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「帰ってくれたらうれしい」か? (You'd Be So Nice to Come Home to) [音楽と英語]

ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

  • アーティスト: クリフォード・ブラウン,ジミー・ジョーンズ,オスカー・ペティフォード
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2003/04/23
  • メディア: CD

前回取り上げた crooner は、男性歌手を指すことが多いようだが(もっとも、検索したら female crooner も使われている)、英語でジャズの歌を聞くのなら、曲を楽しむ上でも英語を学ぶ上でも女性(女声)のほうが好みなのは、私が男だからだろうか。

女性ジャズ歌手の名盤の一つに、マイクの前で絶唱するジャケットが印象的なヘレン・メリル Helen Merrill のアルバムがある。2曲目の "You'd Be So Nice to Come Home to" は特に人気だ。

かつては「帰ってくれたらうれしいわ」という邦題をよく見たが、いまはほとんど英語をカタカナで表記したものになっている。別にカタカナ流行りの傾向に乗ったものではなく、以前の題は訳が不適切だかららしい、と何かで読んだことがある。

どういうことかというと、She is pleasant to talk to. が It is pleasant (for me) to talk to her. と言いかえられるように、この You'd be so nice to come home to. は、It would be so nice (for me) to come home to you. ということであるという。つまり、相手が自分のところに帰ってくるのではなく、自分が相手の方へ帰っていくというわけだ。

…などと書いた私も、邦題は不適切だという指摘を最初に読んだ時は、「へ?」と思い、ついで上記のような説明を読んで、ようやくわかった(つもりになった)ことを覚えている。

今でも、こうした文を聞いたら、とっさに「帰ってくれたらうれしいわ」的に取ってしまう可能性は大きい。やはり母語でない哀しさ、英語がすっと入ってくるようにはなかなかならないものだ。

それにしては、邦題として「ユード・ビー・ソー・ナイス・・・」では、どうにも間が抜けた感じがする。映画のタイトルもそうだが、やはりカタカナの羅列はいただけない。

いずれにせよ、ヘレン・メリルのこのアルバムは、歌唱・演奏、選曲、そしてジャズでは重要な要素であるジャケットと、三位一体揃った名盤だ。ジャズボーカルの入門としてもうってつけだと思う。

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