blue-sky ~英和辞典の訳語は適切か [注意したい単語・意外な意味]
前回の a patch of blue sky「雲の晴れ間」から、今回は後半の blue sky にからめて書いてみたい。形容詞の blue-sky は、英和辞典を見ると「空想的な」「現実味のない」「実際的でない」「足が地についていない」といった訳語が載っている。
a patch of blue sky 「雲の晴れ間」 [注意したい単語・意外な意味]
前回の pocket 「周囲と異なる地域」からの連想で patch を取り上げたい。「パッチ」としてやはり日本語になっている単語だが、「他と異なって見える箇所」「周りとは色が違う部分」を指すのに使える。
narrative「出来事を伝える話」「説話」「ナラティブ」 [注意したい単語・意外な意味]
先日取り上げた trajectory は近ごろよく目にする感があるが、同様に見る頻度が高くなった単語が narrative である。英和辞典には「物語」という訳語が載っているが、フィクションというより実際に起きたことを語る場合によく使われるようだ。そうした注をつけている辞書もある。
英米で意味が違う cross the aisle という表現 [注意したい単語・意外な意味]
同じ英語でもアメリカとイギリスで意味が違う言葉がある。よくあげられるのは table (議案を)「棚上げにする」と「提出する」だろうが、私の学習ノートには何かで知った cross the aisle という表現がメモしてある。なかなか実例にお目にかかることがなかったが、最近読んだ記事に、これを下敷きにしたと見られる表現が出てきたので取り上げてみたい。
people with health conditions 「持病がある人」(新型コロナウイルス感染拡大続く) [注意したい単語・意外な意味]
疫病の大流行が、医療・衛生面のみならず、世の中のさまざまな問題をあぶり出し、国内や国際社会のあり方を一変させる―そんな話は世界史の本で読むものと思っていたが、まさか自分がその時代に生きて立ち会うとは想像もしなかった。ありがたくないことだが、まさに歴史を目撃しているという感を強めている。
a bank of elevators 「エレベーターの並び」 [注意したい単語・意外な意味]
前回は flight が「ひと続きの階段」を指すことについて書いたが、その連想で、bank のちょっと意外な意味について短く触れておきたい。この単語は「銀行」や「土手」のほか、モノの「列」「並び」としても使えるのだ。
a flight of stairs 「(階の間の)ひと続きの階段」 [注意したい単語・意外な意味]
今回も、簡単そうでいて意外な意味を持つ単語について書く。flight は「飛ぶこと」「飛行」だが、階段にも使うことができる。上り下りする動作からの連想に由来するのだろうか。
階段といっても個々の段のことではなく、ある階から次の階までの、一段一段が途切れなく続いてまとまっている部分を指す。
階段といっても個々の段のことではなく、ある階から次の階までの、一段一段が途切れなく続いてまとまっている部分を指す。
noodle 「あれこれ考える」「楽器をかき鳴らす」 [注意したい単語・意外な意味]
今回も、本の整理・処分をしていて目にとまった古いペーパーバックから単語をひとつメモしておきたい。noodle には「ヌードル、麺類、パスタ」のほかに、動詞として「アイディアを探る」というような意味もあるのがおもしろい。
キム・カーダシアンの「キモノ」騒動~逆のようで実は似ている appropriate と misappropriate [注意したい単語・意外な意味]
アメリカのタレント、キム・カーダシアンが補正下着の自主ブランドを「キモノ」 Kimono と名づけ、商標登録まで行ったことが物議を醸している。日本人あるいは日系と思われる人たちによる英文の抗議ツイートが多数発せられ、英語圏および日本のマスメディアでも取り上げられている。
タグ:日本文化
複数形の elections だからといって衆参同日選挙というわけではない [注意したい単語・意外な意味]
国内のある雑誌を読んでいたら、「トランプ米大統領が来日時に『貿易交渉は7月の日本の選挙の後まで待つ』とツイートした際、elections と複数形にしていた。安倍首相が衆参同日選挙に踏み切る意向を伝えたのでないか」という見方が出ていることを報じていた。
