tannoy とタンノイ [音楽と英語]
このところ取り上げている小説「ファウンデーション」 Foundation には First Speaker という肩書で呼ばれる人物が出てくるが、今回はこの speaker から連想した tannoy について触れてみたい。
私は音楽が好きなので、イギリスのスピーカー (loudspeaker) のブランド「タンノイ」のことは以前から知っていたが、この単語に一般名詞や動詞としての意味があることを最近知ったからだ。
私は音楽が好きなので、イギリスのスピーカー (loudspeaker) のブランド「タンノイ」のことは以前から知っていたが、この単語に一般名詞や動詞としての意味があることを最近知ったからだ。
gnome と「展覧会の絵」 [音楽と英語]
前回の dwarf と midget からの連想で、gnome という単語を取り上げたいと思う。midget を知ったのはミサイルの名前に使われたからだと書いたが、gnome の方はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」の中の1曲、「グノームス(こびと)」 Gnomus からだった。なお英単語では g は無音で /noum/ と発音される。
Tchaikovsky: Romeo And Juliet Fantasy Overture/Mussorgsky: Pictures At An Exhibition
- アーティスト: Modest Mussorgsky,Pyotr Il'yich Tchaikovsky,Sergiu Celibidache,Munich Philharmonic Orchestra
- 出版社/メーカー: EMI
- 発売日: 1998/02/17
- メディア: CD
「ラッシュ・ライフ」とはどんな生活か [音楽と英語]
先日、「フールズ・ラッシュ・イン」という曲にちなんで "Fools rush in where angels fear to tread." という言葉について書いたが、同じくジャズの有名な曲のひとつに「ラッシュ・ライフ」がある。「あわただしい生活」というような意味かと思いきや、こちらの原題は "Lush Life" だ。カタカタ語はまぎらわしいものだとつくづく思う。
- アーティスト: ジョン・コルトレーン,アール・メイ,ドナルド・バード,レッド・ガーランド,アート・テイラー,ポール・チェンバース,アル・ヒース,ルイ・ヘイズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2009/01/21
- メディア: CD
タグ:ジャズ
「フールズ・ラッシュ・イン」 [音楽と英語]
「帰ってくれたらうれしい」か? (You'd Be So Nice to Come Home to) [音楽と英語]
前回取り上げた crooner は、男性歌手を指すことが多いようだが(もっとも、検索したら female crooner も使われている)、英語でジャズの歌を聞くのなら、曲を楽しむ上でも英語を学ぶ上でも女性(女声)のほうが好みなのは、私が男だからだろうか。
女性ジャズ歌手の名盤の一つに、マイクの前で絶唱するジャケットが印象的なヘレン・メリル Helen Merrill のアルバムがある。2曲目の "You'd Be So Nice to Come Home to" は特に人気だ。
crooner と「ホワイト・クリスマス」 [音楽と英語]
これまで年末になるとクリスマスにちなんだ内容を書いてきたので、今年もそうしたい。先日立ち寄った店で、クリスマスソングの定番 White Christmas が流れていた。そこで頭に浮かんだのが crooner という単語である。
タグ:クリスマス
「カナリア諸島にて」と canary の由来 [音楽と英語]
A LONG VACATION 20th Anniversary Edition
- アーティスト: 大滝詠一, 松本隆
- 出版社/メーカー: ソニーレコード
- 発売日: 2001/03/22
- メディア: CD
海が好きなので、夏休みはなるべく海辺で過ごすようにしてきたが、残念ながら今年はいろいろな事情で難しそうだ。夏らしくない天気が続いていることもあり、海にちなんだ音楽を聞いて、多少なりとも気分を盛り上げてみる。ドビュッシーが作曲した「海」を愛聴していることは以前書いたが、日本の音楽で好きな作品のひとつが、大滝詠一の「カナリア諸島にて」である。
giddyup (続・ルロイ・アンダーソンの「そりすべり」) [音楽と英語]
前回取り上げたルロイ・アンダーソンの「そりすべり」は、のちに歌詞がつけられてクリスマスソングの定番となったが、英語の音の面で印象的なのは、"giddyup" と繰り返される部分だ。
bewitched, bothered, and bewildered [音楽と英語]
オバマ氏に関連して、前回 signed, sealed, and delivered というイディオムとスティーヴィー・ワンダーの曲について書いたが、まったくの連想で、"bewitched, bothered, and bewildered" という歌詞が出てくるスタンダード・ナンバー Bewitched について少し書きたい。
