幻の「第10惑星」の名前決まる [ニュースと英語]
冥王星より遠くて大きく、発見当時「第10惑星か!」と言われた天体 2003 UB313 の名前が Eris に決まった。これまで Xena というニックネームで呼ばれていたが、発見チームの正式名称の提案が、このほど国際天文学連合で認められたという。
英文記事では発音を ee-ris と表記して説明しているが、由来となったギリシャ神話の神の慣例的表記を取ってか、日本の記事は、「エリス」としている。
このエリス(イーリス)、なんと不和と争いの女神とのこと。冥王星より大きいことから、惑星の定義を決める動きが起きるきっかけのひとつになった、“いわくつき”の天体の名前として、なんとも似つかわしいというべきだろうか。
主たる発見者の Michael Brown 博士も、正式名称の提案にあたって、今回の騒動を踏まえたようだ。
- "Eris caused strife and discord by causing quarrels among people and that's what this one has done too," said Mike Brown.
- Eris' discoverer, Michael Brown of the California Institute of Technology, said the name was an obvious choice, calling it "too perfect to resist."
女神のエリスは、オリンポスで行われたある結婚式に招かれなかったことに腹を立てて騒乱をひき起こし、それがついにはトロイア戦争へと発展したとのこと。
エリスにはすでに衛星が見つかっていて、Gabrielle というニックネームがあったが、こちらも今回、正式に Dysnomia と命名された。ディスノミアはエリスの娘で、混沌と争いの女神。母娘そろって…という感じだ。
それにしても、発見メンバーの Michael Brown 先生、以前の冥王星のエントリでも紹介したが、英文や発言を読んでいると、ちょっと面白いおじさんとの印象を受ける。
これまで使われていた Xena と Gabrielle も、このブラウン博士がつけたものだが、"Xena: Warrior Princess" というテレビシリーズの主人公から取ったもので、Gabrielle は Xena の親友とのこと。
今回の命名をめぐって、Brown 博士は次のようなことも言っている。
- Brown nicknamed it Xena, after the television warrior princess, but said he didn't consider that to be an appropriate formal name for a celestial body. "Then the next one would be Spock or something, and that wouldn't be quite so dignified," Brown said in a telephone interview.
(Spock は、SFテレビシリーズ Star Trek の登場人物のことだろう)
また、
- "It's a little sad to see Xena go away," he said.
ということだが、Brown 先生のサイト http://www.gps.caltech.edu/~mbrown/ でも、さっそく名称がアップデイトされていた。
今回参考にした国際天文学連合の英文はこちら。
http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0605/index.html
つい先ごろまで夏だったのに、いつの間にか、夜遅く帰宅する時には、アンドロメダやペガススといった星座が天頂にかかり、虫の音を聞きながら歩く季節となった。
その連想で、「天頂」の zenith は、at the zenith of one's powers などのように、「頂点」「絶頂」「最高点」という意味もある。また apogee は軌道の「遠地点」のほか、reach one's apogee のように、やはり「最高点」という意味がある。apex という類義語もあった。
関連記事:
・さよなら冥王星
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2006-08-26
英文記事では発音を ee-ris と表記して説明しているが、由来となったギリシャ神話の神の慣例的表記を取ってか、日本の記事は、「エリス」としている。
このエリス(イーリス)、なんと不和と争いの女神とのこと。冥王星より大きいことから、惑星の定義を決める動きが起きるきっかけのひとつになった、“いわくつき”の天体の名前として、なんとも似つかわしいというべきだろうか。
主たる発見者の Michael Brown 博士も、正式名称の提案にあたって、今回の騒動を踏まえたようだ。
- "Eris caused strife and discord by causing quarrels among people and that's what this one has done too," said Mike Brown.
- Eris' discoverer, Michael Brown of the California Institute of Technology, said the name was an obvious choice, calling it "too perfect to resist."
女神のエリスは、オリンポスで行われたある結婚式に招かれなかったことに腹を立てて騒乱をひき起こし、それがついにはトロイア戦争へと発展したとのこと。
エリスにはすでに衛星が見つかっていて、Gabrielle というニックネームがあったが、こちらも今回、正式に Dysnomia と命名された。ディスノミアはエリスの娘で、混沌と争いの女神。母娘そろって…という感じだ。
それにしても、発見メンバーの Michael Brown 先生、以前の冥王星のエントリでも紹介したが、英文や発言を読んでいると、ちょっと面白いおじさんとの印象を受ける。
これまで使われていた Xena と Gabrielle も、このブラウン博士がつけたものだが、"Xena: Warrior Princess" というテレビシリーズの主人公から取ったもので、Gabrielle は Xena の親友とのこと。
今回の命名をめぐって、Brown 博士は次のようなことも言っている。
- Brown nicknamed it Xena, after the television warrior princess, but said he didn't consider that to be an appropriate formal name for a celestial body. "Then the next one would be Spock or something, and that wouldn't be quite so dignified," Brown said in a telephone interview.
(Spock は、SFテレビシリーズ Star Trek の登場人物のことだろう)
また、
- "It's a little sad to see Xena go away," he said.
ということだが、Brown 先生のサイト http://www.gps.caltech.edu/~mbrown/ でも、さっそく名称がアップデイトされていた。
今回参考にした国際天文学連合の英文はこちら。
http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0605/index.html
つい先ごろまで夏だったのに、いつの間にか、夜遅く帰宅する時には、アンドロメダやペガススといった星座が天頂にかかり、虫の音を聞きながら歩く季節となった。
その連想で、「天頂」の zenith は、at the zenith of one's powers などのように、「頂点」「絶頂」「最高点」という意味もある。また apogee は軌道の「遠地点」のほか、reach one's apogee のように、やはり「最高点」という意味がある。apex という類義語もあった。
関連記事:
・さよなら冥王星
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2006-08-26
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