これを読んで、「あれ?単数だから参議院選挙だけ、複数なら衆議院選挙もいっしょになる、とは必ずしも言えないはずだが」といぶかしく思った。
これを読んで、「あれ?単数だから参議院選挙だけ、複数なら衆議院選挙もいっしょになる、とは必ずしも言えないはずだが」といぶかしく思った。
タグ:日本の政治
opportunistic は「日和見」という訳でいいのか? [注意したい単語・意外な意味]
先週BBCのサイトを眺めていたら、トップページに載っている別々の記事の両方に「opportunistic な殺害」という表現が使われていた。まったくの偶然でおもしろいと思ったが、そのついでにこの単語について改めて考えてみた。
タグ:辞書
ネイティブにとっても使い方がメンドウな単語 fulsome [注意したい単語・意外な意味]
トランプ政権にとっての地雷であるロシア疑惑の捜査が大詰めを迎えていることもあってか、米英メディアのサイトには関連の記事が目立つ。そのひとつで目にとまった fulsome という形容詞について書いてみたい。
皮肉や反語の thank you(トランプ、GMの国内事業縮小に怒る) [注意したい単語・意外な意味]
自動車メーカーGMがアメリカ国内での生産削減を決めたことに対して、トランプ大統領が「もう補助金は出さない」と息まいている。その怒りのツイートを材料に thank について短く書いてみたい。
タグ:トランプ
soul food は「ソウルフード」と同じなのか、それとも違うのか [注意したい単語・意外な意味]
「ソウルフード」というカタカナ語がある。先日ある会合に出たら、参加した英語のネイティブスピーカーに対して soul food を使った日本人がいて、そのやり取りをきっかけに考えたことがあるので、以下書いてみたい。
タグ:カタカナ語
succeed 必ずしも「成功」ならず (オウム麻原代表の死刑執行) [注意したい単語・意外な意味]
日本で生まれ日本語で育った以上、英語を多少がんばって学んだからといって、そうやすやすと母語を排除して”英語で考える”ことができるようになるわけではあるまい。先日、オウム真理教の麻原彰晃ら幹部の死刑が執行されたことを伝えるCNNの記事を読んでいて、あらためてそう思った。
「文字通り」でなくても使われる literally [注意したい単語・意外な意味]
このところ時間的な余裕がなく更新が滞ったままだが、そろそろ短くても何か書かねばと考えたので、literally を取り上げてみることにしよう。
きっかけは、以前書いた「『技術的に』ではない technically」というエントリに先日コメントをいただいたことだ。自分が昔書いたものを読み返していたら、同じように字義通りの意味から外れた使い方をする副詞の例として頭に浮かんだのである。
きっかけは、以前書いた「『技術的に』ではない technically」というエントリに先日コメントをいただいたことだ。自分が昔書いたものを読み返していたら、同じように字義通りの意味から外れた使い方をする副詞の例として頭に浮かんだのである。
leapfrog 「馬跳び」「(軍隊の)交互前進」 (ハインライン「宇宙の戦士」) [注意したい単語・意外な意味]
前回取り上げた frogmarch 「後ろ手に縛って連行する」からの連想で、leapfrog という単語について書いてみたい。字面通りだと「かえる跳び」という感じだが、そう考えていいだろうか。
タグ:翻訳・誤訳
pneumatic 「出るところが出ている」「豊満な」 (「プレイボーイ」の創業者ヒュー・ヘフナー死去) [注意したい単語・意外な意味]
このブログを始めて何回目かになる国政選挙が決まった。そうした際には選挙がらみの英語をよく取り上げたりしたが(→たとえばこちら)、もはやそうした表現には食指が動かず、きょうウェブの英文記事を見ていて目にとまったのは、Playboy 誌を作ったヒュー・ヘフナー死去の記事だった。
タグ:=英語文化のトリビア 訃報
live and learn 「何事も経験だ」、および使用上の注意点 [注意したい単語・意外な意味]
「初めて直面する試練」を意味する baptism of fire という表現を前回紹介したが、これで連想したのが live and learn である。「生きて学ぶ」って何のことだ、と思うが、新しいことや意外なことを知って驚いた時に使う。