signed, sealed, and delivered [音楽と英語]
オバマ氏のからみで続ける。The Economist 誌に "Signed, sealed, delivered" という題名の記事があった。これはイディオムだが、何となく引っかかるので調べたら、スティーヴィー・ワンダーに同名の曲があり、オバマ氏の選挙運動で使われていた。知っている人にはピンと来る仕掛け、ということであろう。
http://www.economist.com/world/unitedstates/displaystory.cfm?story_id=12566893
http://www.economist.com/world/unitedstates/displaystory.cfm?story_id=12566893
シャングリラ(「桃源郷」その3) [音楽と英語]
「理想郷」を表す単語について続ける。Shangri-La (または Shangri-la) を知ったのはその昔の学生時代、松任谷由実の歌によってだった。その後、外国のホテルの名前としてもお目にかかった。なんとなくエキゾチックな響きがあるが、由来を知れば頷けるものがある。
Elysium と「自由の第9」のことなど [音楽と英語]
前回は schadenfreude という単語について書いたが、ここに含まれる freude から私が連想するのは、シラーの詩「歓喜に寄す」 Am die Freude を使ったベートーヴェンの交響曲第9番である。有名な旋律にのせて歌われる詩の一節には、この Freude とともに Elysium という単語が出てくる。
尻に火がつく The heat is on. [音楽と英語]
heat に関連してもうひとつ、The heat is on. という表現について書いてみたい。二十数年前、エディ・マーフィー主演の「ビバリーヒルズ・コップ」 で使われた同名の主題歌によって知った。歌っていたのは元イーグルスのグレン・フライである。
「チック・コリア&ゲイリー・バートン・イン・コンサート」 [音楽と英語]
「1984」(ヴァン・ヘイレン) [音楽と英語]
smooth operator 「口のうまい人」 (続・「スムーズ」ではないsmooth) [音楽と英語]
前回取り上げた 「スムーズではない smooth」が使われている言い回しとして、smooth operator がある。私が大学生の時、シャーデー Sade という歌手が同名の曲をヒットさせたので覚えた言い回しである。
transcription と「幼年期の終わり」とバッハ [音楽と英語]
前回の関連である。「幼年期の終わり」を再読したら、登場人物が最後にバッハに耳を傾ける場面があるのに気づいた。実は、同じクラークの「2001年宇宙の旅」にも似たシーンがある。人類の黄昏にはバッハが似合うと作者は考えているのだろうか。そう思いつつ、何の気なしに3種類ある「幼年期」の訳書を比べたら、この場面にある transcription という単語の解釈が異なっているのに気づいた。
「無人島の一枚」と desert island discs [音楽と英語]
今回は雑学をひとつ。前回CDの感想を書いた中で「無人島の一枚」という言葉を使ったが、英語では desert island discs という言い方を見かけることがある。同名のBBCの番組があることを以前何かで読んで知ったのだが、どんなものかよくわからなかった。インターネットの時代になって、そうした情報を簡単に調べられるようになったのはありがたい。
タグ:=英語文化のトリビア
「絶体絶命」の本当の由来は何か (between the devil and the deep blue sea) [音楽と英語]
このところ sea や deep を含む表現を取り上げてきたが、今回はこうした単語が入っている between the devil and the deep blue sea について書いてみたい。私は、この表現がタイトルになっているジャズのスタンダードナンバーで知った。邦題は「絶体絶命」である。
タグ:ジャズ
「威風堂々」 Pomp and Circumstance とイギリスの愛国歌 [音楽と英語]
1年前に「惑星の定義」騒ぎにからんでホルストの「惑星」について書いたが、同じように愛好されているイギリスの曲が、Edward Elgar の行進曲「威風堂々」の第1番である。仮にエルガーがこれ1曲しか書かなかったとしても、その名前は音楽史に刻まれただろうと思わせる名曲だ。
jazz を使った英語表現 [音楽と英語]
語彙を増やすためには、辞書を入念に引く、辞書を引かずに文脈で覚える、単語集で詰め込む、などいろいろあるだろうが、何かをきっかけにこちらから網を広げてみるのもいいと思う。先日、前回ジャズにちなんだ学習書について書いたので、 jazz という単語について調べてみることにしよう。
「ジャズの英語」 [音楽と英語]
