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chin diaper 「あごマスク」(「2021年の英単語」より) [Word of the Year]

言葉にかかわる諸団体が毎年選ぶ「今年の英単語」については、辞書の「オックスフォード」が vax (ワクチン)を2021年の Word of the Year に選定したことを2か月前に書いたが(→こちら)、先日、アメリカの団体 American Dialect Society での投票結果が発表された。

「大賞」に選ばれたのは insurrection 「暴動」「反乱」だった。単語自体は普通名詞だが、もちろん1年前に起きたアメリカ連邦議会への襲撃事件を指しての選定だ。

- insurrection: violent attempt to take control of a government, applied to the Capitol attack of Jan. 6, 2021
https://www.americandialect.org/wp-content/uploads/2021-Word-of-the-Year-PRESS-RELEASE.pdf

個人的には、この事件の重大さは否定できるものではないが、イギリスの「オックスフォード」の選定が全地球的に影響をもたらしている新型コロナウイルスに関わる言葉だったのに比べると、こちらはアメリカ中心の視点を感じざるを得なかった。

「アメリカ英語学会」の投票結果はウェブで読むことができる。その発表文には次点以下となった言葉や”部門賞”の結果も載っているが、アメリカにじかに接しているわけではない私にとってはピンとこない言葉が目立つ。

そうした中でも、何とか面白みを感じることができたのは、やはりコロナがらみの言葉だった。たとえば chin diaper なる記載があり、

- chin diaper: face mask worn below the chin instead of properly covering the nose and mouth
(ibid.)

つまり「あごマスク」を指していることになるが、これを「あごのおしめ(おむつ)」と表現しているのがケッサクである。

もうひとつ笑ったのが Fauchi ouchie という、アンソニー・ファウチ博士と韻を踏ませた造語で、

- Fauci ouchie: rhyming phrase for a Covid-19 vaccine, in honor of Dr. Anthony Fauci
(ibid.)

オミクロン株を尾身茂先生にひっかけた「尾身クロン」というダジャレ、あるいはちょっと失礼な言葉があるが、それと同じような行き方だろうか。

また、去年最後のエントリで取り上げた Let's Go Brandon (→こちら)も発表文に載っていた。

- Let’s Go Brandon: playful euphemism for “Fuck Joe Biden,” based on a sports reporter mishearing a chant while interviewing stock-car racer Brandon Brown
(ibid.)

ということで、今回は掘り下げてみるのが難しい結果となったが、なにせ American Dialect Society の Word of the Year 選定は、このブログを始めた15年前から毎年欠かさず取り上げているので、今回も列挙するだけの形にはなったが書いてみた次第である。笑ってしまった chin diaper をエントリのタイトルにしよう。

過去の関連記事:
vax ~オックスフォード版「2021年の英単語」 
Let's go Brandon! ~バイデン批判のスローガン

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