vax ~オックスフォード版「2021年の英単語」 [Word of the Year]
英語に関係する団体が「今年の単語」を選ぶ時期がやってきた。辞書の「オックスフォード」社が先日発表した Word of the Year は、「ワクチン」を表す vax だった。もちろん新型コロナウイルスの世界的流行にかかわるものだ。
- Defined as "a colloquialism meaning either vaccine or vaccination as a noun and vaccinate as a verb," vax was relatively rare until this year, the company, which publishes the Oxford English Dictionary, said Monday.
In September, vax appeared more than 72 times more frequently than the year before, said Oxford Languages, which analyzes news content to track changes in the English language.
("'Vax' is Oxford English Dictionary publisher's 2021 Word of the Year" CNN, November 1, 2021)
「オックスフォード」は、次のように「注射」にひっかけた面白いコメントもつけている。
- “The word vax, more than any other, has injected itself into the bloodstream of the English language in 2021,” Oxford said in a pun-filled news release.
("Oxford’s 2021 Word of the Year Is a Shot in the Arm" The New York Times, October 31, 2021)
- "It's a short, punchy, attention-grabbing word."
(ibid.)
この vax の特徴は、他の言葉とくっつけた種々の派生語が使われていることで、vax sites や vax cards、また getting vaxxed とか fully vaxxed などの例が紹介されていた。
このスペリングからもわかるが、上記「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事によると、vax は box や tax と違って、x を重ねて vaxxed とか anti-vaxxer のように使われるという特徴もある。
さらにこの記事によると、
- Curiously, while the shortened form “vax” did not appear until the 1980s, the term “anti-vax” — spelled “anti-vacks” — appeared early.
“The Anti-Vacks are assailing me … with all the force they can muster in the newspapers,” Jenner himself wrote in an 1812 letter.
(ibid.)
つまり vax と綴られるようになったのは1980年代だが、(anti-) vacks という形ならずっと前に使われた例があったという。vaccine の語源につながる牛痘接種法を開発したエドワード・ジェンナー Edward Jenner 自身が、そのスペリングを1812年に使っていたそうだ。ちょっとしたトリビアである。
世界的に激動の年だった去年、「オックスフォード」が「今年の英単語」をひとつに絞ることができなかったことは1年前のエントリでちょっと触れたが(→こちら)、今年は正統的な選考に戻ったことになる。
その去年、他の選定団体は「オックスフォード」と違って、軒並みコロナ関係の単語を「今年の言葉」に選んでいたが、2年続けて同じような結果にはしにくいだろうから、今年はどのような言葉が選ばれるのだろうか、興味がわく。
参考記事:
・「2020年の英単語」は、やはり軒並みコロナ関係の言葉だった
https://eigo-kobako.blog.ss-blog.jp/2021-01-04
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- Defined as "a colloquialism meaning either vaccine or vaccination as a noun and vaccinate as a verb," vax was relatively rare until this year, the company, which publishes the Oxford English Dictionary, said Monday.
In September, vax appeared more than 72 times more frequently than the year before, said Oxford Languages, which analyzes news content to track changes in the English language.
("'Vax' is Oxford English Dictionary publisher's 2021 Word of the Year" CNN, November 1, 2021)
「オックスフォード」は、次のように「注射」にひっかけた面白いコメントもつけている。
- “The word vax, more than any other, has injected itself into the bloodstream of the English language in 2021,” Oxford said in a pun-filled news release.
("Oxford’s 2021 Word of the Year Is a Shot in the Arm" The New York Times, October 31, 2021)
- "It's a short, punchy, attention-grabbing word."
(ibid.)
この vax の特徴は、他の言葉とくっつけた種々の派生語が使われていることで、vax sites や vax cards、また getting vaxxed とか fully vaxxed などの例が紹介されていた。
このスペリングからもわかるが、上記「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事によると、vax は box や tax と違って、x を重ねて vaxxed とか anti-vaxxer のように使われるという特徴もある。
さらにこの記事によると、
- Curiously, while the shortened form “vax” did not appear until the 1980s, the term “anti-vax” — spelled “anti-vacks” — appeared early.
“The Anti-Vacks are assailing me … with all the force they can muster in the newspapers,” Jenner himself wrote in an 1812 letter.
(ibid.)
つまり vax と綴られるようになったのは1980年代だが、(anti-) vacks という形ならずっと前に使われた例があったという。vaccine の語源につながる牛痘接種法を開発したエドワード・ジェンナー Edward Jenner 自身が、そのスペリングを1812年に使っていたそうだ。ちょっとしたトリビアである。
世界的に激動の年だった去年、「オックスフォード」が「今年の英単語」をひとつに絞ることができなかったことは1年前のエントリでちょっと触れたが(→こちら)、今年は正統的な選考に戻ったことになる。
その去年、他の選定団体は「オックスフォード」と違って、軒並みコロナ関係の単語を「今年の言葉」に選んでいたが、2年続けて同じような結果にはしにくいだろうから、今年はどのような言葉が選ばれるのだろうか、興味がわく。
参考記事:
・「2020年の英単語」は、やはり軒並みコロナ関係の言葉だった
https://eigo-kobako.blog.ss-blog.jp/2021-01-04
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