existential threat 「死活問題の」「存亡にかかわる」 [注意したい単語・意外な意味]
少し前から読み進めているノンフィクションに existential threat という言葉が何度か出て来た。国際情勢に関する内容で、existential を辞書にあるような「実存(主義)の」という訳語で考えるとピンと来ない。
arrest 「軍用機の空母へのワイヤー着艦」 (中国初の国産空母が進水) [注意したい単語・意外な意味]
前回は「航空母艦」と「角刈り」を指すスラング flat top を取り上げたが、時を同じくして、中国が初めての国産空母を進水させた。ということで、今回も空母をネタに、「逮捕」とは違う arrest の意味について書いてみたい。
vintage Trump 「"トランプ節"全開」 「これぞトランプ」 [注意したい単語・意外な意味]
ワインやファッション、趣味性の高い製品に使われる「ビンテージ」だが、vintage は”年代もの”でなくても、また人についても使うことができる。先週行われたトランプ大統領の記者会見について読んでいたら、奇しくも複数の記事がこの単語を使っていたので、取り上げてみよう。
「美」ではない、皮肉の beauty (トランプ、BBCにイヤ味) [注意したい単語・意外な意味]
この週末、オバマ氏の退任演説とトランプ氏の当選後初会見にネットで接した。練り込んだスピーチと即興の応答がある会見は単純には比較できないが、それでも2人のキャラやスタイル、さらに品格の違いが今さらながら印象的だった。
今回は後者から beauty について書いてみたい。単語自体は初歩の初歩だが、表面的な意味を捉えただけではダメということを思い知らされた実例があったからだ。
今回は後者から beauty について書いてみたい。単語自体は初歩の初歩だが、表面的な意味を捉えただけではダメということを思い知らされた実例があったからだ。
「賞」ではない award (国際仲裁裁判所、南シナ海での中国の主張を認めず) [注意したい単語・意外な意味]
award には「賞(を授与する)」のほか、「賠償金の額(を言い渡す)」という意味がある。それは知っていたが、ハーグの仲裁裁判所が南シナ海での中国の権益を認めなかったというニュースを読んでいたら、この単語が出てきた。「そうか、損害賠償だけでなく仲裁裁判にも使えるんだ」と、自分の不明を恥じた。
タグ:国際問題
get together romantically 「深い関係になる」 (刑事コロンボ「死者の身代金」) [注意したい単語・意外な意味]
久しぶりに往年の名作TVドラマ「刑事コロンボ」のエピソード「死者の身代金」 Ransom for a Dead Man を観た。そこに romantically という単語が出てきたが、「ロマンチック」という意味ではないので、ちょっとメモしておこう。
タグ:刑事コロンボ
half-moon 「爪半月(爪の根元の白い部分)」 [注意したい単語・意外な意味]
月は単体では the moon と定冠詞がつくが、「半月」「満月」といった形態を表すときには a half-moon, a full moon などと不定冠詞がつくと先日書いた。ついでに天体の月ではないが、half-moon が「爪のつけ根にある白いところ」を指すことを連想したので短く書いておきたい。
revisit 「考え直す」「再検討する」 #2 (オバマ大統領が広島訪問へ) [注意したい単語・意外な意味]
数か月前に「再訪する」という意味ではない revisit について取り上げたが、このほどオバマ大統領の広島訪問決定を発表したアメリカ政府高官の言葉にもこの単語が使われていたので、短くメモしておきたい。
be had 「だまされる」 [注意したい単語・意外な意味]
先日「手に入る」という意味の to be had について書いたが、I've been had. のような場合は「だまされる」ことを示す。これまた先日取り上げた fall for something が「(ウソなどに)だまされる」だったこともあり、似た意味の表現としてついでに短く書いておこう。
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