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続・oyster をめぐって [名言・ことわざ]

前回に続いて oyster について書きたい。この単語にからんだ表現で私が実際に耳にしたことのあるのが "The world is my oyster." である。

「この世は自分の思うがままだ」「自由に何でもできる」という意味だと辞書にある。シェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」 The Merry Wives of Windsor に出てくるそうだ。

英英辞典がどう定義しているか、オンラインの辞書をいくつか見てみよう。

- the world is sb's oyster
If the world is someone's oyster, they can do what they want to or go where they want to: You're young and healthy and you have no commitments - the world is your oyster.
(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)

- the world is one’s oyster
one is able to enjoy a broad range of opportunities. from Shakespeare’s Merry Wives of Windsor (ii. ii. 5).
(Compact Oxford English Dictionary)

さらに、本棚にある「シェイクスピアの名セリフ」(ジャパンタイムズ、1991年)を引っ張りだしてみた。もとのセリフは

Why then the world's mine oyster,

Which I with sword will open.

というもので、シェイクスピアが生んだ登場人物の中でも有名なフォールスタッフ Falstaff に「金は貸さない」といわれた Pistol というほら吹きが言い返した言葉とのこと。

同書に載っている小田島雄志の訳は

ではこの剣にもの言わせ、貝のごとくに閉ざしたる世間の口をこじあけて、真珠をちょうだいするのみだ。

となっている。oyster は、私の持っている英和辞典だと単に「牡蠣」となっているだけだが、電子辞書を見ると

a large flat shellfish. Some types of oyster can be eaten and others produce shiny white jewels called pearls
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)

とある。自分の意のままになるのが牡蠣とは、はて、英語圏の人はそんなに牡蠣を好んで食べたっけ、と思ったが、真珠貝をこじ開けて中身をわがものにする、ということなら納得がいく。

さて、この "The world is my oyster." を取り上げたついでに、ちょっと脱線して書きたいことを考えたが、長くなるので次回にする。

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コメント 2

たんご屋

わたしの実家はカキ養殖漁業者なので毎冬うちに大量に牡蠣を送ってくれますが、ごくまれに中に小さな異物が入っていることがあります。あれも一種の真珠なんでしょうね。まあ、英語の oyster は日本語の「牡蠣」とは違ってアコヤ貝など一般的に真珠をとる貝のことも指すようですが。
by たんご屋 (2009-03-04 10:47) 

子守男

たんご屋 さん、コメントありがとうございました。ご実家がカキの養殖をされているのですね。私の父は半農半漁の村の出身ですが都会に出てきてサラリーマンとなったので、「実家が何かを送ってきた」という楽しみはなく、うらやましいです。
おっしゃるようにoysterは日本語の牡蠣と同一に考えてはいけないようですね。

by 子守男 (2009-03-05 10:49) 

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