大坂なおみ選手の「ごめんなさい」は本当に誤訳なのか? [翻訳・誤訳]
テニスの全米オープン決勝について前々回取り上げたが、勝った大坂なおみ選手が表彰式で「こんな結果になってごめんなさい」と言ったと報じられていることについて、「謝罪はしておらず、誤訳だ」という指摘が出ている。本当にそうだろうか。
英語の語順に従って読んでこそ味わえる面白さ [翻訳・誤訳]
「壁にとまったハエ」は適切な訳か? ~ fly on the wall #2 [翻訳・誤訳]
面白そうな本が次々に出版されているが、時間も金も限りがある私としては、各種の書評をウェブで見てあれこれ想像をめぐらせるのが精一杯だ。そんな調子である最新の書評を眺めていたら、「あれ?」と思ったことがあった。
「すべての爆弾の母」は誤訳か? (the mother of all ~ その2) [翻訳・誤訳]
先週、アメリカ軍が通常兵器では最も破壊力の高い爆弾を対IS作戦で使ったと報じられたが、この兵器について一部のマスコミが「”すべての爆弾の母”と呼ばれている」と伝えていた。これを見てすぐ、「the mother of all... というイディオムの直訳だな」と思った。このブログを始めたばかりのころ取り上げた表現でもある(→ 母ではない mother)。
その時の復習になるが、the mother of all... とは「最高・最大の~」「とてつもない」を意味する表現だ。イラクのサダム・フセイン大統領が使った言葉(アラビア語)が由来らしいという説があることも当時書いた。
その時の復習になるが、the mother of all... とは「最高・最大の~」「とてつもない」を意味する表現だ。イラクのサダム・フセイン大統領が使った言葉(アラビア語)が由来らしいという説があることも当時書いた。
タグ:ニュースと英語
オバマ就任演説の誤訳~ no more A than B について [翻訳・誤訳]
このところオバマ大統領の就任演説について書いた関連で、ネットでいくつかの記事を見ていたら、ある新聞がこの演説の一節を誤訳し、訂正記事を出していたことを知った。
By the Stars of the Galaxy [翻訳・誤訳]
アイザック・アシモフ Isaac Asimov の「ファウンデーション」 Foundation をめぐる英語についての思い出をもう一つ。私が中学生の時に読んだ翻訳の解説に、SF小説の英語の特徴について次のような記述があった。
SFは遠い未来を描いたり異星人が出てきたりするので、本来なら "Oh, God!" のようになる感嘆や驚きの言葉では、god などの代わりに例えば galaxy とか space が使われることがある。だから間違って訳さないようにしなくてはならない。当時読んだ翻訳は手元になく正確には思い出せないが、確かそうした内容だった。
SFは遠い未来を描いたり異星人が出てきたりするので、本来なら "Oh, God!" のようになる感嘆や驚きの言葉では、god などの代わりに例えば galaxy とか space が使われることがある。だから間違って訳さないようにしなくてはならない。当時読んだ翻訳は手元になく正確には思い出せないが、確かそうした内容だった。
タグ:アイザック・アシモフ SF
「不思議の国のアリス」の新訳 [翻訳・誤訳]
前回、「不思議の国のアリス」のいろいろな訳書を書店で手に取ってみたことを書いた。antipathies がどう訳されているかを見るためだが、それ以外の部分も拾い読みをして比べてみた。
言葉遊びが特徴の作品だけに、どの翻訳もいろいろと工夫し、また苦心しているさまが見て取れる。その中でも「うまいな」と思って購入したのが、出版されてまもない河合祥一郎氏による新訳だった。
言葉遊びが特徴の作品だけに、どの翻訳もいろいろと工夫し、また苦心しているさまが見て取れる。その中でも「うまいな」と思って購入したのが、出版されてまもない河合祥一郎氏による新訳だった。
タグ:日本語
「不思議の国のアリス」の Antipathies をどう訳すか [翻訳・誤訳]
今回も「不思議の国のアリス」について。子どもの頃この作品を読んでいて、よくわからない箇所があった。昔のことなのでとうに忘れていたが、前回取り上げた別宮貞徳氏の「アリス」の解説本にその部分が取り上げられていたので思い出すとともに、「そういうことだったのか」と合点がいった次第である。
「夏への扉」の新訳 [翻訳・誤訳]
先日ちょっと触れた、ロバート・A・ハインラインの小説「夏への扉」の新訳を店頭で見て、旧訳を持っているにもかかわらず、手に取ってレジに向かってしまった。再読してみようと思わせる名作だからだが、やはり新しい訳に対する興味もあった。さらに、夏が好きな私なので、旧訳よりも夏の雰囲気を前面に押し出しているカバー画の効果もあったかもしれない(作中に登場するネコを描いているのは共通している)。
タグ:SF
「動物農場」の新訳 [翻訳・誤訳]
「ライ麦畑」と「キャッチャー」 [翻訳・誤訳]
作家のサリンジャーが先日死去した。新聞やテレビの報道を見て面白いなと思ったのは、私が触れた限りでは、みな代表作 The Catcher in the Rye を「ライ麦畑でつかまえて」として紹介していたことだ。新訳のタイトル「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の方は、使われないか、新訳が話題となったという文脈で出てきた。
タグ:日本語
audacity と「オバマ演説集」への疑問 [翻訳・誤訳]
前回は chutzpah について英英辞典の記述をいくつか引用したが、その中に audacity を使った定義があった。昨今ブームとなっている「オバマ演説で英語学習」を実践していながら、この単語にピンと来なかったとしたら、あなたはオバマ・ファンとしても英語の面でもまだまだである。
「借りた時間を生きる」とは? (live on borrowed time) [翻訳・誤訳]
前回、SF作家クラークが死去したことについて書いたが、彼の作品「2001年宇宙の旅」の翻訳にちょっとひっかかる部分があり、それをきっかけに覚えたイディオムがある。これまでも書いたことがあるように、こういった形で単語や表現を覚えることが時々あって、翻訳者に対して意地悪といえば意地悪である。
タグ:SF
「ハムレット」の名セリフの訳 [翻訳・誤訳]
2つの「アルジャーノンに花束を」(続・印象に残った翻訳) [翻訳・誤訳]
「さゆり」 (印象に残った翻訳) [翻訳・誤訳]
「飛ぶ教室」の新訳 [翻訳・誤訳]
「翻訳教室」(柴田元幸) [翻訳・誤訳]
「黙殺」の英訳と日本の運命 [翻訳・誤訳]
1945年7月末、日本に無条件降伏を迫るポツダム宣言についての総理大臣のひと言が、連合国に「拒絶」と受け取られ、アメリカは原爆投下を決めた―終戦にまつわるエピソードとして、聞いたことがあるという人もいるかと思う。しかし、これは本当に史実だったのだろうか。
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