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a license to print money 「ボロもうけ」「打ち出の小槌」 [注意したい単語・意外な意味]

このところ license についていろいろ書いているが、もうひとつおもしろい表現を紹介したい。a license to print money とは何のことかと思うが、「ものすごい金もうけができる商売・手段」をあらわす表現だ。

手持ちの英和辞典は、言い方に多少の違いはあれど、基本的にこうした訳語・意味だけをあげているものが多かったが、英語圏の辞書を見ると、

- an opportunity to make a lot of money without much work or effort--especially used to show disapproval
(LDOCE)

- (disapproving) used to describe a business which makes a lot of money with little effort
Many people think that the national lottery is nothing more than a licence to print money.
(Oxford Idioms Dictionary for Learners of English)

- (colloquial, idiomatic) A means of generating a large income with little effort.
the rather casual remark of Lord Thomson, referring to his holding in Scottish Television, that the television contract was 'a licence to print money' was much quoted
(Wiktionary)

と説明されており、「大した苦労をしなくても金が手に入る」手段であること、また否定的なニュアンスでよく使われることがわかる。英和辞典にあるシンプルな訳語だけではうかがえないことだと思う。

この表現を何で知ったかは覚えていないが、自分とは縁のない意味であるためか、手製の英語学習ノートには自分が見つけた実例のメモはなかった。そこでオンラインの Oxford 辞書から少し引用しよう。

- People see music publishing as a licence to print money.
It used to be a license to print money but no more.
A private company, subsidised by the taxpayer, is given a license to print money at our expense.
For awhile, starting an Internet company and taking it public was a license to print money.

この表現で不思議なのは、ネットにある記述を探しても、はっきりした由来の説明がなかなか見当たらないことだ。上記 Wiktionary には由来として、

- Often attributed to Lew Grade, notably used by Roy Thompson of Scottish Television around 1956.

とあったが、単にこれだけで詳しいことはわからない。他に見つかった記述も似たりよったりだった。

表現自体はどの辞書に載っているが、20世紀半ば頃に生まれたとすれば比較的新しいものになり、そのくせ由来が明確でない。なんとも不可解である。

余談だが、上記 Wiktionary の記述に出てくる Lew Grade はイギリスの芸能界やテレビ事業で活躍した人物だそうだが、どうも聞いたことがある名前だ。

そこでリンクされている Wikipedia の記述をさらに読んだら、このブログでも何度か取り上げたことがあるSFテレビドラマ「サンダーバード」 Thunderbirds に関わっていたことを知り、あっと思った。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lew_Grade

子供の頃に大人気を博し、熱中して見た人気作品であり、大人になってからも何度か見返したほか、制作の裏舞台について書かれたものをいろいろ読んだ。

その中で「ルー・グレイド」という名前は必ず出てくるほどの役割を果たした人物だが、まさか英語表現との関係で目にするとは、もちろん想像もできなかった。

驚きのあまり、余談のほうが長くなりそうになってきたが、もっと考えると、サンダーバードの「ルー・グレイド」と今回の表現に関わる可能性のある Lew Grade はそもそも同一人物なのだろうか。それも確かめていないが、さらに調べる時間も気力もないので、ここらで終わることにしよう。

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