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「都落ち」の英語表現 [和英表現]

先日、ノンフィクション "Rise of the Vulcans" から、若き日のチェイニー氏が政権交代とともにワシントンから去った時のことを、映画「スミス都へ行く」に引っかけて表現した文を紹介した。この邦題を借りれば、チェイニー氏の「都落ち」ということもできるだろうか。そこで、和英辞典でこの日本語を英語でどういうか調べてみた。

ある辞書には leave the capital とか、転勤の場合として be transferred to などとあった。しかし、中央への集権・集中度が日本とは異なるアメリカのような国の人に、「都落ち」の持つ翳のような感じを伝えるのは難しいかもしれない。ちょっと哀しい気分を出すためには、to my regret とか with regret などを一緒に使うなり、状況や気持ちを具体的に説明するなりした方がいいようにも思う。

rusticate という単語も載っていた。to compel to reside in the country とか to live in the country and lead a rustic life ということだが、イギリス英語ではさらに suspend (a student) from a university as a punishment (注として used chiefly at Oxford and Cambridge) という意味もあるとのこと。

また自分の学習ファイルを見返したら、以前、なにかのイディオム本に 「都落ち」の訳として見つけた get sent to the boondocks という表現がメモしてあった。

あらためて調べると、boondocks はインフォーマルな単語で、通常 the をつけて複数形で使い、 rough or isolated country とか a remote and undeveloped area との定義が載っている。タガログ語から来た単語とのことだ。the boonies, the sticks という類義語もあった。

いずれにせよ、現代日本語では、東京をはじめとする大都市圏を出るだけでも「都落ち」という人がいると思う。まさに the country, boondocks という場所ならまだしも、そうでない立派な都市に移ることもある。本人がどう考えているかは別として、お堅い rusticate にせよ、口語の get sent to the boondocks にせよ、適切とはいえない場合もあるのではないだろうか。やはり、「この日本語は英語ではこういう」という1対1対応がいつも成り立つとは限らないと思う。

ついでにもうひとつ、関連で思い出した、同じく b- で始まる単語に barnstorm がある。最近の TIME 誌で見た例から。

A few weeks ago I went to Madonna and Bruce Springsteen at Madison Square Garden (they were barnstorming through within days of each other).

この単語、辞書を見ると to tour through rural districts staging usually theatrical performances また to travel from place to place making brief stops (as in a political campaign or a promotional tour) とあり、「地方巡業」、場合によっては「ドサまわり」という日本語にもあてはまりそうだ。on the road という言い方もある。

今回は「都」にからんで、中には失礼な日本語表現も出てしまったが、これまでの引っ越し回数を数えるのに両手が必要な転勤族の私は、どんな場所も「住めば都」だと思っている。


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