in Photoshop of a box of matches. We'll be creating the matchbox cover design, the striker on the matchbox from a pattern, and placing the cardboard texture on the box. We'll also create the matches and align everything into a 3D perspective.
https://design.tutsplus.com/tutorials/rendering-a-striking-matchbox-in-photoshop--psd-278
今や目にしなくなっているマッチとあって、今さらこんな言葉を知っても何の役にも立たないだろうが、せっかく目にとまったので書いておくことにした次第である。
しかし、マッチを点火するこの部分は、日本語では何というのだろう? はたと困ってしまった。こちらの方が謎である。
調べてみると、「側薬」というのだそうだ。恥ずかしながら私は知らなかった。
厳密には、文字通り「(着火させるための)薬物」のことを指すのだろうけど、この部分全体も事実上こう呼ばれているようだ。今回は英語よりも日本語の面で勉強になった気がする。
調べたついでにネット上の情報を読むと、マッチのつけ方を知らないだけでなく、そもそも「マッチ」自体を聞いたことがない、という人も増えてきているそうだ。かつての生活必需品が絶滅危惧種となったさまに、時代と世代が移り変わっていることを実感する。
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・・・というのは無理やり考えた導入で、先日も表現を取り上げた Tales of the Black Widowers (邦題「黒後家蜘蛛の会1」アイザック・アシモフ著)で目にした friction strip という言葉を紹介したい。私のお気に入りの連作推理短編集(全6巻、うち最終巻は未訳)である。
収録作のひとつは、マッチブック(紙マッチ)を暗号として使った機密情報の漏洩事件を描いたものだ。
- There are all kinds of factors that increase the value: not only beauty and rarity but also whether the matches are intact and whether the friction strip is unmarked.
(Go,Little Book! by Isaac Asimov)
- All right. If you gentlemen would care to look at it now, please do so. If you'll notice, there is no mark on the friction strip, no sign of any match being lighted.
(ibid.)
読んだだけで、friction strip とは、マッチの先端をこすって(あるいは打ち付けて)発火させるための、ざらざらした(たいてい茶色っぽい)帯の部分のことだとあたりがつく。擦った跡は mark でいいということもわかる。
またウェブの情報を見ると、striker という言い方もするようだ。マッチ箱の場合はこちらの方がむしろ普通らしい。「マッチをする」は strike a match である。
- This tutorial consists of creating a digital illustration in Photoshop of a box of matches. We'll be creating the matchbox cover design, the striker on the matchbox from a pattern, and placing the cardboard texture on the box. We'll also create the matches and align everything into a 3D perspective.
https://design.tutsplus.com/tutorials/rendering-a-striking-matchbox-in-photoshop--psd-278
今や目にしなくなっているマッチとあって、今さらこんな言葉を知っても何の役にも立たないだろうが、せっかく目にとまったので書いておくことにした次第である。
しかし、マッチを点火するこの部分は、日本語では何というのだろう? はたと困ってしまった。こちらの方が謎である。
調べてみると、「側薬」というのだそうだ。恥ずかしながら私は知らなかった。
厳密には、文字通り「(着火させるための)薬物」のことを指すのだろうけど、この部分全体も事実上こう呼ばれているようだ。今回は英語よりも日本語の面で勉強になった気がする。
調べたついでにネット上の情報を読むと、マッチのつけ方を知らないだけでなく、そもそも「マッチ」自体を聞いたことがない、という人も増えてきているそうだ。かつての生活必需品が絶滅危惧種となったさまに、時代と世代が移り変わっていることを実感する。
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タグ:アイザック・アシモフ
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