「歌で英語を学ぼう」といわれるものの、大人が興味を持つような新しい作品について歌詞を詳しく説明した教材は、著作権のためかもしれないが、あまり多くはないように思う。雑誌等でヒット曲が取り上げられていることもあるが、アーティストや作品の紹介が中心で、英語の解説は申しわけ程度、歌詞の訳も時に「超訳」だったりする。そんな風に感じていたところ、先日見つけたのがこの本である。
タグ:ジャズ
「雄鶏の尾」ではない rooster tail [音楽と英語]
spice of life (マンハッタン・トランスファー) [音楽と英語]
前回の a slice of life からの連想で、響きが似た spice が使われているのが "Variety is the spice of life." という決まり文句である。「変化は人生の薬味」と辞書にある。島倉千代子ではないが、「人生、いろいろあるから面白い」ということか。
ビートルズの biography 読了 [音楽と英語]
これまでいくつかの英語表現を紹介してきた the Beatles の伝記 "The Love You Make" を読み終わった。さすがにもう過去の存在になりつつあるのかもしれないが、私は十代前半の頃、毎日のようにビートルズを聞いていた。
メンバー4人の生い立ちから始まって、グループの結成と世界制覇、そして解散まで、60年代を駆け抜けた波乱万丈の活動とそれぞれの生活を豊富なエピソードで描いたあと、さらに解散後の4人に触れ、80年の衝撃的なジョンの殺害で全体が閉じられる。
メンバー4人の生い立ちから始まって、グループの結成と世界制覇、そして解散まで、60年代を駆け抜けた波乱万丈の活動とそれぞれの生活を豊富なエピソードで描いたあと、さらに解散後の4人に触れ、80年の衝撃的なジョンの殺害で全体が閉じられる。
タグ:ビートルズ
「刷り込み」には勝てなかった~ビートルズの"Let It Be... Naked" [音楽と英語]
Let It Be... Naked [Bonus Disc]
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 2003/10/31
- メディア: CD
十代の一時期、すでに解散していた The Beatles を、深夜放送やカセットテープで毎日のように聴いていた。LPのアルバムをすべて集める金銭的余裕はなかったため、友人グループの間で割り振って、買ったレコードをテープにコピーしあうなんてこともしていた(ちなみに私に割り当てられたアルバムは Help! だった)。
それも遠い昔の事になり、社会人になって全部集めたCDも、さすがに近年は聴くことがなくなっている。この Let It Be... Naked も、3年ほど前に出たのは知っていたが、今回たまたまレンタル店で目に留まり、初めて聴いた。
タグ:ビートルズ
マドンナで広まったwannabe [音楽と英語]
前回 has-been と might-have-been という表現について書いたが、動詞を他の動詞・助動詞とくっつけてできた、人を表す単語をもう少し見てみよう。こうした成り立ちの単語で、まずあげられるものといえば would-be だろうか。形容詞だけでなく名詞としても使える。
勝負はこれからだ (The opera isn't over until the fat lady sings.) [音楽と英語]
先日取り上げたオスカー・ワイルドの「サロメ」は、作曲家リヒャルト・シュトラウスが、世紀末的な妖しさと色彩感あふれる音楽で染め上げたオペラにしている。ということで今回は opera という単語が出てくる表現 The opera isn't [ain't] over until [till] the fat lady sings. を取り上げてみよう。
タグ:クラシック =英語文化のトリビア
ホルストの「惑星」 [音楽と英語]
先日、惑星を覚える「水金地火・・・」に当たる英語の言葉遊びについて書いたが、映画「スターウォーズ」の音楽を思わせる、SFスペクタクル音楽の元祖のような作品が、イギリスの作曲家ホルスト Gustav Holst の組曲「惑星」 The Planets である。地球と当時未発見だった冥王星を除く7つの惑星にちなんだ曲で構成されている。
タグ:クラシック =英語文化のトリビア
英語は難しくないのに速読するのは難しい本 [音楽と英語]
英語の力をつけるために読書は不可欠だろうし、多読、あるいは速読の重要性もよく指摘されている。ただ、速読を強調するあまり、何でもかんでも速く読まなくてはならない、という固定観念のような考えを持つとしたら、それはそれでまずいのではないだろうか。今回読んだエドワード・サイードとダニエル・バレンボイムの対談集は、そんなことを思わせてくれた。
Parallels and Paradoxes: Explorations in Music and Society (Vintage)
- 作者: Edward W. Said
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2004/03/09
- メディア: ペーパーバック
タグ:クラシック
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